7. 異世界ほのぼの日記3 141~145


-141 無知の知-


 改まった様子で再びクリスタルに魔力を流し込んだ守は、深呼吸した後にクラッチを踏み込んでギアを「2」に入れた。カペンにも持ち主の落ち着きが伝わったのか、ゆったりと走り出したので守はそのまま旅館の駐車場の出入口を目指した。


ルイズ「いよいよね、楽しんでらっしゃい。」


 気の利いた台詞を言ったエルフの女将に対して、何故か頬を膨らませる好美。


好美「何よ、さっきは早く追い出そうとした癖に心にもない事を言わないでよ。やっと叶った2人での旅行なのに雨を降らせる気?」

守「やめろよ、好美。折角お見送りして下さっているんだから素直に出れば良いじゃないか。女将さん、ごめんなさい。」

ルイズ「良いのよ、昔から変わっていない事だから気にしてないわ。それと私の事は「ルイズ」って呼んで頂戴、何なら「ルイズお姉たま」でも良いわよ。」


 何となくだが一言余計だと思われるルイズを横目にまた車を走らせ始めた守は市街地の道を通ってバルファイ王国(お風呂山経由)の方向へと向かった。この世界でカペンに乗るのは初めてだった為、2人が乗っていた事にネフェテルサ王国の住民は誰も気づかなかった様だ。

 そんな中、先程2人を騒がせた「あの声」が持ち主に質問して来た、どうやら個人(?)的に気になっている事があったらしい。


カペン「そう言えば、えんらい山を登って行ってますけど今から何処に行くんでっか?」

守「うん、分かんない。」


 目的地なんて分かる訳が無かろう、全くもって決めて無いんだから。本当に行き当たりばったりの旅になりそうな模様だ。

 2人を乗せた車(カペン)はお風呂山の頂上から反対側を降りてバルファイ王国へと到着した、光がこの世界に来たばかりの頃に住民達やレースのドライバー達を悩ませていた砂漠地帯はほぼ完全にアスファルトで舗装され、高速道路や国道のバイパスと言った広めの道路が縦横無尽に張り巡らされて毎日多くの車が行き来していた。はっきり言ってネフェテルサ王国と違って車無しでは生活できない様になっていたのだ。ただ住民達は便利な道路が出来て大変大喜びしており、これもパルライの重要な政策の1つだったという、それにしてもあいつって拉麵屋だけじゃなくて他の仕事もしっかりしてたんだな。


好美「何よあんた、いくら作者でも失礼じゃないのよ。ああ見えてもパルライさんは一応国王様なんだからね。」


 おいおい、「一応」ってのも何となく失礼な気がするぞ。『察知』されてなくて良かったな全く・・・。


好美「だって王様に見えないんだもん、何処からどう見ても「ただの」拉麵屋の店主じゃない、ねぇ、守?」

守「ハハ・・・、ハハハ・・・。」


 「自分に話を振るな」と言わんばかりの愛想笑いを見せる守、好美が言っていた事は紛れもない真実なので否定のしようもない。守君、お気持ちお察しします。


好美「2人共どういうつもりよ、私間違った事言ってる?」


 何を仰いますか、パルライさんとご一緒に「暴徒の鱗」を経営されておられる好美さんの事を誰が否定すると言うんですか。


好美「分かれば良いのよ、それで?何処に向かっている訳?」

守「一応適当に走らせているんだけど、何処か希望はあったりする?」

好美「希望ねぇ・・・、困ったなぁ・・・。」


 好美が困るのも無理は無い、この世界には観光地というものが未だに存在しないのだ。皆忙しくしているが故に、そんな事気にする余裕も無かったのだろう。

 時計の針が12:30を指し示し、好美が頭を悩ませる中、2人を乗せたカペンは多数のビル群が連なる貝塚学園(兼貝塚財閥本社)の前に到着した。お分かりの方もいると思うが、ランチタイムなので結愛達はこの場にいない(と言うより外回りが多いので殆ど本社に戻らない方が多い)。


