7. 異世界ほのぼの日記3 66~70


-66 兄弟の間では解決しないので-


 社長室で頭を抱えながら『念話』をしていた結愛は好美とこの世界で出逢ったばかりの頃、気分が高揚して休みの日は必ず好美と盃を酌み交わしていたので守の言葉を否定する事が出来なかった。


守(念話)「でもさ・・・、駐車場の事なら美麗と話せば良いんじゃねぇの?」

結愛(念話)「美麗って・・・、あの「松龍」にいた美麗か?!まぁ、後で分かる事か。ただそれがさ、あの兄弟の間で行き違いがあったらしくて学園のバス用に駐車場の契約をお願いしようとしたらカブッちまったらしくてよ・・・。今は各国に駐車場を置いてないから毎回バルファイにある学園まで運転手を戻さないといけなくて皆が大変だし人件費やら交通費にガソリン代がかさんで仕方なくてさ、そこでネフェテルサとダンラルタにも駐車場を設置して朝一の運行への通勤や全運転手の退勤をラクにした上で経費を削減しようという訳なんだけど・・・、何とか好美と話せないかな。」

守(念話)「だったらまずいな・・・、多分アイツ夜まで爆睡すると思うぜ。」

結愛(念話)「そうか・・・、参ったな・・・。」


 大企業の社長は珍しく焦っていた。


守(念話)「どうかしたか?」

結愛(念話)「いや実はよ・・・、もう業者に頼んで明日には工事が始まるんだ。」


 流石は巨大財閥の社長と言いたい場面ではあるのだが、正直褒めている場合ではない。作者も驚いてしまう位、行動力が凄いのは昔から変わらないが少し間を置いて考えるという事を覚えるべきだと以前から光明に言われていた。


守(念話)「でも「工事」って・・・、あの駐車場はもう既に完成してるじゃんか。」


 確かに守の言う通り、「中型車専用」の駐車場としては完成していた。


結愛(念話)「バスを止めるとなると「大型車」用に白線を引き直さねぇとだろ。それに思った以上に安く使わせてくれるって言うからそのお礼に改めて舗装工事もしようって事になってたんだよ。」


 そんな中、「無事に駐車場が見つかった」と意気揚々としていた美麗から『念話』が。しかしまだ慣れていない所為か、所々が途切れ途切れになっていた。


美麗(念話)「まも・・・、く・・・。で・・・、えの・・・、て・・・、する・・・。」

守「何言ってんだあいつ・・・、ったく仕方ねぇな・・・。」


 守はスマホを取り出して美麗に連絡を試みた。


守「美麗、今何て言ってたんだ?全く分からんかったぞ。」

美麗(電話)「ごめんごめん、駐車場や家が見つかったから嬉しくなってさ。呑みたくなっちゃってたの。」

守「いや、それより先に秀斗の荷造りを手伝った方が良いと思うんだけど・・・。」

美麗(電話)「もう終わったよ、トラックにも積んだから明日持って行こうと思って。」


 どうやらトラックごと秀斗が『瞬間移動』して荷造りをしていた様だ、呑んでいるから運転は出来ないのでこの世界(と言うより転生者達の間)では当然の考え。ただ守は汗が止まらなかった、このままだと工事中の駐車場で美麗がドリフト駐車をしかねない。


