7. 異世界ほのぼの日記3 96~100番外編


-96 社長の拘りから-


 いつの間にかレストランにいた社長に好美は美麗について聞いておこうと思った、自分も人の事を言えた状態ではなかったが泥酔されては聞ける事もきけなくなってしまう。


好美「ねぇ結愛、さっき美麗から聞いたんだけど新しい社屋を作るのが遅れてるって本当なの?」


 ビールが並々と注がれたグラスを片手に結愛はゆっくりと答えた、どうやら原因(と言うより理由)は結愛自身の拘りにある様だ。


結愛「ああ・・・、実はミスリル鉱石が数年に一度の不作になっている様なんだ。」

好美「ミスリル鉱石?何の関係がある訳?」


 結愛が言うには、貝塚財閥関連の建物の外壁には必ず溶かしたミスリル鉱石を塗っているらしい。情報漏洩の防止と建物自体の強化が目的の様だが、一応高級品であるはずのミスリル鉱石をそんな使い方して勿体ないと思うのは俺だけだろうか。


結愛「良いだろうがよ、従業員あっての貝塚財閥だぞ。命は金で買えないじゃねぇか、建物を強くする事で従業員を守ってんだよ。」


 これはこれは・・・、いち社長として立派な事を言っている様だな、相も変わらず口は悪いが。


結愛「この口調は昔からだろうがよ、それに誰がこのキャラにしたんだ。」


 確かに・・・、ギャップのある社長令嬢キャラを作ろうと考え出したこの2重人格に関しては否定が出来ないな・・・。結愛社長、大変失礼致しました。


結愛「分かれば良いんだよ、もう・・・。折角の酒が不味くなるじゃねぇか・・・。」

好美「良いじゃない、気にせず呑もうよ。」


 一度グラスを空にした後、好美に再びビールを注いで貰った結愛は一気に煽り目の前の小皿に取り分けておいた鶏の唐揚げに箸を延ばした。あれ?ナルリスの店に箸や鶏の唐揚げなんてあったかな・・・、確か洋食屋だったはずだけど・・・。


ナルリス「フォークとナイフでは食べにくいっていうお客さんもちらほらいるし、バイトやミーレンへの賄いとして出していた鶏の唐揚げ丼を見た常連さんが自分も食べたいって仰ったから試しに出して見たら意外と好評だったから商品化する事にしたのさ。それに台抜きで出したら肴にもなるから一石二鳥で助かっているんだよ。」


 なるほどね・・・、「お客様第一主義」ってやつか。ただ光とお客さんだったらどっちが大事なんだろう、これは個人的に気になるだけだけど。


ナルリス「そりゃあ・・・、あ・・・、光に決まっているだろう!!」


 光の事を溺愛しているのは今も変わらないって事ね、ただそんな恥ずかしいセリフをよく言えるよな。ほら見ろよ、光の顔が赤くなってんぞ。


光「もう・・・、恥ずかしいったらありゃしない。呑もう・・・。」


 光がチーズを肴にグラスワインを一気に煽る中、好美はとある事件を思い出していた。


好美「じゃあ以前みたいにロラーシュ大臣が食べちゃった訳じゃ無いんですね?」


 ダンラルタ王国の鉱山で当時メタルリザードだった大臣がミスリル鉱石を馬鹿食いしていた事件は3国のニュース番組で大きく報じられていた、ただそれからはナルリスの作る「煮込みハンバーグ・チーズ焼きグラタン風」をよく食べているイメージがあるが・・・。