好美「大きいね・・・、ここが結愛達の会社?」

守「こりゃ会社と言うより1つの街だな、建築費用がとんでもなさそうだ・・・。」


 それもそのはず、ネフェテルサ王国で最も高いビルと言われる好美所有のマンションと同等の高さを誇るビルが何棟も建っているから驚くのも無理は無い。


-142 ほぼ正確な腹時計と空腹-


 特に用事も無いのでぶしつけに中に入るのは良くないと判断した恋人達は急ぎカペンに乗り込んで出発した、それからはずっと平らでまっすぐなストレートの道が続いていたので殆ど代わり映えのしない風景に2人は少し飽きて来ていた。

 そんな中、助手席から好美の腹の虫の音が聞こえて来た。


音「ぐぅ~・・・。」


 時刻は大体12:45位だっただろうか、どうやら好美の腹時計はテレビ等で使用される電波時計より正確の様だ(飽くまで推測での話なんだが)。


好美「あんたね、いくら推測だからってちょっと失礼なんじゃない?ねぇ、守。」


 助手席でちょこちょこと何かを摘まんでいる好美の問いかけに全く反応を示さない守、まさかと思うが俺と同じ事を考えていたんじゃ無いだろうな。


守「な・・・、何言ってんだよ。そんな訳無いだろ、何処かに良い店無いかなって周辺を探してただけだよ。」


 おいおい、そんなに慌てる事無いだろうがよ。え・・・、マジで俺と同じ事思ってたの?!正直に言ってみろよ、な?


守「あ・・・、アホかお前は!!女の子が腹の虫を鳴らすわ・・・。」


 顔を赤らめる恋人の隣から再び「あの音」が・・・。


音「ぐぅ~・・・。」


 時計を見ると時刻は丁度13:00になったばかりであった、やっぱり俺が言った通り好美の腹時計は正確じゃねぇか。なぁなぁ、正直な気持ちを吐いちまいなよ。


好美「負けた・・・、はいはい私の負けです。お腹空きました。」


 少し納得いかない様子の好美の言葉を待っていたかの様に2人の目にある店が飛び込んで来た、その店は店内での飲食は勿論の事、テイクアウトやドライブスルー等の設備があるので各々の目的や状況に応じて利用する事が出来る様だ。何となくだが他に店が見つかりそうもない上に尋常ではない位の空腹に襲われていた2人は駐車場にカペンを止めて店へと近づいた、と言うかお前ら食えれば何でも良いと思って無いか?!


好美「良いじゃないのよ、逆に聞くけどこの辺りって何か名物でもあったりする訳?」


 そう言われると・・・、お答え致しかねますね・・・、何かすんません・・・。


守「ずっと運転して疲れてるし、兎に角何か腹に入れたいんだよ。」


 そうっすか・・・、まぁお2人のご旅行なんでご自由にどうぞ。一先ず俺は話を進めますかね・・・。

 美味そうな匂いに誘われた2人が全体的にガラス張りで透けている店の中を覗いてみると、そこにあったのは日本でもよく見る光景だった。


好美「牛・・・、丼屋・・・、だね・・・。」

守「でも何で透けているんだろ・・・。」


 これは後で分かった事なんだがこの店は数か月前から肉牛の放牧に着手し始めたバラライ牧場が直営する店らしく、「牛達と同様に解放的になった気分で食事を楽しんで欲しい」という店主(女将のマムイ)なりの配慮だった様だ。

 ただ悪質な客達による「カスタマーハラスメント」が問題視される昨今(2024年5月現在)で重要視されているプライバシーもクソも無いと思ってしまうのは俺だけだろうか(飲食店で「クソ」とか言ってスンマセン)、しかし透けていたのは客席のある空間だけらしく、従業員の控室兼事務所となっている部屋にはしっかりとした外壁があった(これなら安心)。

 そんな中、好美達は店から少し離れた場所にある看板に目をやった。


好美「す・・・、「透け家」・・・、これ何となくギリギリだね・・・。」

守「本当・・・、色んな意味でギリギリアウトかセーフの境目だな・・・。」


 引き笑いしながら客席へと座った好美は水を受け取り早速メニューを見て注文した。


好美「私は昼だから腹八分目にしとこ・・・、これ下さい。」


 空腹の程度から好美が絶対「腹八分目」で抑えるのがあり得ないと思うのは俺だけ?


