7. 異世界ほのぼの日記3 56~60
-56 仕方なく取った手段-
守は幼馴染の言葉に耳を疑った、元の世界にいた時の記憶が脳内にはっきりと残っていたからだ。
守「待てよ、美麗!!安正と婚約までしてたんじゃないのか?!確かさっきも安正と結婚できなくなったって嘆いていたじゃないか!!」
確かに松龍にいた頃に結婚を申し込んだのは美麗の方だった気がする、しかし美麗の方も引き下がる訳にはいかなかった。
美麗「守君、かんちゃんと会えなかった間どれ位私が寂しい想いをしていたか分かって言ってんの?小学生の頃やかんちゃんが目の前からいなくなった頃に私が抱いた気持ち、守君には分かる訳?!」
確かに、過去に美麗を襲った事実は1人の女の子が背負うには重すぎる物だった。よく今の今まで立派に生きていたもんだと褒めてやっても良い位かも知れない。
しかし、守も言い出したからには引き下がる訳には行かなかった。
守「じゃあ安正はどうなるんだよ、お前の葬式で泣きわめいてたじゃないか!!」
美麗「でも今はどうしているか分からないじゃん、私達は別々の世界にいるんだよ!!もう会う事は出来ないかも知れないじゃない!!」
今思えば、この世界に来たばかりの美麗に修業を積み重ねたネクロマンサーである結愛並みの魔力があるとは思えない。ただ、安正の現在の状況を知る方法が皆無だった訳では無かった。守はため息をつきながら懐をゴソゴソと探り始めた。
守「仕方ないな・・・、神様にでも聞いてみるか。」
実は、この世界に来たばかりの頃の事だ。守は困った時にいつでも相談を出来る様にビクターから護符を受け取っていた、はっきりと言って前例の無い事だが転生して来たばかりの守がずっと1人豚舎で働く事になったからと神様が同情したらしい。
守「うーん・・・、初めて使うけど大丈夫かな・・・。」
好美「守、それどうやって使うの?」
守「困った時に外で振れって言ってたんだよ、確か空高らかに掲げて振ってくれたら助かるって言ってた様な・・・。」
好美「ふーん・・・、でも確かに外で振った方が良いかもね。何となくだけど。」
こういう時の好美の勘は当たる、その事は守だけではなく皆が知っていた事だった。恋人の勘を信じた守は屋外に出て護符を空に向かって振り上げた。すると・・・。
声①「その護符を使ったという事は守か・・・、今ちょっと忙しいんだがな・・・。」
聞き覚えのある声が空から響き渡った、ただ好美は声の正体である神が忙しいだなんて思えなかった様で・・・。
好美「ビクター神様、どうせ公営競技にでも行ってんでしょ。また負け続けてんですから早く降りて来て下さい!!」
ただ全知全能の神の返答は意外な物だった。
ビクター「違うよ、今日は妻が友人とデパートに行ってるから休日を利用して家事を代わりにしているだけだよ。これから夕飯の仕込みしなきゃならないのに娘達が全く手伝ってくれないからしっちゃかめっちゃかなんだ、分かってくれよ!!」
守「じゃあこの護符、意味無いじゃないですか。」
ビクター「待てよ、何もしないとは言ってないだ・・・。」
ビクターの言葉を遮ってある声が響き渡った、神が先程放った言葉に納得していない様子・・・。
声②「おい親父!!誤解を与える様な事言ってんじゃねぇよ、あんたの代わりにカレーの材料を買いに行ったのは誰だと思ってんだ!!」
ビクター「クォーツ・・・、玉ねぎとじゃが芋を買って来ただけで偉そうにすんなよ。」
天界に住む神様たちもこの世界の者と変わらず庶民的な様だ、今も昔も変わらない。
クォーツ「そんなに言うなら俺が行くよ、親父は得意料理の仕込みでもしてろ。」
ビクター「うう・・・、分かりました・・・。」
全知全能の神も娘には全く勝てない様だ、そこも人間と変わらないらしい。