ナルリス「好美ちゃん、ブロちゃんの事を話していたのかい?」

好美「えっ?ナルリスさん、何かご存知なんですか?」


 調理の手を休めて水を飲みながら一息ついていたオーナーシェフは、偶然好美達の会話が聞こえて来たのでゆっくりと近づいて来た。


ナルリス「そうだね・・・、相も変わらずちょこちょこうちの店に来ているけど最近は拉麵屋さん巡りにハマっているらしいよ。」

好美「拉麵屋ですか?」

ナルリス「うん、バルファイ王国で最近増え始めたらしいよ。これは聞いた話だけど『人化』できる上級の龍(ドラゴン)族の店が人気らしいよ。」

女性「本当・・・、困ったもんだよ・・・。」


-97 女将を困らせた大臣-


 突然聞こえて来た女性の声に数人が驚いてはいたが、この世界で(と言うよりこの女性においては)はよくある事なので冷静な人物がいた。


光「お母さん・・・、『瞬間移動』が使えるからって皆を驚かせるのはやめなってずっと言ってんじゃん・・・。」


 そう、知らぬ間にやって来た女性の正体は相も変わらずピエロの様な性格を持つ光の母・赤江 渚だった。


好美「それで?何に困っているんですか?」


 マンションの一番上にある自室の露天風呂で何度も経験しているのでもう慣れたのか、好美は冷静な顔をして渚の言葉の意味を聞き返した。


渚「いやぁ・・・、いつも通り屋台を走らせてダンラルタ王国で商売していた時なんだけどさ・・・。」


 この宴が行われる約1ヶ月前の事、ダンラルタ王国の山中をいつも通り走っていた時だ。


渚(当時)「いつも思う事なんだけどね、四駆で無いとこの山を登るのは難しいね。元の世界でこのバンを買った時やっぱり二駆にしようか悩んだけど、四駆にして正解だったよ。キッチンや調理器具は相も変わらず思いから走るのに邪魔だねぇ、まぁ商売の為だから良いんだけどさ・・・。」


 渚の運転するバンは商売をする場所であるダンラルタの採掘場の駐車場に到着した、いつも通りバックで駐車して客席となるテーブルや椅子を設置していると・・・。


男性客(当時)「すみません、もうすぐ開店ですか?」


 腹を抱えた男性が1人、まさかこんな所をずっとうろついていたのだろうか。


渚(当時)「悪いね、まだ椅子とかを設置してからスープやお湯を温めないといけないから少し時間が掛かるんだ。」

男性客(当時)「時間はたっぷりありますので、開店まで待たせて頂けますか?」

渚(当時)「良いけど・・・、それまでどうするつもりだい?」


 渚は辺りを見廻してみたが暇を潰せるような物は全くもって見当たらない。


男性客(当時)「えっと・・・、良かったらお手伝いさせて頂けませんか?」

渚(当時)「何言ってんのさ、お客さんに手伝って貰う訳にはいかないよ。」


 しかし強情な男性客はほぼ無理くりだが手伝いを始めや、流石に渚本人にしか出来る訳が無い仕込みの作業を手伝わせる訳にはいかないが重い物を持つ位ならと本人の要望を聞き入れる事にした。

 数分後、寸胴内のスープやお湯も十分に温まったので開店までの準備が整った。


渚(当時)「悪かったね、お礼に今日の食事代はサービスさせて貰うよ。何でも好きな物頼んでおくれ。」


 給与として支払う程、金に余裕があった訳じゃ無かった渚は今自分に出来る最大の事を行う事にした。


男性客(当時)「では・・・、拉麺を1杯・・・。」

渚(当時)「何だい、そんなんで良いのかい?遠慮しなくても良いんだよ?」

男性客(当時)「いや・・・、たたえさえ無償だというのに我儘なんて言えませんよ。」


 男性客はそう言いながらグラス1杯の水を片手に誰も座っていない席へと向かった、その光景を見た渚は定位置から麺を取り出して湯を沸かした寸胴へと投げ込んだ。ふんわりとしたそよ風が吹く中、麺が茹で上がったので渚は丼に秘伝の醤油ダレとスープを入れて湯切りした麺を絡ませていった。叉焼を中心とした具材を上に乗せて1杯の拉麺を仕上げていく・・・。


渚(当時)「はいよ、お礼の拉麺だよ。やっぱりお礼をしないままだと気が済まないから叉焼数枚と少しだけど炒飯をおまけさせて貰ったよ、あんたかなり腹を空かせていたみたいだからね。それで?あんた・・・、見た事が有る様な気がするけど誰だったかね・・・。」