守「まぁまぁ、待てって。折角異世界に来たんだから街中を見て回るのも悪くねぇだろ、秀斗と一緒なら久々にデートでもして来いよ。」

美麗(電話)「う・・・、うん・・・。そうだね。」


 美麗の言葉は少したどたどしかった、未だ安正の事が気がかりなんだろうか。


美麗(電話)「ねぇ・・・、1階のコンビニって24時間営業なの?」

守「一応そうだと思うよ、好美自身も利用したいからってそうしているはずだけど。」

美麗(電話)「「も」ってまさか・・・。」


 そう、美麗の「まさか」は当たっていた。改めて言う事では無いが「暴徒の鱗」も「コノミーマート」も好美がオーナーなのだ。


美麗(電話)「ねぇ・・・、あの子ってこの世界でどれだけ稼ごうとしてる訳?」

守「俺が知るかよ、想像の斜め上を行き過ぎているもん。」


 元の世界にいた頃との違いが2人をドン引きさせる中、守はある事を忘れていた事に気付いた。いや、気付かされたといった方が良いだろうか。

 守はほんの少しだが顔を蒼白させていた・・・。


-67 放置されていた身近なお偉いさん-


 自分の部屋で改めて呑みなおそうとしていた美麗は電話越しに守の心中を汲み取った、少しだが声が震えていたのだ。


美麗「大丈夫?風邪引いちゃったの?」

守(電話)「何も無いよ、すまんけど一旦電話切るわ。店の人からキャッチが入ったから。」

美麗「分かった、後でね。」


 「店の人からキャッチが入った」なんて薄っぺらな嘘だった、守は目の前に無いと言うのにとある視線にビクビクしていた。そう、先程から忘れていた「何か」こと貝塚結愛代表取締役社長だ。