-57 神の失態と元々の目的-
数秒後、天空から大きな龍が降りて来た。美麗もこの世界ではごく普通の事なんだと思い、冷静な表情をしていた。まぁ、「一柱の神」が降りて来るのが普通の事とは言えないのだが。
話の流れから3人は、降りてきた龍が『人化』する前にクォーツ・ラルーだとすぐに判断した。しかし、クォーツ本人にとっては別の問題が発生している様だ。
クォーツ「悪ぃな、喧嘩のシーンなんて出しちまってよ。いつもはあんなんじゃねぇんだ。」
クォーツは3人に気を遣っていた、ただ好美はクォーツに対して全く別の心配をしていたらしい。
好美「クォーツ神様、今夜は仕事じゃないんですか?確か、週一で食べてる光さんのカレーの日だったはずですが。」
クォーツ「おっと忘れてたぜ、この前休日出勤したから今夜振替休日だって光さんに言っておかねぇと。先月も同じ事やらかしちまってめっちゃ怒られたんだよな。」
龍だからが故か、それとも他の者にも人気だからか、毎週かなりの量のカレーを作る事になるので休みの場合に事前に言って欲しいと光に念押しされていた様だ。ただ、今日はその手間も省けた様で・・・。
光「話は聞きましたよ、じゃあ今夜はお供え(という名のカレー鍋)は必要無いんですね。」
これは本当に偶然なのだが、数か月程前からラリーの店で作ったサンドイッチ等を「(相変わらずセンスの欠片も無いネーミングの)コノミーマート」に卸す様になり、今日はその配達を光が担当していた。
光「でももうクォーツ神様が食べる前提で作っちゃったんですよね、いつも渡しているの2日目のカレーだから。」
一晩寝かせたカレーの味にクォーツがハマって以来、この「お供え」は続いていたのだが、殆どを女神が一柱で食べてしまう事から連絡があるかどうかで作る量がかなり変わるらしい。ただ、光の脳内では解決方法が皆無だという訳では無かった。
光「まぁうちの場合、ガルナスに食べさせれば何とかなる話なんだけど量が量だから急いでお米を炊かなくちゃ。」
ガルナスの胃袋は本人の成長と共に発達しており、それと同時に日に日に食欲も増すばかりであった。しかし、光の考えは甘かったみたいだ。
ガルナス(メッセージ)「ママ、今日メラ達とカラオケ行くから夕飯要らないからね。」
光が仕事をしている間に娘から送られていたメッセージを見て母は驚愕していた、でもまだ方法はあるはず・・・。
光「王族の人達が全部食べるかも知れないじゃない、あの人達も食欲は凄いから。」
光は急ぎネフェテルサ国王のエラノダに『念話』を送った。
光(念話)「エラノダさん、今夜カレーはどうしましょうか?」
エラノダ(念話)「ああ光さん、丁度ご連絡を差し上げようとしてたんですよ。実は今夜、ダンラルタからデカルト国王一行がこちらの王宮に来るので光さんのカレーを出そうと思ってたんですが大丈夫でしょうか?」
これはかなりのラッキーだ、隣国の国王(と言うよりコッカトリス)は食欲旺盛の為に助かる。
光(念話)「あの・・・、実は・・・。」
恐る恐る、事情を説明するとエラノダは快く了承してくれた。流石は一国の国王だ、心が誰よりも広い。ただ問題はそこでは無かった、何の為に神を呼び出したかを全員が忘れかけていたのだ。
美麗「ねぇ、安正の事を聞くんじゃ無かったの?」
美麗の一言で我に返った転生者達を代表して守が呼び出した古龍に質問した。
守「あの・・・、ここにいる松戸美麗が元の世界にいた時に付き合っていた桐生安正という者が今どうしているか分かりますか?」
クォーツ「ああ・・・、ちょっと待ってろよ。管轄の奴に聞いてみるわ。」
-58 心中-
懐からスマホ(らしき物)を取り出した女神は、何故か少し南部よりの阿波弁混じりで話していた。相手が徳島関連の神なのだろうか・・・。