 男性客は料理を1口食べるとゆっくりと噛みしめていた・・・。


男性客(当時)「ロラーシュです・・・、あの・・・、お願いがあるんですが・・・。」


-98 女将の困りごと-


 『人化』した大臣が屋台を訪れてから間もなく、店の開店を待ちに待っていた採掘場のゴブリンを中心とした常連たちが店に集まって来た。


渚(当時)「いらっしゃい、今日もいつもので良いかい?」

ゴブリン(当時)「おおきに、女将はんは全部覚えてくれとるけん嬉しいですわ。」

渚(当時)「こら、「女将」はやめろって何回も言ってんじゃないか。今度そう呼んだらただじゃおかないよ。」


 平和な雰囲気に包まれる中、涙ながらに1杯の拉麺を食べ終えたロラーシュは改まった様子で渚に声をかけた。


ロラーシュ(当時)「渚さんでしたっけ・・・、私のお願いを聞き入れて頂けませんか?」

渚(当時)「あんた、唐突に何を言い出してんだい。」


 ミスリルリザードの発言どころか、本人がそこにいたこと自体に驚きを隠せずにいた客たちは邪魔したら悪いと思ったのかその場から離れ始めた。


渚(当時)「あんた・・・、この辺りじゃ有名人なんだろう?そんな人が私なんかに何の用があるってんだい?」

ロラーシュ(当時)「私は貴女の作った1杯に惚れました。」

渚(当時)「へ?」


 渚が経営している屋台を含めて「暴徒の鱗」はチェーン展開をしているので「渚自身の味」という訳では無いのだが、大臣にはそんなの関係ない様だ。


ロラーシュ(当時)「・・・して下さい。」

渚(当時)「あんた何言ってんだい、私は子持ちの未亡人だよ。」


 ちゃんと聞こえなかったのか、プロポーズと勘違いした渚。


ロラーシュ(当時)「いや・・・、違うんです!!」


 何とか訂正しようとする大臣、ただその行動は正しかったのだろうか。


渚(当時)「えっ?違うのかい?勘違いしちゃったじゃないか。」


 阿久津と死に別れて年月が経過したからか、「男性」という物に飢えていたのではないかと推測される。


ロラーシュ(当時)「す・・・、すみません・・・。ただ私が惚れたのは拉麺の味なんです。」


 この拉麵の味を作り出したのは渚ではなく元々の店主であるパルライとシューゴと思われるので今の台詞はこの2人に言うべきだと思われるが、現時点での大臣には関係無いのかもしれない。


渚(当時)「あんたの気持ちは嬉しいけどその言葉は1号車が通った時に言ってくれるかい?」


 確かに、時間帯をずらしてではあるが確実にシューゴが乗る1号車も同じ場所を通るのでその時に申し出るのが最良ではなかろうか。


ロラーシュ(当時)「私はこの屋台で食べるこの味しか知りません・・・、だから!!」

渚(当時)「だから何だい!!!」


 他の客もすっかりいなくなってしまったので渚は思い切って気持ちをぶつけてみた。


渚(当時)「あんたがはっきり言わないからここまで引っ張る事になっちゃたんだよ、ちゃんと聞くから言っておくれよ。」

ロラーシュ(当時)「いや・・・、だから・・・。」


 さっきから伝えたい事は変わっていない。


ロラーシュ(当時)「弟子にして下さい!!」

渚(当時)「やっぱりかい・・、それは1号車の時に言ってくれなきゃ困るんだよ。」


 どうやら大臣の本心は大分前から伝わっていた様だ。


ロラーシュ(当時)「駄目ですか?」

渚(当時)「私は弟子なんて取って無いの、勘弁して!!」

ロラーシュ(当時)「ここまで引っ張ったのにですか?」


-99 ホウ・レン・ソウ-


 渚は話の流れから予想していたので冷静に対処していた様だが、ロラーシュの突然の申し出に自分1人で判断をして良い物かと悩んだ結果としてやはりシューゴとパルライの2人に『念話』で相談してみる事にした。自分が光に昔食べさせていた家庭の味を基にプロデュースした「特製・辛辛焼そば」は兎も角、メインである拉麺の元々の味を作り出したのは2人と言っても過言では無い。


