【第二話】「嘘も欺瞞もあるんだよ」
時は始業式、少年の通う学校ではとあるイベントが開催されていた。その名も「クラス替え」である。
◇◆◇◆◇
クラス替えーーーそこで行われる内容は単純であるが、その捉え方は人によって様々であるものの代表格である。席替えと異なり多くは一年間、長いところだと六年間に渡り人間関係の基礎となり続けるため多くの高校生にとって一大イベントとなっている。気の合う友人や仲の良いグループの面子と同じクラスになる為に祈祷をし、薄ら寒く情報量に乏しいメッセージを深夜まで送り合う。翌日に、下駄箱前のB5用紙を前にして唯一の友人と己のクラスを知って崩れ去る少年や、三月ごろ「お別れ会しよー」「いいよー」「誰の家でやるー?」などと言っていたのに当たり前のように一緒にいる少女たちなどは、読者の皆様方には覚えがある光景であろう。
尤も、クラスへの帰属意識ない系のクソヲタであった作者にはどの光景も覚えに無い…。そもそも小学校卒業以降女子との関わりなど無いに等しい学園生活を送ってきたゴミクズは己が妄想と見てきた二次元の世界のお話に基づき、このラブコメディを綴っているのだ。流石にイタいと言わざるを得ない。男子校許すまじ……!
◇◆◇◆◇
少年は「僕なんてどうせ一生童貞 食されるだけの金平糖です 醜い醜いウニの化身です ホワイト変態マリモ野郎です」と口ずさみながらも、新クラス――二年C組(材木座組)――へと歩を進める。そして【少年】は驚愕した。眼に映ったのは、夥しい数の男女が半径50cm以内にいる、少女の存在だった……。
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