（いみエモ話）世直し系動画を信じすぎて、良いのかい？その動画、ちょっと待った！

第1話 世直し動画は、危険です。 いろいろな、意味で。本当に世直しをしなければならないのは、何なのか？考えてみませんか？

　　（いみエモ話）

　意味がわかると、エモイ話。

　あなたは、この話の意味がわかりますか？

　　 　 ☆

　「世直し系動画（の配信）」

　それって、良いこと？

　格好良い動画、なんだろうか？

　ある意味、迷惑動画。

　「…皆さん！こいつが、犯人です！」

　そうして、無関係の人が、まちがえられて動画にアップされるということも、あるんだし。

　偽善動画なんじゃないの？

　「何かのトラブルを見つけては、犯人を突き止めたりする。悪い世の中をこらしめ改めるというような正義感で、その様子を、動画で投稿する」

　それ、信用して良いんですか？

　まちがえられてつかまった人の立場は、どうなるんだよ！

　心配も、心配。

　こんな感覚で、動画を撮ったり、配信したりしていませんか？

　「動画の再生回数を、かせぎたい」

　「たくさんのいいねを、もらいたい」

　「…さみしい。俺がいることを、たくさんの人に気付いてもらいたい」

　悲しくて、痛すぎる。

　世直し系動画は、心の孤独が作っている闇とも、考えられるぞ。

　そんなときだ。

　とある動物園の飼育員たちが、立ち上がった！

　「…なぜ、動物園？」

　それは、生きる物を観察するのが好きだからじゃないの？

　飼育員たちが、口々に叫ぶ。

　「世直し系ユーチューバーって、いるよなあ？」

　「あ、いる」

　「いるねえ」

　「その人が投稿した動画も、見たことありますよ」

　「そういう人たちって…偽善者？」

　「孤独な人たち？」

　「孤独か。…そうか。 1人で、悪に立ち向かうんだ。孤独といえば、孤独なのかもしれないな」

　ついに、こんな意見になっていく。

　「孤独から、救え！」

　「だよな」

　「世直し系ユーチューバーたちを、保護してあげようじゃないか！」

　キター！

　今、話し合いをしていた飼育員たちは、以前、 Vチューバー動物園というものを作り、とある理由で失敗した人たちだ。そのリベンジの意味でも、燃えていたんだな。

　今回の保護計画は、上手くいくのか？

　「ユーチューバー動物園を、作ろう！」

　「彼らを、救え！」

　「保護して、あげるんだ！」

　「もう、失敗しないぞ」

　「疑問に感じている人がいたら、ぜひ、見にきてほしい！」

　「これで、来園者が増えますね」

　「言うねえ」

　飼育員たちは、にんまり。

　ユーチューバー動物園では、「世直し系動画」を作ったり配信したりといった作業に疲れた人なら、無料で入園できるルールになっていた。

　だから、なのか…？

　またもや、新しい動物園計画は、大失敗！

　　（この話の意味）

　「世直しなんて、楽じゃない」

　それ、わかってる？

　「世直し系動画のあれこれで疲れた人たちなら、皆、無料で入園できます！」

　そんなこと、いったらさあ…。

　ほら。

　今日も、たくさんの人が来園してきたぞ。　こんなやばい話をしている人たちも、いるんだが。

　「今日も、良い感じの世直し動画が、撮れたよな？」

　「ああ」

　「…問題は、ないよな？」

　「ああ。心配するな」

　「…なら、良い」

　「そうか」

　「なら、良い」

　「奈良が良いなら、和歌山も良い」

　「真剣に、やれ」

　「すまんくす」

　「…で、本当に、気付かれてはいないだろうな？」

　「気付かれるものか。俺たちがわざと事件を起こして、世直しを演じているということなんてな」

　「…だよな？気付かれているわけが、ないよな？」

　「…」

　「ちょ…。なぜ、そこ、沈黙？」

　本当に世直ししなければならないのは、こういうゆがんだ社会なんじゃないのかと、早く、気付いてほしいもんだ。

　早く、気付けー！

　世直し動画は、危険です。

　いろいろな、意味で。　

　エモいなあ。