シューゴ(念話)「弟子ですか・・・。」


 シューゴはバルファイ王国の国道を南下しながら渚からの『念話』を受けていた、もうすぐ貝塚学園魔学校が見える所まで来ていてこの日の巡回コースの3分の1まで達していたが時間的に余裕があったのでゆっくりと考えていた。


シューゴ(念話)「「暴徒の鱗」の味と言っても、元々俺がしていた「暴徒」とパルライさんの「龍の鱗」の混合ですから片方が勝手に動く訳には行かないでしょう。」

渚(念話)「じゃあ・・・、やはりパルライさんの判断を仰ぐのが1番なのかね。」


 叉焼のベースや拉麵のかえしとなる醬油ダレは「暴徒」の物を使っているが、鯛出汁を中心に鶏ガラやゲンコツ等で取っているスープはパルライオリジナルなので双方の同意が必要になる。

 しかし、シューゴの心中ではもう1つ懸念している事が有った。数か月程前から全店で使用している麺は一秀が店長をしている店舗に任せてあり、そのレシピを一秀が門外不出にしているのだ(※ここからは「一(にのまえ)」の事を「一秀」と表記します)。


渚(念話)「まぁあの人は強情で頑固って訳じゃないから大丈夫と思うけど、私も含めて4人で1つの店を作っている様な物だからね。」

シューゴ(念話)「そうですね・・・、今でこそ全店で作れる様になっていますがやはり「辛辛焼そば」の味の基礎を作れるのは渚さん以外にいませんからね、それも考慮した上で渚さんはどうお考えなんですか?」


 渚は少し落ち着こうと、グラスに入った水を一気に飲んで一息ついた。


渚(念話)「私だってあんたと同じ考えだよ、だからこうして『念話』を飛ばしているんじゃないか。」


 2人は何よりもパルライの返答が気になっていた、拉麵屋の店主でもある前にバルファイ王国の王でもあるパルライに信頼を寄せている様だ。


パルライ(念話)「すみません・・・、もう少々お待ち頂けませんか?今丁度ランチタイムで手が離せないんですよ。」


 屋台の2人は携帯の時計を確認した、時刻は「13:00」、確かに拉麵屋にとっては忙しい時間帯だと言える。

 それから30分程経っただろうか、やっとパルライから返答がやって来た。


パルライ(念話)「ふぅ・・・、お待たせしてすみません。それで・・・、どうされたと仰るんです?」


 相も変わらずこの世界の国王達の腰の低さには驚かされる、ただ皆がこうやって平和な毎日を送っている事が出来ているのも国王達のお陰なのだ。

 その3国王の1人であるパルライに渚は改めて事情を説明した。


パルライ(念話)「ロラーシュって、あのダンラルタ王国のロラーシュ大臣ですか?!」

渚(念話)「そう言えば・・・、テレビで見た事が有ると思っていたんだ。すっかり忘れていたよ。」


 おいおい・・・、やけに冷静だなと思っていたらただ忘れとっただけかい。


渚「仕方が無いだろう、私だって人間なんだから。」


 そんな中、パルライは何かを思い出したかの様な口調で改めて『念話』を飛ばして来た。


パルライ(念話)「そう言えば・・・、ダンラルタ王国のデカルト国王から何か頼まれていた様な・・・。」


 ただでさえ大臣としての仕事が忙しいはずなのに、ロラーシュの自分勝手な行動をデカルトが許すのだろうかとシューゴと渚が思っていると・・・。


パルライ(念話)「そうでした、うちって今ダンラルタでは屋台だけの営業じゃないですか。」

シューゴ・渚(念話)「はい・・・。」


-100 番外編・やっと出来た2人の時間-


 ある日の昼前、好美は15階にある自室でビール片手にある事を思い出していた。いつもはがぶがぶ呑んでいる事が多かったが、今日は考え事が中心となっていたのでゆっくりとした大人の酒だったと思えた(と言っているが子供は決して呑んじゃ駄目)。


