7. 異世界ほのぼの日記3 ㉑~㉕


-㉑ 女は強し-


 酔っぱらったマンションの大家をよそに、レストランの厨房では「試作品」の調理作業が副料理長を中心に慌ただしく行われていた。


ロリュー「真希子さん、納得のいく鰹出汁は完成しそうですか?」

真希子「任しておくれよ、良い香りの出汁ができ始めているよ。」


 そんな中、酔っぱらった好美を横目にオーナーシェフがワインやグラスを片付けようとしていたのだが、好美が物音に反応したらしい。ナルリスは自らのコックコートが引っ張られるのを感じた。


ナルリス「えっ・・・?」


 ナルリスが振り向くと好美がしっかりと衣服を掴んで、涙ながらに訴えていた。


好美「まだ・・・、全部吞んでない・・・。持って行かないで・・・。」

ナルリス「好美ちゃん、呑み過ぎだよ。それにこのワイン高いんだよ?」

好美「でも、私を待たせてるのもワインを勧めたのもそっちだもん・・・。」


 確かに、好美は間違った事は言っていない。これ以上ぐずらせるとまずいと思ったナルリスは片付ける手を止めて守に『念話』を飛ばした。


ナルリス(念話)「守君、助けてくれよ。好美ちゃんがずっと呑んでてその場を離れないんだ。お願いだ、迎えに来てくれないか?」


 しかし、ナルリスの思惑はすぐに崩れ去った。


守(念話)「あの・・・、どちら様でしたっけ?」


 そう、守はナルリスと話した事が無かったのだ。


ナルリス(念話)「ああ・・・、ごめん。自己紹介がまだだったね、吉村 光の旦那って言えば分かるかな?」

守(念話)「えっと・・・、ダルランさんって方だと聞きましたけど。」

ナルリス(念話)「そうそう、ナルリス・ダルラン。光の旦那のヴァンパイアだよ、今俺の店で好美ちゃんが酔い潰れて困っているんだ。良かったら迎えに来てくれないか?」


 ナルリスは出来るだけ優しい口調で守に依頼した、しかし相手は相手で苦戦を強いられていたらしい。


守(念話)「ナルリスさん、そうして頂きたいのは自分の方ですよ。さっきから光さんが好美と俺の家に突然やって来て呑みまくっているから困っていまして、このままだと冷蔵庫の酒が無くなる勢いなんです!!」


 守が言うには、数十分前からパン屋での仕事を終えた光が突然家にやって来て冷蔵庫の酒を呑みまくっているらしい。守はずっと肴を作らされているそうだ。


光(念話)「ナル、今日は夕飯要らないからね。」

ナルリス(念話)「ご機嫌なこったな・・・。」


 頭を抱えるナルリスの横で再びワインを呑み始めた好美。


好美(念話)「守、私も今日はこっちで呑み明かすから夕飯いらないからね・・・。」

守(念話)「好美、いくら何でもお店の人に御迷惑じゃないのか?」


 あくまで冷静に対処する守、しかしすぐ近くにいたのは光だ。


光(念話)「好美ちゃん・・・、私が許すから店の酒全部呑んで良いわよ・・・。」

ナルリス(念話)「光、好美ちゃんがどれだけ呑んでいるか知っているのか?」

光(念話)「何?私に盾つくつもり?畑の野菜使用禁止にするよ?」


 ナルリスは顔を蒼白させた、光の野菜が無いと店の料理は成り立たない。


ナルリス(念話)「す・・・、すみません・・・。ご自由にお過ごしください。」

光(念話)「それで良いの、守君も良いわね?」

守(念話)「あ・・・、はい・・・。」


 守は少したじろぎながら返事をした、しかしいつもの「プロレスごっこ」の事を考えると光の言葉を否定する訳には行かない。

 守は、仕方なく冷蔵庫の奥に隠してあった高級なビールを差し出す事にした。


-㉒ 何よりのボーナスとお礼の品-


 守が冷蔵庫から取り出したビールは、自分へのご褒美の為にこの世界に来て初めてのボーナスで買った物だった。好美の家に引っ越すまでは肉屋に住み込みで働いていた為、光熱費等の世話になっていたからか、給料は少ないと思っていたのだが、想像以上に肉屋の儲けは良いらしく、守も豚舎で働く分良い値段で貰っていた。確かに豚舎での仕事は朝早くからな上に大変な力仕事だったが自分を拾ってくれたケデールへの恩を返す為だと思い必死に働いていた。その事が影響したのか、初めての賞与はとても嬉しい金額だった様だ。


