第065話 進化、続々
「ニャオーンッ!!」
次に進化をしたのはクロ。
クロは特殊進化じゃないため、黒影石だけだったんだけど、なかなか見つからなくてようやく見つけることができた。
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個体名:クロロ
種族 :インビジブルキャット
属性 :闇
レベル:1/40
ランク:C
スキル:インビジブル
シャドウムーブ
ブラインド
状態 :良好
進化条件
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体の大きさや見た目に大きな変化はなく、その代わり、風景に同化する魔法ミラージュが、完全に姿が見えなくなるインビジブルへと変化。
気配も薄くなり、うっかりするとその存在を見失う。さらに隠密性に優れ、奇襲に長けた存在であるインビジブルキャットへと進化した。
特殊進化ほどじゃないけど、きちんと強くなっている。
今度からはクロにはインビジブルで姿を消してついてきてもらえばいいだろう。
「今日はここまでかな」
すっかり日が暮れてしまい、今から帰っても街の門の閉門に間に合わなさそうなので、そのまま野営することに。
バランスで従魔たちを3つに分け、一番戦闘力の弱い班に俺が入り、交代しながら休息を取った。
夜の襲撃はなく、そのまま次の日の朝を迎える。
「チィッ!!」
そして、次の日に進化したはリリ。
―――――――――――――
個体名:リリ
種族 :炎雷鷲
属性 :火・雷
レベル:1/40
ランク:C
スキル:ファイヤーランス
ファイヤーブレス
サンダーランス
フェザーニードル
状態 :良好
進化条件①▼
進化条件②▼
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その見た目は大きく変化した。サイズが90cm程まで大きくなって、赤を基調していた体が朱色へと変わり、その端々が黄色くなっている。
そして、体表からバチバチとした小さな稲光のようなものを発していた。
これは主人である俺や同じ俺の従魔であるリリたちには効果はないけど、それ以外の誰かが触れると、雷が走ってビリビリ痺れてしまうらしい。
それと、ファイヤーボールがファイヤーランスへと変わり、サンダーランスという新しいスキルを覚えた。これは巨大な槍状の炎と雷を放つ魔法だ。
一度に複数放つこともでき、その威力は最下級のファイヤーボールの数倍以上だ。
このモンスターも図鑑では名前しか載っていなくて非常に希少性が高く、情報が少ない。
それに、見た目がここまで変わってしまうと、流石にファイヤーカイトで通すのは難しい。
傭兵ギルドに一緒に連れて行くと、注目を浴びてしまいそうだ。
それならいっそ進化前の別の誰かを連れて歩いた方がまだマシだろう。
できれば、早いうちに誰かに頼んで代理契約させてもらってでも育成牧場の厩舎をアップグレードして収容数を増やしたい。
一番の候補はエルたちだ。今度相談してみよう。
さらに数日間探索続けたけど、プルー、ルナ、アスラの進化素材はここでは全て揃いそうにない。イービル山の方に行く必要がありそうだ。
「よし、これでリタの分も集まったな」
「はい、ご主人様」
ただ、そのおかげでリタの分の進化素材まで集まった。後はレベルを上げるだけだ。
まだ進化条件は確認してないけど、これまでの傾向を考えると、今後はシルバー峡谷とイービル山を行き来することになりそうだな。
「そろそろ、アイリも心配するだろうし、帰ろう」
皆が元気よく返事をして、俺たちはシルバー峡谷を降りた。
「お疲れ様じゃな。おお、何人か進化したようじゃな」
「ああ。おかげさまでな」
「ワシは何もしておらぬ。それにしてもCランクとは思えない力を感じるのう」
ノワールの森に入るなり、どこからともなくサーシャが現れて俺を出迎える。
そして、進化した、リリ、ポーラ、クロを感心するように見つめた。
サーシャが見ても分かるくらい違うらしい。
「特殊進化はそれだけ凄いってことだろうな」
「進化し続けたらどれだけ強くなるか想像もできんな」
「俺もそう思う」
これでCランクだ。まだB、A、S、SS、SSSと5段階も残っている。
SSSランクまで上り詰めた時の強さは想像を絶するものになるだろう。
「それよりも何日も戻ってこなかったのう。ないとは思ったが少し心配したわ」
「心配させてごめん。希少な素材だけあって思ったよりも時間が掛かった。悪いな。お菓子持ってこれなくて」
「そういうことではないのじゃが……まぁ、よい。気にするでない。今度多めに持ってきてくれればええ」
「分かった」
なんだか不服そうだったけど、サーシャはそのまま森の南側の端付近まで連れていってくれた。
「今日もありがとう。それじゃあ、明日またお菓子持っていくから」
「うむ。待っておる」
サーシャに別れを告げ、家に帰る。
「ただいま」
「あ、お兄ちゃん!! おっそい!! 心配したんだからね!!」
家の中に入るなり、俺が帰ってきたのを察知して不機嫌そうに突撃してきた。
今までにない衝撃が走る。
その察知能力しかり、突撃の力しかり、クロロの進化によって恩恵が強化されたに違いない。
「あぁ、悪い悪い。ほら、アイリが好きなアップルパイだぞ?」
「アップルパイ!! やったぁ!! お母さん、紅茶用意して!!」
「はいはい、分かったわよ」
俺が誤魔化すように帰りに買ってきたアップルパイを取り出して渡すと、すぐに機嫌を直して母さんのところに走っていった。
奥から母さんの呆れたような声が聞こえる。
その後、俺たち家族はティータイムと洒落こんだ。
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