004
探索者の朝は早い
午前五時まだ外は暗くだが空は濃紺に変わった時、寝起きの気だるい中ふとんがまだ惜しいが、俺が起きなければこの貸家の二人の住民は朝食が抜きになってしまう。
もう一人の住民である燐は、起こさなければ気が済むまで幾らでも寝る怠惰な奴で、奴に朝食を期待しない方がよい、こんなのでも部活の朝練に出ていたのだだがどうやって起きていたのだろうか?
そんな訳で俺が眠い中朝食の準備をするんだ、俺は朝は和食派で別に洋食が嫌いな訳でない、単純に腹持ちがご飯の方が良い気がするからだ。
面倒だ昨日の夜は、外食だったため残りのおかずがない、朝食メニューは卵焼き、納豆、作り置き浅漬、ご飯、ワカメの味噌汁にでもしよう作る必要なのが卵焼きに味噌汁のみだ手間はないがやはりダルい、世の主婦(主夫)は素晴らしい。
まだよそってないが二十分程度でできた練習を積めばもっと段取り良くできるだろう。
さて、朝のルーティーン筋トレの時間だ、探索者足る者身体が資本であるトレーニングを怠ってはならない。
さて静かに筋トレをしていれば六時を少し超えていた、睡眠を貪る燐を起こしに行く。
燐の部屋は引っ越してきて間もないため、俺の部屋同様に殺風景だ、今後色んな意味で個性的に成るだろうが自己責任だ。
簡単には燐は起きない此は、この生活が始まり短いが充分に理解した、今日の寝相は良くすやすやと寝ていてめんこいが、だが容赦する理由には成らなない。
ガバッとふとんを取り上げたたむ。
肩を軽く叩きながら「リンサーン、アサデスヨー、ゴハンノジカンデスヨー」
唸り声を出した後に「うーん...あき?」と寝惚けながら答える「そう朝だよ」、今日はずいぶんと調子がいいとてもすんなりだ。
寝惚けながら燐は笑い「あきだー」と俺の首に両手を回し足もガッチリとホールドしている、すんなりは前言撤回だ。
此はたいへん不味い、俺も男だこの状況もそうだが、ソレよりも燐の能力は身体強化系の腕力と脚力の強化、能力による強化は人為らざる力を与えるため、下手に降り払おうとすると、「えへへ」と寝惚けている燐は落ちないように無意識に能力を使う可能性がある。
無意識に能力を使い、俺の首の骨が折れてしまって、最悪の場合俺が死んでしまうそして、燐が無意識の内に殺人犯になってしまうかもしれない。
しょうがないこのまま燐の抱き枕に成るしかない、役得だと思え俺。
今日は3月中最後の救命救急訓練だが諦めよう、7月までやって要るしな新人たちで混むだろうが、今を切り抜ける事の方が重要だ。
この状況は俺の理性にもダイレクトアタックを仕掛けてくる、こんな色んな意味で不味い中オレのマイサンが元気になったらとても笑えない。
そう誰が何と言おうと、今は燐の抱き枕なんだ、誰が何と言おうと、燐の抱き枕なんだ、自分に言い聞かせながら、定期的に「アサダヨー」と言う便利な枕なんだ。
体感十分だかが経過し、俺の理性は何とか保ち、燐の方は相変わらず寝ているのか寝惚けているのかはっきりしない、それとも両方か?俺の名前を呼んでいるし。
いい加減燐もホールドするのに疲れたのか足が外れた、よしこのまま行けば脱出できるかもしれない、活路が開きつつある。
この状況でね、寝返りだと!
何て奴だもっとヤバイ事になった、仰向けに寝ている燐にのし掛かる状態のようじゃないか!
燐の顔まで1cmもない、何時もはこんなまじまじと見ないが、まつげも長く顔のパーツがそれぞれほんとに綺麗だ、普段の活発な雰囲気と男性のような格好に惑わされるが、やっぱり女の子の可愛さがある、このままでもいい気がする、煩悩を降り払え俺此はただの事故、偶然、偶然なんだ。
ヤバイせめてさっきの状態に戻らなければ。
ならば此方から寝返りを仕掛ける、ふぅ最初の状態に戻った。
これなら添い寝?をしているだけだと言い張れる。
またしても寝返りだと!良いだろうお前との寝返りバトル受けてたってやる。
俺の理性を削るし烈なバトルだった、モンスターと戦う方が気が楽なもんだ。
結果から言おう、燐は起きず俺の上に乗っかる状態だ、いや俺の方も燐の背中に両手を回した状態のため、俗に言う抱き合ってる状況か。
燐の普段は目立た無いが大きくは無い膨らみの柔らかさが感じられ、そして全身から燐の温もりがたしかに感じられる、決してやましい事でなく、この寝返りバトルを征するには此が一番いいと結論付いたのだ、やましく何ぞ無い大事な事なので二回言うやましく無い。
後この抱き合っていると燐がおとなしくなり、静かに時を過ぎるの待つ事が出きる。
どのくらい経っただろう、俺の方も抱き合うのに慣れ、その燐の重みと温かみが俺の眠気を誘う、もう俺も寝てもいいんじゃないか?
