ヤンデレ

「た、橘さん! ここは一体どこなんですか!? はやく僕を家に帰して下さい!」




「えへへ……大丈夫だよ、リュウ君。だって今日からはココが、リュウ君と私のおうちなんだから」




「な、なにを言っているんです!? 冗談にしても、この拘束は笑えませんよ!」




「冗談なんかじゃないもん。そもそも、リュウ君が悪いんだよ? 私はこんなにリュウ君の事が好きで、好きで好きで好きで、どうしようもないのに、なのに……なのにリュウ君、私の誘いは忙しいって断ったくせにッ、他の女の子とお出かけなんか……!」




「ッ!? な、なぜそれを!?」




「……あは、驚いた? 私ね、リュウ君の事ならなんでも知ってるんだよ?」




「なんッ!? なんでもッ……!? 今なんでもと仰ったんですかッ!?」




「え? そうだよ。私はリュウ君のことならなんでも――――」




「どこまでッ!!」




「ひっ!? リュ、リュウ君? ど、どうしてそんなおっきな声」




「どこまで知っている、と聞いているッ!!」




「ひぃっ!? ど、どこまでって……ス、スマホのパスワードとかっ、よくLINEしてる相手とかっ」




「LINEを見たのかッ!?」




「ひぃ!!」




「答えろッ!! 見たんだなッ!?」




「み、みたぁ! みましたぁ!」




「~~~~ッ!! クソッ!! 時間が無い!!」




「リュ、リュウ君……?」




「橘さん!!」




「うぇっ!? はっ、はい!!」




「今すぐ僕にキスしてください!!」




「ゔぇぇッ!? ヴぇッ、ぶえぇ~~ッ!?!?」




「早くッ!!」




「まっ、むっ、むりッ!! そんな急にっ、むりですゥッ!!」




「無理じゃないッ!! やるしかないんだッ!! 今ッ!!」




「や、やだぁ!! こんなッ、わけわかんないうちになんてっ、いやぁ!!」




「そんなことを言っている場合じゃないんですッ!! 早くッ!! 可及的速やかにッ、キスを!!」




「ううううぅ~~ッ!? ヤぁッ!! ヤだぁ!! こんなのっ、絶対イヤぁッ!!」




「くッ……こんなことになってしまってッ、本当に申し訳ないと思っていますッ!! 事が済んだら全てお話しますッ!! だから今はッ!! どうか僕にキスをッ!!」




「どっ、どうしてぇ!? わかんない!! わかんないわかんないわかんない!! 私わかんないよぉ!!」




「好きだからッ!!!!」




「ッ!?」




「あなたがッ、世界で一番好きだからッ!!!!」




「うぇっ、うぇえ~~ッ!?!?」




「だから今ッ……!! お願いですッ……!!」




「うぅ~~ッ!! んううううううっ!! んううぅうぅううーーーーーッ!!」






 おわり


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