-143 恋人の過去とイメージ-


 食べたい物をすぐさま決めた好美の目の前で未だにメニューと睨めっこしていた守は「折角なら」と思い切った注文をした、超余談だが俺(作者)は牛丼屋で牛丼を頼まない派の人間である。


守「俺はこの「牛豚すき焼きセット」で。」


 数分後、この店で一番大きいサイズの丼に山盛りとなった牛丼が運ばれて好美の前に到着した。いやいや、これ絶対腹八分目じゃねぇだろ!!


好美「何よ、「腹八分目」にも個人差があるもんでしょ!!」


 「薬やサプリメントの効能じゃねぇだろ!!」とツッコミを入れたくなる発言だったが、よく考えてみれば間違った事を言っていないので今はやめておこう。


守「結構なサイズだな、本当に食えんのか?」


 そうだぞ、彼氏に心配させんじゃねぇ。今からでもいいからお椀や取り皿を貰って分けたらどう・・・、ってもう半分食ってんじゃねぇか・・・。侮れない奴め・・・。


好美「私の体の事は私が一番分かってんの、胃袋の大きさも同様のはずだよ。」


 「病気かいな!!」と言いたいけど楽しい食事タイムを台無しにするのは良くないのでそっとしておくのが1番だな、1歩引くのも大事だ・・・。

 それにしてもどうして転生者を中心にこの世界に住む女性達は大食いや早食い、そして大酒吞みが多いのかね。ハッキリ言ってビクターも想像してなかっただろうに・・・。


好美「別に良いでしょ、大好きの物はどれだけあっても足りない位なの。」


 確かに好美の発言を否定する事は出来ない、実際俺も京都発祥の某中華料理屋チェーンの焼き飯が大好物なので永遠に食べ続ける事が出来る自信がある。大学に通っていた時、毎週1度は必ず食べに行っていたが「大盛り」で注文していたのにも関わらず、「会計」後に心中で「もっと欲しい」と何度も嘆きながら帰りの列車に乗る為に駅へと向かった事を思い出した。


好美「それで?まだ来ないみたいだけど守は何を頼んでたんだっけ?」


 メニューを指差しながらプレゼンテーションする守。


守「ほらこれだよ、「牛豚すき焼きセット」ってやつ。牛と豚両方楽しめるなんて贅沢じゃない?」


 元の世界にいた頃、すき焼きと言えば豚肉だった守にとって牛が入った物はまさに「折角ならこれを食べたい」と言える逸品であった様だ。


守「思い出すな・・・、母ちゃんが少ないパート代を数か月かけて貯金して作ってくれてた「豚すき焼き」。あれ、何故か美味かったんだ・・・。」


 きっと当時は警察からの捜査への協力金や貝塚財閥における持ち株での配当に気付かれない為にわざと贅沢品を避けていた真希子、しかし息子にも出来るだけ良い物を食べさせてあげたいという親心から数か月に1度だけ「豚すき焼き」を作っていた様だ(と言うより本人が酒の肴にしたかったので作っていたと思われる)。


好美「でもさ、豚肉って割り下や生卵に合う訳?」


 守や真希子の苦労話を一気に台無しにする発言をしてしまった好美、ただ豚肉の脂の甘みが好きだった守には豚すき焼きも十分な贅沢品なのでその味を共有させる為、店員から受け取った小皿へと少量を移して生卵を絡めて手渡した。