このままもんもんとするより、寝てしまった方が健全じゃないか!此は素晴らしい名案だ!
朝か、とてもいい夢見れた気がする今日のボクは一味違う、最高の寝覚めで気持ちがいい絶好調さ。
ん?この抱き枕何か温かい?やたらがっちりとした抱き枕だ、ボクの抱き枕はそこまで太くないしここまで固さが無いはず。
さて、起きないとアキにどやされちゃう、アキはママみたいにボクをこどものように面倒を見るのだから困っちゃう。
起き上がろうとすると起きれないなんで?
横を見ると朝日に照される見覚えのある横顔があって寝ている。
ツッッ!?!?なな、なんで?アキがボクの下にいるのかな?
アキはボクに抱き付いているボクもアキに抱き付いている、これは夢なのかな?
だってこんなことないでしょ、一緒に同じベットで同胞なんて夢だよ、夢のつづきなんだ。
目をつぶりそして暫くすれば夢が覚め何時ものようにアキに起こさされるさ。
何時まで経っても夢が覚め無い、むしろ感覚が冴えてアキの寝息に心音もたしかに聞こえ、やっぱりこれは現実だと教えてくれる。
ボクは寝込みを襲われたのかな?ボクとしてはウェルカムなんだけどでも現実になったら恥ずかしいな。
ここに来る過程とここで一緒に暮らし始めても、アキは変わらず手を出さないボクはそんなに魅力は無いのかと思ったけど、これで既成事実はできたかもしれない。
ボクの親もそうだがアキも探索者を仕事にしている、何時死ぬかわからない仕事だ、できれば止めて安全な仕事をして暮らして欲しい、ボクの切実な願いだけど本人たちが決めた道だからとやかく言えない、だから探索者は恋人などの大事な人ができたら止める人が多い、なら既成事実が出来た今なら止めるように説得できる口実ができた。
兎も角アキを起こしてからだ、余りにもこの抱き合っているのがリラックス出きるからか、のんびり思考しちゃった。
でもなんでボクが寝てるタイミングで夜這いされたのか?アキはボクの能力知っているはず、小さいころ能力の制御が下手なときアキの利き手の左手を骨折させちゃって、折れて痛いはずのアキよりボクが泣いちゃったけ。
「アキ~起きないといたずらしちゃうよ~」
「起きてー」
「ん?なんでリンが俺の上にいるんだっけ」
「アキが夜這いしたからでしょやだなーすっとぼけるなんて、ボクが美人で寛容でなければ許されないよ」
「そういえば起こしにきたら抱き枕にされたんだった、両手に両足で大好きホールドされたらどうしようもなかった、でも夜這いしてないぞ、リンが美人であるのは認めるが」
「そうそうボクは美人...ってアキがボクを美人って素敵だ...もっと誉めてもいいんだよ、アキだって恥ずかしがらず添い寝したいのなら言えばやるよ?」
「やだ、リンと添い寝したら命が幾らあっても足りない、あと昔と変わらず寝相悪すぎ」
「寝相悪くないもん、昔と違って能力の制御もできるしベットから落ちたりしないよ」
「今こうなっているのは起こそうとしたら俺を抱き枕にしたからだべや、てかどけて」
「エー寝相悪くないって証明したいしあと、このままゴロゴロして一緒にいようよ」
あっいつの間にかアキの手がなくなって動ける、もうちょっと抱き合っていてもいいのに、どけてって言ってもボクからはどけないけどね。
そうだ、お互いの耳元じゃなくて顔を向き合い位置に移動しよ。
「ちっか、いいからのけて」
顔を横に向けて恥ずかしがってる、なかなか無いレアな顔。
「ずっとゼロ距離だから同じだよ、ボクにやっぱり意識してるじゃ~ん」
「いい加減にしろバカ」
アキが急に腰周りをガッシリと掴まれキャっと変な声が出てしまう、アキはボクを掴みながら起き上がり、そのまま抱き抱えながらリビングに行こうとする。
「ナニするのさ、ベットに返してー」
ボクを無視し、リビングのボクの定位置となっているイスの前へ。
「着いたぞ降りろ、このままだとご飯出せないだろ」
こうなったら意地でも降りない。
「リン降りて」
ほっぺたにキスして降りてってずるい、とんでもない事で力が抜けてイスに優しく下ろされてしまった。
ヘタレなアキはこんなことしないじゃんずるい
燐とアキは遅めの朝食をお互いに顔を真っ赤にしながら食べる事になった。
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