第35話 リンの反応と俺のマホトット

 ……


 教会に戻った神父、俺、アスの三人は、神父とは教会で別れる。

 俺はアスと二人で、養護施設に向う。


『~~~』


『~~~』


 施設内の食堂でリンは、子どもたちに本の読み聞かせをしていた。

 ちゃんとの言葉も変だが、リンは子どもたちの見守りをしていた。


 シスターの姿は見えないから、多分教会に居るのだろう?

 リンは食堂に入って来た、俺とアスに気付き、和やかな表情で声を掛けてくる。


「お帰りなさい!」

「スズヤ、アスちゃん!!」


「ただいま。リン!」


「リン先生。ただいま戻りました!!」


 俺とアスは、リンにそれぞれ帰宅の挨拶をする。

 アスは、子どもたちが居る前では『リン先生』と呼んで、三人だけの時とかは『リンさん』と呼んでいる。


 子どもたちの見守りは、リンからアスに引き継ぎ、俺はリンを連れて厨房に向う。

 厨房に入った途端。リンは笑顔で俺に話し始める。


「スズヤ♪ 適性診断の結果どうでしたか?♪」

「スズヤは私と同じ優しい人ですから、と出ましたか?♪♪」


「リン……俺は、だったよ」

「白でも黒でも無く、属性だった……」


 リンを驚かすつもりは微塵も無いが(?)、俺は澄ました表情でリンに答える。

 すると、リンは悲しそうな表情に成って、俺に話し始める。


「スズヤ……それは、駄目でしたの意味です?///」

「そんな事は無いですよね!?///」


「……」


(アスは属性を知っていたが、リンは知らないか……)

(リンの母親で有るマリコは普通の女性に見えたし、戦死したリンの父親も普通の兵士で有ったから、これが普通なんだろう!)


 俺は説明する表情で、リンに話し始める。


「リン。分かりやすく言えば、俺は白と黒のハーフらしい」

「灰属性は別名。陰陽いんよう魔法と言うらしく、高度な魔法は扱えないが両方の魔法を扱えるそうだ!」


「?」

「そうなんですか!」


「それは……素直に喜んで良いのですかね?」

「スズヤ……」


 リンは、神父や大蛇のコハルの様に歓喜の表情は見せず、良く分からないの表情で俺に話す。

 俺は頭を上に向けながら、リンに話し始める。


レアな部類に入るらしいが、魔法使いとしては外れらしい」

「両方扱えても、中途半端な魔法しか習得出来ないみたいだし……」


「うあぁ~~///」

「それは悲惨ですね……スズヤ///」


 リンは、哀れみの表情で俺に言う。

 だが、俺は顔をながらリンに話し始める。


「だがな、リン!」

「灰属性に限り、魔法剣を作る事が出来るらしい!!」


「俺の剣術はイマイチでも、ブランドの魔法を剣に掛ければ、炎が纏った剣を作る事が出来そうだ!」

「確実性は無いが……魔法剣にすれば、大熊でも一撃必殺が出来るだろう!!」


「…………」


 俺の言葉を聞いていたリンは、目を見開きながら見ている。

 俺が大熊を一撃で切るシーンを、リンは想像しているのだろう!?


 すると、リンはながら、俺に話し始める。


「凄いですね。スズヤ! それはもう、無敵じゃ無いですか!♪」

「その感じですと、スズヤ一人でも魔王を退治出来そうですね!!♪」


「……」


(良い機会だから、ついでに言っておくか…)


 俺は困った微笑みに成って、リンに話し始める。


「俺が属性で有るのが珍しく、その属性が分かった途端に、俺は神父やコハルに連れられてナポレン王に会わされた!」


「!!」


「凄いですね。スズヤ!!」

「私はお父さんと一緒しか、有った事が有りませんよ///」


 リンは興奮しながら俺に話す。

 俺は、その表情で言葉を続ける。


「ナポレン王も感銘を受けて……その時に、現戦況も聞かされてしまった(汗)」

「想像以上に、メルメーサ王国は魔王軍に追い込まれているのを……」


「そして……ナポレン王は、俺の能力に期待して、魔王の討伐を願い出てきた…///」


「!//////」


 俺の言葉を聞いたリンは、頬を染めながら驚く。

 その後。リンは頬を染めた笑顔で俺に話し始める。


「凄いじゃ無いですか。スズヤ!//////」

「それは名誉な事ですよ!!//////」


「その時は私も是非。お供します!♪//////」

「回復魔法はお任せくださいね。スズヤ!!♪//////」


「…………」


(俺がリンの意思を確認する前に、リンが快諾してしまった)

(此処で泣かれたり、拒否されるよりかはマシだけど……)


 ☆


 その後。アスが王の前で少し暴走した事や、アスも加わる事もリンに話して置く。

 リンは『アスちゃんが居ないと、やはり厳しいですからね♪』と、嫌な表情は見せずに言う。


 後は、俺がマホトットをから授かり、俺の魔法訓練や剣術の鍛錬をしつつ、魔王の退治をする日が来るのだろう……


 数日後……


 俺はメルメーサ王国城の王室で、王からマホトットを進呈される。

 俺の魔法区分は前例が無いので、王国上では『白魔法使い』や『黒魔法使い』では無く『特殊魔法使い』で登録された。


 俺は戦士にも為るので、鋼の剣と丸板にが張られた盾。革ブーツも授かる。

 めでたい事らしいので俺たち三人や、神父、シスター。更には養護施設の子どもたち全員での参加で、進呈式が行われた。


 俺のマホトットは、ブレスレットタイプので有った。

 進呈時に、王から定番の言葉を聞かされたが、その言葉はに聞き流していた。


 マホトットも無事に進呈された事により、明日からは早速。魔法訓練が始まる!

 近日では無く明日からで有る!


(だけど本来なら……そんな短期間に事が進まない筈なんだけどな?)

(メルメーサ王国もが強いのに……)

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