守「ど・・・、どうかな・・・。」


 自分にとっての好物の1つの味が恋人の口に合うか心配だった守、ただオーナーとして拉麵屋を経営している好美は味にうるさいイメージがあったがどうだろうか・・・。


好美「うん・・・、意外といけるね。」


 今思えば今の今まで庶民的な牛丼をバクバク食べていたので舌だけは守とそんなに変わらない可能性が浮上してきた、何となく一安心。


好美「ちょっと・・・、私どんなイメージ持たれてたのよ・・・。」


-144 牛丼屋と言えば?-


 好美の言葉に普段以上の棘を感じながら大好きな味に舌鼓を打っていた守達のテーブルに店員がお盆を持ってやって来た、好美が空けた牛丼の器を下げに来たのだろうかと思っていたのだが両手に持つお盆にはまさかの新たな丼が乗っていた。勿論(と言っても良いのかは分からないが)、守には注文した記憶は無い。


店員「お待たせ致しました、「炙り鶏もも肉の親子丼・特大」になります。」

守「いや、俺た・・・。」


 守が店員に断りを入れようとした次の瞬間、本人にとって人生で最もアンビリーバブルな光景の1つが飛び込んできた。そう、好美が今までに無い位真っ直ぐに手を高らかに挙げていたのだ。


好美「私です、ありがとうございます。」

守「お前、いつの間に頼んでいたんだよ・・・。」

好美「守がトイレに行ってた間によ、第一守は車の中で水分摂り過ぎなのよ。」


 丁度ランチタイムのこの時間帯でこの日一番の強さを誇っていた日差しの下でずっと運転していた守は所々で水分補給をしていた(水分は人間にとって大切だからね)、と言うかオープンカーにして走っていたらこう言う事にならなかったんじゃないのか?


好美「紫外線はお肌の敵なのよ、私の玉の様な肌に傷を付けるつもり?」


 おいおい、お前のは「玉」は「玉」でもパチンコ玉じゃねぇのか?


好美「どんな肌よ、想像したくないのは私だけ?」

守「えっと・・・、「眩しく光る」って言う意味じゃないのか?」


 そ・・・、そう・・・。光の反射で辺りを明るく照らすような綺麗なお肌という意味ですよ(守、ナイスフォローだ)。


好美「そんな事言って「4円で買える安っぽい肌」なんて言わないでよね。」


 そんな事言う訳無いじゃないですか、人の肌に価値を付ける権利は誰にもありませんって(特に俺みたいなダメ人間には)・・・。


好美「まぁ、別に気にして無いけど。」

守「それより早く食わないと折角の親子丼が冷めちまうぞ。」

好美「本当だ、出来立ての内に食べなきゃ。」


 ただ好美はお盆に載せられた匙を手に取る訳では無かった、懐からスマホを取り出して写メを撮り始めたのだ。実は牛丼屋で親子丼を食べるのが初めてだったので記念にしたかった様だ、たださっき「腹八分目」って言ってたのは誰なんだよ。


好美「まだ2割しか食べて無いもん、それにしても美味しそうだな・・・。頂きます!!」


 好美の表情はまるで本日1食目の食事を摂る直前の様だった、とても嬉しそうに両手を合わせて食材などに対するに対する感謝を告げていた。


好美「本当に鶏肉が炙り焼になってる・・・、美味しそう・・・。」


 好美は目をキラキラと輝かせながら1口分を匙で掬ってから少しの間眺めた後で口を大きく開けて食べていた、まるで牛・豚より鶏派だと言わんばかりに。


好美「あれ?言ってなかったっけ?」


 はい、全然存じ上げておりませんでした。それより好美さん、彼氏さんがずっとお品書きと睨めっこしていますけど・・・。


好美「どうしたの?何か納得いってない様な顔しちゃって・・・。」

守「いや、単純に俺も牛丼屋で親子丼を食った事が無かったから美味いのかな・・・、って思ってさ。」


 お品書きには「当店を直営する牧場で放し飼いによる飼育を施し、可能な限り自由でストレスを削減させた状態で育てた鶏のもも肉と目玉焼きを載せた当店流の親子丼です」と記載されていた、何とも魅力的な口説き文句に満腹なはずの守の口から涎が・・・。