結愛(念話)「おい、いつまでこの放置プレーは続くんだ、コラ!!俺だって暇じゃねぇんだぞ!!」

守(念話)「そんなにキレるなって、悪かったよ。ただ結愛、大変だよ、明日には美麗が彼氏の荷物を積んでこっちに来るらしいんだ。」

結愛(念話)「美麗の彼氏って俺の知ってるやつか?」

守(念話)「金上秀斗ってんだけど・・・。」

結愛(念話)「秀斗って・・・、かんちゃんか?!俺のいとこの?何で?」

守(念話)「それ初耳・・・、って事は今は置いといて。あの2人さ、美麗の部屋で同棲するらしいんだ。秀斗の職場がネフェテルサに有るからって聞いたけど。」

結愛(念話)「何だ??この世界も元の場所と同じでカップルだらけか?」


 社長室の大きな窓の前で結愛はずっと頬をかいていた、しかし決して問題が解決した訳ではない。


結愛(念話)「でもマジで参ったな・・・、このままじゃ好美と話せずに工事が始まっちまうよ。」

守(念話)「業者に言って開始を延ばせないのか?」

結愛(念話)「それが出来たら苦労してねぇって、業者側が次に都合よくなるのは2カ月以上先になるらしいから今のタイミングしか出来ないんだ。」

守(念話)「そうか・・・、じゃあ俺に任せてくれよ。」

結愛(念話)「どう言う事だよ、マンション経営は好美とピケルド支店長が独自に行っているんだろ?守に何が出来るんだよ。」


 改めて恋人が熟睡しているのを確認した守は、自室で少し考え込んでから結愛を安心させる為に再び『念話』を飛ばした。


守(念話)「確かに結愛が言う通りマンション自体の事は全く分からないけど、「それ以外」の方法なら何とかなるかも知れんぜ?」

結愛(念話)「お・・・、おう。聞こうじゃねぇか。」


 結愛は少しの間、守の作戦を聞いていた。


結愛(念話)「お前さ・・・、それ簡単に言うけど大丈夫なのか?」

守(念話)「任せろよ、俺に伝手があるから。」

結愛(念話)「伝手ね・・・、まぁ、無いよりはましか・・・。」


 その日の晩、王城での夜勤へと向かう為に起床した好美を「暴徒の鱗」の副店長がいつも通り内線電話で引き止めていた。


好美「もしもし?」

デルア(内線)「もしもし、好美ちゃんか?弁当が出来てるぜ。」

好美「助かるよ、いつもごめんね。」

デルア(内線)「構わんさ、どうせ残り物を詰め込んだだけだから。」


 相も変わらず夜勤の時の弁当はデルアに頼りっきりの好美、守との同棲生活を通して何かが変わってくれれば良いんだが。

 内線を切った後に、急いで着替えを終えた好美は溢れ出そうな涎を堪えながら『瞬間移動』で1階へと向かった。


好美「いつもありがとう、今日の中身は何?」

デルア「メインは唐揚げだ、好美ちゃん好きだろ?沢山入れておいたぜ。」

好美「やったー、今から楽しみ!!行って来ます!!」


 小声でデルアに「まだ子供だな」と言われながら夜勤へと向かった好美は、許可証を首からかけて王城の入り口を通って夜勤専用の入り口から城へと向かった。

 星空の下で中庭をゆっくりと歩いて入り口のドアを開けると・・・


好美「おはようございまー・・・、何で?」


-68 作戦決行とその代償-


 無数の星達が眩く瞬く夜空の下でいつも通り出勤して来た好美は、夜勤用の出入口で目を丸くして立ち尽くしていた。


好美「おはようございまー・・・、何で?何であんたがここにいんの?結愛。」


 「関係者以外立入禁止」であるはずのこの場で結愛が腕を組みながら椅子に座っていたのだ、しかもいつものパンツスーツではなく好美達と同じつなぎ姿で。


結愛「いや・・・、実はな・・・。」


 結愛の言葉を遮るようにニコフが横から声をかけてきた。


ニコフ「おはようございます、好美さん。実は数時間前に守から電話があったんですよ。」

好美「えっ?!守が?!あっ、すいません。おはようございます。」


 まさかの名前に、挨拶を忘れかけていた好美。「挨拶も出来ない人間に仕事なんて出来やしない」と普段から自分で言っておきながらの失敗である。


結愛「俺が守に頼んだんだよ、好美の仕事を1日体験してみたいって。」

ニコフ「流石に自分でも天下の貝塚財閥の結愛社長には逆らえませんからね、それに王城にあるメーターはダンラルタにある貝塚電子工業製ですから。」


 よく考えてみれば西洋風の王城で不自然な位に目立っているメーターが何故あるのか分からなかった。


好美「あのデジタルメーターって結愛の所のやつだったんですね、そりゃあ先進的な物がある訳だ。」

結愛「王様に頼まれてよ、「王城で働く人たちの作業環境を快適に保ちたい」って言うもんだから是非にとさせて貰ったんだ。実はそのメーターの点検を抜き打ちで俺がやっててな、それを兼ねて来たんだよ。」

