ロシアの宴

 スポーツには全く興味のない鳥尾巻。しかしタダ酒が飲めると聞いて、友人の職場のテニサー打ち上げという名の宴に潜り込みました。


 宴が始まり、友人の先輩男性陣に初めましてのご挨拶。1人がニヤニヤしながら、傍らに立っていた男性を紹介します。


「この人、曽祖父が白系ロシア人なんだ」

「へえ」


 確かに顔は濃いが、どう見ても日本人。どちらかと言えば南国系の濃さ。ロシア革命後、国外亡命したロシア帝国国民の子孫とは思えません。

 多分「すごーい!ロシアの血が入ってるんですね!やだ、素敵〜!(?)」などというキャピった反応を期待していたのでしょう。しかし今ほど融通が利かず、空気の読めぬ若者だった私は思わずツッコんでしまいました。


 白系とは共産主義(赤)に対しての帝政(白)です。大半はソヴィエト政府に弾圧されたウクライナやポーランド、ユダヤ教徒の亡命者でした。

 100歩譲って東欧民族を意図しての発言だったとしても、そこんとこどうなんですか?


 結局冗談でしたが、彼らは私の反応がつまらなかったようです。なお、自称ロシア人の彼は、とても酒に弱かったです。


 へいへい、ウォッカ一気飲みくらいしましょうや!(偏見 まみれの煽り)

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