クォーツ「ん?うん・・・、うん・・・、ほれ、ほんまけ?!え?!我がから言うんえ?!ほれはほうやけんどな・・・、しゃあないな・・・。」
クォーツの表情からあまり良い情報が来なかった事を察した一同・・・。
守「あの・・・、安正は・・・?」
クォーツ「えっとな・・・、凄く言いづらいんだが好美のはとこである森田真美と良い感じになっているみたいだぜ・・・。」
好美「えっ?!真美とですか?!」
女神が言うにはきっかけは美麗の葬儀での事だったそうだ。これもまた偶然だが、元々安正本人にとって「高嶺の花」と言えた美麗の死による相当な辛さで泣き崩れてしまった安正を気遣って介抱した真美に安正本人が惚れてしまったのだという。
クォーツ「まぁ・・・、あれだ。俺には全てを理解する事は出来んが男特有の性格というやつじゃねぇのかな。一度でも優しくされた女に惚れやすい奴って多いじゃねぇか。」
きっとこの感情は好美が死んで間もない頃の守にも、そして下手をすれば秀斗を失ったばかりの美麗にも言えた事だったのかも知れない。愛する人を失った辛さというのは、人生で最も大きい物だと共通して言える事だ。
美麗「やっぱり辛い想いをさせちゃったんだ、私って最低な人間だね。生きてる価値なんて無かったんだ。」
美麗の発言に怒りを露わにしたのは他でも無い、心臓をあげた秀斗だった。
秀斗「馬鹿な事を言うな!!もしも美麗が言った通りだというなら、死んでお前の命を繋げた俺はどうなるってんだよ!!」
美麗「何よ!!あの時、私の下から離れて泣かせたのは秀斗じゃん!!本当は死にたかった!!生きていたくなかった!!正直言って訳が分からなかった、どうして私なんかに生きていて欲しかったの?!どうしてあのまま死なせてくれなかったの?!」
すると好美が早歩きで美麗へと近づき強くビンタした、こんな事は初めてだった。
好美「馬鹿!!本当に分かって無いのは美麗じゃない!!どうして秀斗君がひき逃げにあったと思う?!あんたの事を龍さんから聞いてどうすれば美麗に幸せなクリスマスの思い出を作れるかをずっと考えてたからよ!!一瞬一秒、ずっと美麗の事を考えていたから周りが見えなくなってたから事故に遭ったの!!
確かに、結果は良かったとは言えないよ、でもずっと悩ませていたのは美麗なんだから!!最後の最後まで美麗の事を考えていたんだから!!
あの日、秀斗君の葬儀に行かなかったあんたと、さっき映像に映っていた安正君の心は同じだったはずでしょ?!きっと「受け入れたくなかった」って事じゃないの?!それ位、美麗も秀斗君も、ましてや安正君も互いの事を愛していたって事じゃないの?!」
美麗「好美・・・。」
好美「元の世界でもこっちでも、望んだ人生を全うした人がいたなんて私は聞いた事無い。今でも悔やんでいるの、喧嘩して口を利かなかったまま守と離れちゃった事。誰だって自分の置かれた運命と戦いながら、そして抗いながら生きているはずだよ。あんただってそのはず、秀斗君や美麗の死は決して誰も望まなかった。でも信じてたから、お互いまた会えるって信じてたからまた会えたんじゃないの?!」
美麗は腕で涙を拭った後に重い口を開いた。
美麗「好美の言った通りだよ、言ったまんまだよ。だって私は秀斗の死を受け入れた訳じゃ無い、私自身の死だって受け入れた訳じゃ無い。でもきっと前を向こうって決意する事が出来たから私達は再会出来たんだと思うの。多分あのままリストカットで死んでたら、私は別の世界に飛ばされていただろうね。ある意味、家事を起こした店員さんに感謝かも。」
好美「馬鹿、何言ってんのよ。下手したらあんたの家が無くなってたかも知れないのに。」
美麗「好美、大切な事に気付かせてくれてありがとう。」
好美は気を取り直して美麗の新生活スタートへの手伝いを再開した。
