第五話 不可能犯

 さて、この話は、今後、どのように展開して行くのであろうか?



 しかし、更に、石川県警全体を激怒させる事が起こったのである。



 何と、ワイドショーでも人気を誇る、「情報ワイド:メガネ屋」で、コメンテーターの一人が、石川県警の無能さを、堂々とテレビで話した事だ。



 これをたまたま県警本部長が見ていたのだ。頭から湯気を昇らせて、捜査一課長を、呼んで、大声で怒鳴りつけた。



 しかし、これほど証拠が無い事件も珍しい。



 唯一の証拠と言えそうなのは、ラブホの入り口兼出口の旧式防犯カメラに写った姿のみであって、多分、女性だろうと言う事は分かるのだが、その犯人の物と思われる、指紋や唾液、体液等は全く残っていないのである。



 せめて、ガイシャのスマホさえ発見されれば、スマホの履歴復活のプロが警視庁のサイバー犯罪対策課にいるのは分かっているのだが、その肝心のスマホが見つから無いのである。そして、切断された頭部もだ。



 ここで、石川県警は、ガイシャが飲んだジンのロック内に、マイナートランキライザーのエチゾラムが使われていた事から、その女性が手に入れたであろう、精神科や心療内科をしらみつぶしに捜査を、強化して再会する事にした。



 しかし、捜査開始早々、エチゾラムは、マイナートランキライザーのため、一般の内科でも処方できる事が判明。



 過去のビッグ・データを活用して、犯人に結び付く人物の特定は事件直後から行われてはいたが、これもめぼしい者はいない。



 さて、皆さんに、再度聞く。この話は、今後、どのように展開して行くのであろうか?



 これは、決して読者への挑戦状でも無くて、私、この「立花 優」に対する問い掛けでもあるのだ。



 ここで、敢えて、種明かしする訳でも無いが、第一話から第三話までの、そのほとんどは、この私が「カキコメ」に投稿した小説『人の生首の事件』の、コピペがほとんどである。

 つまり、この話そのものが、私の書いた小説と事実とが、混在している話なのを御理解して頂きたい。



 だから、北川恭子などの登場人物の名前も、単なる某有名女優達から拝借したに過ぎないのだ。

 ……しかし、現実に、首を切断した女性犯人はいた筈で、私の推理が当たっていれば、このようなシリアルキラー(猟奇的殺人犯)は、現実に確かにいたのは、間違いが無いのだ。



 しかし、シリアルキラーの称号も輝かしいアメリカのテッド・バンディも、随分遅くなって判明したのだし、日本でも大問題となった、あの、シャーネーナー事務所の、元社長のシャーネーナー汚川(きたがわ)氏の大問題(少年への性的虐待問題等)も本人の死後になって、大問題となっているのだ。



 では、この北川恭子と言う人物は、勿論、私の小説上の仮名なのだが、今、生きているとしても、どうやって見付けるかである。



 考えられる唯一のヒントは、中学校や高校生時代に、何らかの、精神的不調を訴えていて、その手の病院にかかっていたのだろうと言う点であろう。



 だが、日本の法律によれば、カルテ(診察書類)の保存義務は、当該年度を除いて5年間である。



 と言う訳で、第一話から第三話まで出て来る、北川恭子なるシリアルキラーの特定が非常に難しいのだ。この現代の日本の現状が、かいまみえて来るのだ。

 まず、データーの保存年限が短い。



 それにいくら、どんな事情があったにせよ、復讐心のみならガイシャを殺せば良いだけの事であって、何故、鮮血を全身に浴びながらも、生きたままのガイシャの生首を切断するまでの事情があったのであろう……。



 これを医学的に名付けるとすれば、反パーソナリティ社会性障害と言う事になるのかもしれないが、反パーソナリティ社会性障害者が、皆、生首切断のような事件を起こす事は、絶対にあり得無いのだ。



 しかし、現代の精神医学では、このように、平温かつ公然と社会に溶け込んでいる人間のあぶり出しは、絶対に不可能なのである。



 正に「悪魔」なのだが、外見は、何ら一般人と変わらないのだ。

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