好美「成程、貝塚財閥が大切にしているのは信頼って事ね。」


 それから時間が経過して0:00、つまり最初の見回りの時間が来た。


ニコフ「そう言えば好美さん、今日は「お供え物」はどうされたんですか?」

好美「今日はクォーツ神様が有休らしいので持って来て無いです。」

ニコフ「しかし、王族の方々用に必要なのでは?」

好美「光さんが持って行ったって聞いてますのでご安心を。」


 神への供えと聞いて改めて異世界に来たという実感が湧いた結愛は2人の会話に興味津々だった様だ。


結愛「「お供え物」って何の事だ?」

好美「光さんの所のカレーよ、クォーツ神様や王族の方々も一晩寝かせたカレーにハマっちゃったみたいでさ。」

結愛「へぇ・・・、意外と庶民的なんだな。」


 メーターの点検も異常無く終わり、ほのぼのとした雰囲気が漂う中で好美が気になっていた質問を結愛に投げかけた。


好美「ねぇ結愛、こっちの世界では中型以上のトラックやバスの需要ってあるの?」

結愛「そうだな・・・、やはり主流は軽トラだけど年々増えては来ているぞ。あっ、そうだ!!忘れてた!!」


 好美のお陰で本来の目的を思い出した結愛、本当何の為に来たんだか・・・。


好美「何よ突然、鼓膜が破れるじゃん。」

結愛「好美、ヤンチさんの所の駐車場の契約をするんだろ?」

好美「うん・・・、10~15台分程の予定だけど。」


 話を円滑に進める為に飽くまでも下手に出る結愛、これもビジネスのテクニックというやつなのだろうか。


結愛「あれ、俺の所でも使って良いか?学園のバスを止める場所が欲しくてさ。」

好美「別にいいよ、まだ美麗の事しか聞いてないから大丈夫だと思うけど。」

結愛「助かるぜ、今度酒でも奢らせてくれや。」

好美「今の言葉・・・、嘘じゃないよね・・・。」


 意味深げに返答した好美、隣にいた社長は固唾を飲んでその言葉を聞いていた。


-69 工事現場で-


 「酒」という言葉にすぐさま反応した好美、相も変わらずこの世界は呑兵衛だらけだ。


好美「呑み放題?!呑み放題?!勿論、呑み放題だよね?!」


 あまりの喰らい付き様についタジタジしてしまう社長。


結愛「分かったよ、分かったからちょっと下がって涎ふけ。」


 翌日、例の駐車場にて貝塚財閥が契約した業者による工事が始まった。元々舗装はされていたが、学園のバスを止める為に白線を塗り替えないといけない上に所々穴が開いていたのでライカンスロープ達も大助かりの様だ。

 工事後の完成予定図を見せながら、今回の工事の為に駆け付けたゴブリン・キングのブロキントが特別現場監督として結愛に説明をしていた。


ブロキント「一応、奥の方の区画を広めに取って止めてたバスを動かしやすくしようと思うとる算段です。手前を中型のトラック等を止めるスペースにしてお互いに使いやすい場所出来ればええかなと計画してます。」

結愛「成程・・・、因みにあそこの小屋は何のために?」

ブロキント「ヤンチさん達の要望で管理人室を作る事になりました、また今度採用面接を行うって聞いてますけど。」

結愛「そうですか、ではこちらも何か協力出来る事があれば仰ってくださいね。」


 大切なビジネスの場なので「大人モード」で対応する結愛、しかし好美の出現をきっかけにすぐにいつも通りの状態に戻ってしまった。


好美「結愛、どう?工事は進んでる?」

結愛「ああ・・・、好美か。うるさくしてすまねぇな。」

好美「いや、住民の人達からはクレームが出ている訳じゃないから良いけど・・・。」


 頬を掻きながら照れる好美を見て不思議そうにしている結愛。


結愛「「けど」・・・、何だよ。」

好美「結愛ってさ・・・、ヘルメット似合うよね。」

結愛「何だよそれ、何か嬉しくねぇんだけど。」

ブロキント「ハハハ・・・、結愛社長は本社でおるより現場を見て回る事が多くなってきましたんでヘルメット姿も様になって来たんとちゃいますか?」

結愛「何だよ、ブロキントまでからかってんじゃねぇぞ。」


 勢いに乗ってブロキントにまでいつも通りの対応をしてしまう結愛、先程までの「大人モード」は何処へ行ってしまったのだろうか。

 そんな中、土地の所有者達が差し入れを手にやって来た。


ヤンチ「皆さん、お疲れ様です。」

ケデール「工事は進んでますか?」

結愛「あら御兄弟で、わざわざすみません。」


 時計の針も丁度正午を指し示していたので現場監督が現場の作業員を呼んで集めた。


ブロキント「皆、弁当が来たで。少し早いけど昼休みにしよか。」


 監督の言葉で一斉に集まりだす作業員、重労働によりかなり腹が減っていた様だ。


好美「因みに中身は何なんです?」

ヤンチ「焼肉サンドですよ、俺とケデールの店での仕込みで出た端材をタレで炒めて弟の店から仕入れた食パンに挟みました。食感を楽しんでもらえる為に瑞々しいレタスを一緒に挟んでいます。多めに作って来たんで良かったらお二人もいかがですか?」


 2人はヤンチから受け取った弁当箱の蓋を開けて目を輝かせていた、正直業者への仕出しではなく販売用のものとして作ってもおかしくはない出来だ。


結愛「折角だから食べてみるか?」

好美「そうだね・・・、食べなきゃ勿体ないよね。」


 何となく意味深げな会話を交わす2人、ヤンチは嫌な予感がして仕方なかった。


結愛「ヤンチさん・・・、これ好美の家で食べても良いですか?ちょっと「打ち合わせ」したいので・・・。」

ヤンチ「「打ち合わせ」・・・、ですか・・・。大切なお仕事ですからね、勿論どうぞ。」

ケデール「結愛社長・・・、何ですか、その見え見えな嘘は。」


-70 「抜き打ち」にしていた理由-


 ライカンスロープ達を襲った嫌な予感は、どうやら的中したらしい。好美の夜勤が終わった時点で駐車場に関する話し合いは終わっていたので勿論、好美と結愛の間での「打ち合わせ」などある訳が無かった。