守「なぁ、好美・・・。俺にも1口・・・。」


 だが時既に遅し、いつの間にか親子丼は好美の胃袋に納まってしまっていた・・・。


-145 別腹を通り越して-


 目の前で特大の丼物を2杯食べた恋人を見て流石に次は無いだろうと思い始めていた守の目にとんでもない光景が飛び込んで来た、またお品書きを見始めたのだ。


守「好美・・・、そろそろデザートか?別腹ってやつだよな・・・。」


 ただ好美はずっと沈黙していた、守の言葉は全くもって耳に入っていなかった様だ。5分程の間、無言でお品書きを見ていた。よっぽどこの食事の〆について真剣になって考えているらしい、守は致し方なかったのでずっと見守る事にした。と言っても他に理由があったからなのだが。


守「この・・・。」

好美「ねぇ、これ良くない?」


 彼氏の言葉を遮りながらお品書きを指差して提案をし始めた好美、やはり〆のデザートを食べたかったのだろうかと思いつつ好美の指先を見てみると・・・。


守「かつ・・・、どん・・・、カツ丼?!まだ食うつもりか?!」


 グルメな大食いなのは以前から知ってはいたがまさかここまでとは、大食いをきっかけに有名人になったあの女性タレントにも引かれてしまいそうだと思うのは俺だけだろうか。


守「流石に小盛にするんだよな、腹いっぱいになって来ただろ?」

好美「勿論・・・、特盛!!」

守「「勿論」の域じゃないだろ、食えんのかよ・・・。」

好美「まだ半分くらいだから食べたいな・・・、なんて。」


 この店で好美はどれだけ食べ、お金を支払うつもりなんだろうか。まぁ、両方共について心配するつもりはさらさら無いのだが。


好美「心配なんてされなくても良いもん、私はただご飯を楽しみたいだけだよ。」

守「好美が良いと言うなら良いか、俺もデザート的な物が欲しくなって来たし。」


 追加注文を終えた好美からお品書きを受け取った守はデザートのページを開いてじっくりと眺め始めた、やはり牧場直営の店が故に今朝運ばれて来た搾りたての牛乳を使用した物が多い様だ。特に「自家製カスタードプリン」がおすすめらしく、自信の1品だと記載されていた。

 守はプリンを注文する為に呼び出しボタンを押した、数秒かからない内に店員がテーブルにやって来た。牧場と同じでこの店で働いている殆どの者が鳥獣人族の為、移動速度が物凄く速いので店の回転率も良いらしい。


店員「お待たせいたしました、お伺いいたします。」

守「すみません、この「自家製カスタードプリン」をお願いします。」

店員「かしこまりました、少々お待ち頂けますでしょうか。」


 守の注文を聞いた店員は耳に装着していたインカムに向かって声をかけた店員、ただ様子がおかしい。何故か店員の表情は曇っていたので守は急に不安になってきた、何かあったのだろうか・・・。


店員「うん・・・、うん・・・、それマジなの?・・・、分かった。言ってみるね・・・。」


 インカムでの会話を切った店員は少し申し訳なさそうな表情で守に声をかけた、まさか・・・。


店員「お客様、恐れ入ります・・・。ご注文頂いた「自家製カスタードプリン」なのですが数分程前に売り切れになってしまいまして。次ご提供出来るのがディナータイムになってしまうとの事なんです。」


 搾りたての牛乳を使用する事に拘っているので1日に提供出来る品数に限りがある様でランチとディナーの両方で提供できる様に開店前と中休み中の2回に分けて作っているらしく、この時間様に作っていた物は全て無くなってしまったとの事。


守「そうなんですか・・・、無いなら仕方が無いよな・・・。」

店員「店の者が申す事には先程から一定の間隔でプリンを注文されていたお客様がいた様でして、その方が全て食べ切ってしまわれたそうなんです・・・。


 仕方なくプリンを諦めてため息をついた守は目の前の好美を見た、よく見ればまだ食事中恋人のお盆の隣にはどこかで見た事のある器が・・・。


好美「ああ・・・、ここプリンも美味しい。17個も食べちゃった!!」

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