好美「そう言えば今、秀斗君は何処に住んでいるの?」
秀斗「バルファイ王国のマンションだよ、仕事はこのネフェテルサだけど。」
好美「じゃあ、いっその事美麗とこっちに住めば?家賃安くしておくからさ。」
まさかの同棲生活開始に開いた口が塞がらなかった2人、これからどうなるのだろうか。
-59 斬新な登場-
好美は冗談のつもりで「同棲してみれば?」と言ったつもりだったが、久々の再会を果たした2人はその場の流れからかなり真に受けていたみたいだ。
美麗「好美、いくら何でも「はい、そうですか」でスタート出来る物じゃないと思うんだけど。」
秀斗「そうだよ、荷物の移動は『転送』や『アイテムボックス』で何とかなるとしてもバルファイ側の不動産屋にどう説明するんだよ。」
冗談ではなくなってきたと察した好美はほぼやけくそ気味の勢いで話を進めだした。
好美「じゃあ、そのバルファイ側の不動産屋に話をつければ良いって訳よね。」
美麗「確かにそうだけど、すぐに行ける所じゃないでしょ。」
貝塚財閥(結愛)のお陰で3国間における交通の便はかなり発達したが、つい先程この世界に転生したばかりな上に既に呑んでしまっている美麗にはどう答えても不可能だった。
好美「じゃあ、こうすれば良いじゃん。」
そう言うと好美は『アイテムボックス』に手を突っ込んでゴソゴソと何かを探し始めた。
守「おいおい、まさか・・・。」
その「まさか」だった、好美が腕を引き出すと中から・・・。
男性「あ、どうも。」
と言いながらバルタンらしき30~40代位でスーツ姿の男性が出て来た、そう、この人がバルファイ側の不動産屋の社長だったのだ。
社長「好美さん、早くないですか?私これの為に1ヶ月有給を取っているんですけど。」
好美「ごめんなさい、友人の事で相談がありまして。」
社長「いや・・・、仕事の事は店にいる妻に任せてあるんですけど。」
好美「すみません、何分急だった物で。」
言ってしまえば好美自身が原因を作ったのだが、今はそっとしておこう。
秀斗「そんな所にいたんですか、こりゃ家賃を払いに行ってもいない訳だ。」
美麗「でも、何で入っていたんです?」
何でもありのこの世界でも人が『アイテムボックス』の中にいるだなんて正直「前代未聞」と言っても過言ではない。
好美「この前、このマンションの事でこの人の所に行った時ね・・・。」
数日前の事だ、好美は社長の店でお茶を飲みながら契約の更新をしていた。
好美(回想)「こちらは手土産です、皆さんで召し上がって下さい。」
社長(回想)「すみません、お気遣いありがとうございます。それにしても今のが『アイテムボックス』ってやつですか?羨ましいですね。」
好美(回想)「何でも入るから便利ですよ、社長さんにも『付与』するので後で使ってみて下さい。」
社長(回想)「ただね・・・、中はどうなっているんです?」
好美(回想)「いや・・・、私も見た事無いんでどう説明すれば良いか・・・。いつもこうやって手を突っ込んでいるだけですから。」
すると次の瞬間、社長が好美の腕の先に頭から突入してすっぽりと入ってしまった。
好美(回想)「な・・・、何やってるんですか!!ど・・・、どうしよう・・・。」
社長の行動に驚きを隠せない好美、一先ず取り出し口を無理矢理こじ開けて頭を入れてみた。中では異次元のカラフルな空間が広がっていて、好美の私物等が散らばっていた。
好美(回想)「社長さん、大丈夫ですか?」
数秒経過した後、感覚的にかなり離れた所から返事が聞こえた。
社長(回想)「好美さん、この中凄く快適ですよ。まるでダンラルタ王国のバカンスです、なんだか泊まりたくなって来ました!!」
好美(回想)「勘弁してくださいよ、お店の人が困ると思うんで帰ってきてください。」