好美「ふぅ・・・、最近慌ただしかったから守と2人でゆっくりと過ごせていないな・・・。」


 今日守は出勤日の為に朝からケデールの肉屋へと通勤していた、好美も王城での出勤日だったが夜勤なのでもう既に終わってしまっていた上に今夜は休みという状態。もし仮に休みが一緒だったら一緒に買い物にでも出かけていたのに、よく考えてみれば同棲生活らしい事をちゃんと出来ているか不安になっていた。

 一方、引っ越し作業を一段落させて歓迎会の時を待っていた秀斗と美麗の2人は美麗(と言うより王麗)のトラックを駐車場に止めて徒歩で市街地へと向かっていた。散歩感覚という言葉がお似合いと言える光景だ。


秀斗「まさかこの市街地を美麗と歩く事になるなんて夢にも思わなかったな、俺もう死んでも良い位だ。」


 いや秀斗君、あんたもう死んでるから。死んでなかったらこの世界にいないでしょ。


秀斗「気分的にってやつだよ、また美麗を泣かせたら今度は出入り禁止では済まなくなっちゃうだろうが。」


 どうやら生前に王麗に言われた言葉を鮮明に覚えている様だ、もしもこの世界に女将がいたらどうなっていただろう。ただ「気分」だけで抑えが聞かなくなっている人間が一名・・・。


美麗「秀斗・・・、また私の目の前からいなくなっちゃうの?折角の同棲生活が初日で終わっちゃうの?」

秀斗「じょ・・・、冗談に決まっているだろう!!泣いてんじゃねぇよ!!」


 お前な、前に自分がどうやって死んだかを忘れたんじゃないだろうな!!軽い気持ちでも行って良い事と駄目な事が有るんだぞ!!もう・・・、俺に任せておけ。

 美麗、安心してくれ。秀斗も君も含めて日本からの転生者は不老不死だから「あの日」みたいな辛いお別れは決して来ないと保証してやるよ。


美麗「本当?嘘じゃない?」


 大丈夫だって、これからは美麗にもこの世界での生活を楽しんで欲しいから約束してやる、最低でもそこにいる馬鹿男と違ってな。


美麗「ありがとう、あんたもたまには良い事を言うね。」


 だろう?もっと褒めてくれよ。


美麗「調子乗らないでよ、秀斗は最低で馬鹿で阿保な男じゃないもん。」


 おいおい・・・、悪口増えて無いか?俺もそこまでは言ってないぞ。この件に関してはもう良いから散歩行って来いよ。


秀斗「待てよ、俺は納得いってないんだが。」


 お前が納得しているかどうかは関係ない、先に泣かせたのがお前だったという事が真実なんだからな。

 もう良いだろ、散歩に戻れよ。市街地の屋台が見えて来たぞ、買い食いでもしたらどうだ・・・、って美麗さん?


美麗「ああ・・・、美味しい・・・。」

秀斗「もう呑んでんのかよ、ずるいぞ。」


 今の今まで運転していたんだから許してやれよ、ただそれ所じゃないけどな。ほら、魚屋のジューヌが呼んでいるから早く行ったらどうだ?


秀斗「あの・・・、俺に何か用ですか?」

ジューヌ「「何か用」じゃないだろ、早くビール代払ってくれよ。」


 どうやらこの店でビールを買ったらしい、「いつの間に?」という疑問を抱きながら「まぁ1杯位は良いか」と財布のファスナーを開ける秀斗。


ジューヌ「ビール15杯で5100円ね。」

秀斗「え?!今15杯って言いました?!」

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