寿司の宴

「友達が回らないお寿司ご馳走してくれるって。鳥ちゃんもおいでよ」


 そんな誘いにまんまと乗って、寿司屋までノコノコ出かけた私。

 店内に入った途端、カウンターに座らされ、初対面の紳士から酒をドボドボ注がれます。


「はい、駆けつけ3杯ね。乾杯!」

「ゴチになりま~す。(ぐびぐび)これ、やけに濃いですね。何入ってるんですか?」

「焼酎の焼酎割り」

「割ってないね」

「なんでも好きなもの頼んでいいよ」

「ありがとうございます。じゃあ、とりあえず一番高いの (時価)」

「やるねえ」

「ども」

 

 金持ち紳士、何かずっと喋ってるけど、高級寿司ネタに夢中な私はテキトーな相槌を打っていました。うめえうめえ。


「で、セッ◯スはスポーツだよねって、さっき話してたんだ」

「あ?ああ、なるほど?(モグモグ)」

「オレたち気が合うね」

「そうですか?(ガツガツ)ふう、お腹いっぱい。ごちそうさまでした。終電なくなる前に帰ります」

「送ってくよ~」

「1人で帰れる」

「ホテル行こうぜ~」

「行かねえよ」

「鳥ちゃんはMだと思うんだよね~。どうやって泣かせちゃおうかな~」

「きっしょ (酔ってるので言いたい放題)」


 お口が悪くてすみません。でもスポーツしに行った訳じゃないし。

 ポジティブな金持ち変態紳士、罵倒されながら、結局、駅までついて来ました。どっちがМか。


 あ、ごちそうさまでした。お寿司美味しかったです。(礼儀)

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