-60 休みを満喫していた社長とベタな件、そして久々の「あれ」-
好美の言葉を受けた社長は、中の環境に適応してしまったらしく、平泳ぎのスタイルで浮かんで来た。
社長「この中最高ですね、住めちゃいますよ。」
こう言いながら出て来た社長は、奥の部屋から妻を呼び出し、近くにあった書類に何かを記入して再び中に入ってしまった。書類を受け取った夫人はその場で頭を抱えていた。
妻「呆れた・・・、何て人なのかしら・・・。」
好美「どうしたんですか?」
妻「好美さん・・・、こちらをご覧頂けますか?呆れて物が言えないですよ。」
妻は先程の書類を好美に見せた、よく見てみれば「連続有給休暇申請書」とあった。期間の欄を見てみると「週休・有給合わせて1ヶ月」と書かれていたが、理由はもっと酷かった。
好美「何々・・・、「別荘で休暇」ですって?!何勝手に人の『アイテムボックス』を別荘にしちゃってんのよ~・・・。」
そして、今に至る。社長の休日はまだ残っていたが、多少ではあるが好美に迷惑をかけていた事を自覚していたので秀斗の話を聞く事にした。
社長「ほほう・・・、これからは好美さんの所のマンションにお住まいになるという事ですね?」
秀斗「はい、職場がネフェテルサにあるので近い所から通おうと思いまして。」
社長「そうなんですね・・・。それはそうと・・・、そちらの女性の方はどちら様でしょうか?私は初めて御見かけ致しますが・・・、名刺何処だっけな・・・。」
美麗に初めて会ったバルタンは、美麗の方を優しく手差しした後で名刺を懐から取り出して渡した後尋ねた。
秀斗「こいつは俺の友・・・。」
「友人」と言いかけた秀斗の二の腕を抓りながら恋人を睨んだ美麗。
秀斗「いてて・・・、か・・・、彼女です。」
元々柔道部だった秀斗でも格闘技経験のある美麗の一撃はかなり痛かった様だ、美麗は目の前にいる優しい表情の男性から渡された。
美麗「「貝塚不動産 代表取締役社長 ポルカト」さん・・・、で良いんですか?」
ポルカト「はい、以後お見知りおきを。それにしても羨ましいですね、綺麗なだけではなくてお強い彼女さんだなんて。私が惚れそうになっちゃいますよ。」
美麗「「綺麗」だなんて、やだもう!!」
秀斗「いってえ!!」
バルタンにベタな褒められ方をされて顔を赤くした美麗に後頭部を強く叩かれた秀斗、何処かで見た事のある件の様だが気にしないでおく事にした。
じんじんと痛む後頭部を摩りつつ、秀斗はポルカトに聞きながら書類を記入していき契約解除はどんどん進ませて行った。
ポルカト「うん・・・、そうですね・・・。これで全部大丈夫だと思いますのでお預かりいたしますね、鍵はお荷物を運び出してから私のお店にお持ち頂ければ大丈夫ですのでね。
それでなんですが、そのお荷物はどうされますか?『アイテムボックス』で運びます?」
社長の質問に質問で返したのは秀斗ではなく美麗だった、何か考えでもあるのだろうか。
美麗「因みにお部屋はいつまでの契約になっているんですか?」
店に電話して秀斗の借りている部屋の契約期間を確認した社長。
ポルカト「来週いっぱいまで大丈夫ですよ、なのでゆっくりと運び出して頂いて結構です。」
美麗「じゃあ・・・、一先ず「あれ」を持って来ないと話が始まらないですね。」
美麗の「あれ」とは何かが分かってしまった好美は嫌な予感がして仕方がなかった。
好美「美麗、「あれ」は持って来ちゃまずいよ。だって、あんたのじゃないじゃん・・・。」
美麗「え?ま・・・、まずいかな・・・。」
好美「前に「あれ」使って女将さんに怒られたでしょ、あんたどんだけ馬鹿なの・・・。」
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