結愛「思った以上に結構貰えたな、早速好美の家に行こうぜ。」

好美「結愛、私は良いけどあんたは仕事中じゃない訳?」

結愛「ま・・・、待てよ・・・。俺は昨晩から仕事してんだぜ。午前中で仕事が終わる計算でいても良いだろうがよ。」


 しかし、大企業のいち社長がそんなので良いのだろうか。念の為に好美は社長から離れた場所へと向かい、結愛の夫であり貝塚財閥の副社長である光明に『念話』を飛ばした。


好美(念話)「光明さん、結愛って昼間から休みにして良いの?」

光明(念話)「えっ・・・、何で好美ちゃんから結愛の名前が?!」


 何処からどう考えても光明の様子からは貝塚財閥がざわついている事を察した好美。


好美(念話)「もしかして、結愛って誰にも言わずにこっちにいる訳?!」

光明(念話)「言ってないのも何も、俺が今朝起きた時点で部屋にも社長室にもいなかったんだから無断欠勤の扱いだよ。」


 どうやら副社長は「抜き打ち検査」の事は知らされていなかったらしく・・・。


光明(念話)「何だって?!結愛自らメーターの検査をしているだって?!またか・・・、これで何回目だよ・・・。」

好美(念話)「「また」ってどう言う事?」


 光明によると「メーターの抜き打ち検査」など真っ白な嘘で、なかなか有休を貰えない結愛がそれを口実に無断で社外へと出かける事が多かったのだという。


光明(念話)「好美ちゃん、1つ聞いても良いか?」

好美(念話)「え?私で良かったら何でも答えるよ?」

光明(念話)「えっとさ・・・、はぁ・・・。」


 副社長はため息をつきながら好美に質問した、どうやら何度もあったパターンの様で飽き飽きしているらしい。


光明(念話)「もしかして・・・、今から昼飯だったりする?」

好美(念話)「昼ごはん?うん・・・、そうだね・・・、今から焼肉サンドを食べようかって話していたんだけど。」


 光明はより一層深くため息を吐いた。


光明(念話)「はぁー・・・、やっぱりか・・・。申し訳ないんだけど、その焼肉サンドは好美ちゃんが1人で食べてくれるか?」

好美(念話)「良いけど・・・、どうするつもり?」


 次の瞬間、結愛の真横へと『瞬間移動』して来た旦那が数人の従業員と共に妻の腕を後ろへと回して強く拘束した。


結愛「お・・・、おい!!テメェら!!何しやがる!!」

光明「それはこっちの台詞だ、また仕事サボって昼間から酒浸りするつもりだったな。」

結愛「何言ってんだ、俺は一晩かけて王城に設置しているメーターの点検をしてたんだぞ。通常の8時間労働だったらもう既に終わっていてもおかしくねぇだろう、それとも俺の会社はブラック企業だとでも言いたいのかよ!!」


 社長を拘束していた従業員の中には秘書にヒドゥラもいた、以前に比べて『人化』に一層慣れた今でもラミア特有の力強さは変わらないらしく・・・。


ヒドゥラ「社長、困ります!!未処理の書類が山積みなんですからすぐに戻って下さい!!」

光明「ほら、ヒドゥラさんもこう言ってんだから仕事に・・・、もど・・・、れ・・・!!」


 結愛は魔力の高いネクロマンサーではあるが体力と筋力にも自信がある様だ。


結愛「お前らな・・・、ちったあ休ませてくれよ!!それにおれは抜き打ち検査をしていたって言ってんだろうが!!」

光明「それに関してはいつも言ってんだろうが、お前がしなくても専門の従業員がいるからって・・・!!」

ヒドゥラ「ほら、副社長もこう言ってんですから分かったら戻って下さい、戻れっての!!」

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