守「まぁ、2本あるんだし、1本位あげるか。」


 しかし、守には誤算があった。好美には見つからない様な場所(と言っても惣菜の入ったタッパーの奥)に隠してあったはずなのに光には見つかっていたのだ。


光「あんたもケチね、何で1本しか持って来てくれないのよ。」

守「俺だってこのビール呑みたくて買ったんだよ、1本位残したって良いじゃないか。」


 しかし、光は引き下がらなかった。ただ、鬼では無い。


光「じゃあグラスを1個追加して一緒に呑もうよ。」


 守はこの言葉が嬉しかった、元の世界にいた時に憧れの的だった女性の1人に誘われるとは思わなかったのだ。


守「う・・・、うん・・・。」


 僅かながらだが、照れを隠しつつグラスとビールを持って行く守。


光「こうしていると思い出すな、確かあんたと好美ちゃんを交えて3人でちょこちょこ呑んでたっけ。」


 3人は守、及び好美が成人してからよく「松龍」で呑んでいた事が有った。ごく偶にだが、店の手伝いを終えた美麗も一緒になってよく顔を赤くしていたのを覚えていた。


光「ねぇ、好美ちゃんの所行こうか。」


 光はまだ口を付けてないビールのグラスを揺らしながら提案した。


守「良いけど、これ呑んでからでも良いんじゃないの?」


 元の世界ではなかなか取れなかった「2人で呑む時間」を終わらせたくなかった守、それ位に光は守にとって特別な存在だったのだ。


光「そうね、でももうおつまみがないよ。」


 テーブルを見てみると残りはポテチが10枚程度しか無かった。


守「冷蔵庫見て来るよ。」


 守はゆっくりと立ち上がり、冷蔵庫へと向かった。中にはこれも自分へのご褒美の為にと買った生ハムが1パック。しかし、守にとっては光との時間が何よりのボーナスだったのかも知れない。


守「光姉ちゃん、生ハムで良い?」

光「良いじゃん、チーズがあるからそれ巻いて食べようよ。」


 光は『アイテムボックス』からモッツァレラチーズを取り出して切り始めた。数分後、光の前の皿の上には生ハムに包まれたモッツァレラチーズが何個も並んでいた。


光「これにオリーブオイルとジェノベーゼソースをかけて・・・っと、完成!!」


 守は思わず笑みがこぼれた、即席と言っても見た目は本格的なイタリア料理がそこにあった。やはり何処に行っても女性のセンスには驚かされる。


守「これ、食って良いの?」

光「良いに決まってんじゃない、タダで呑ませて貰っているからお礼させてよ。」


 ただ、守は皿に目をやる度に食べてないはずの料理が減っている様な気がした。


好美(念話)「何これ!!美味しいじゃん!!」

守(念話)「いつの間に・・・、こら好美!!『察知』と『転送』使って抜け駆けすんな!!」


-㉓ 数の多いため息-


 先程までナルリスの店で散々ただ酒を呑み散らかした好美が、どうして能力を使ってまで「抜け駆け」をしだしたのかというと、数分前の事だった。

 陸上部の練習を終えて学校から帰ってきたナルリスの娘であるハーフ・ヴァンパイアのガルナス・ダルランが、空腹を感じていてそこに丁度出来たばかりの「試作品」があったもんだから思わず食べてしまったのである。


ガルナス「寝ちゃってるし、良いよね。」


 そう一言呟いたオーナーシェフの一人娘が好美用に出されていたおつまみを全て食べ尽くしてしまった。よく考えればガルナスと言えば「大食い」だ、ナルリスは毎日頭を抱えてばかりであった。

 そして今に至る、目の前のつまみが全て無くなってしまった好美は光達が美味そうな物を作っている事を『察知』し、『転送』を使ってつまみ食いを行っていた。

 そんな中、ため息をつきながら光が一言。


光「あんたの恋人は昔から変わらないね。」


 「松龍」でバイトしていた頃の好美が、その頃から大食いだった事を知っていた光は少し懐かしさをも感じていた。


光「仕方ない、また作るか。」


 結局「二の舞三の舞」になる気もしたが、光は再び肴を作り始めようとした。しかし、思い出した事が1つ。


守「光姉ちゃん、もう生ハム無いよ。」


 そう、作るのが段々楽しくなってきていた光は、守が持っていた生ハムが1パックだけだった事を忘れてしまっていた。


光「何それ、シケるじゃん。」


 守は何もしていなかったが、一人不貞腐れてしまう光。そんな中、出来立ての料理を食べた犯人から『念話』が飛んで来た。


好美(念話)「守、もう無いの?ワインにぴったりだから助かってたのに。」


 好美が店に行った本来の目的はロール白菜だったはずだが、どうやら完全に忘れてしまった様だ。ただ、問題はそこでは無かった。


ナルリス(念話)「守君、すまないが好美ちゃんが呑んだワイン代を払ってくれないか?」


 流石にやっとの思いで仕入れた高級なワインを全てタダで呑まれてしまうと店の損失がとんでもない額になると思った店主からの必死さが何よりも伝わる言葉だった。


守(念話)「勿論です、おいくらですか?」

ナルリス(念話)「ちょっと待ってね・・・、はぁ・・・。」


 ナルリスは『念話』でも届く位の大きなため息をした。


守(念話)「そんなに凄い金額なんですか?」

ナルリス(念話)「「お一人様」にしてはね・・・、多分。」


 長い長いレシートから合計金額の欄を必死に探すナルリス。


ナルリス(念話)「あった・・・、はぁ・・・、57万9420円だな。」


 ナルリスから聞いた金額に守も頭を抱えだした。


守(念話)「どうすればそれだけの呑み食いが出来るんだよ・・・。」


 答えは簡単だった、好美が呑んだワインは赤、白、そしてロゼの各種が1本18万円する代物だったのだ。


ナルリス(念話)「まるで水の様に呑んでたよ、また仕入れないといけないじゃんか・・・。」

光(念話)「何か前にもあった光景よね。」

守(念話)「金銭感覚がおかしくなりそうな話だな・・・。」


 どうやら好美が呑んだワインは、各々1本しか仕入れていなかった様だ。


-㉔ 大切な酒と信頼-


 好美が一人で呑み干してしまったワインは、3本全て隣のバルファイ王国にある酒の卸業者に無理を言って仕入れた物だった。

 後に卸業者の代表者は友人にこう語っていたそうだ。


代表者「ナル君は良い友人だし、いつも贔屓にしてくれているからあれだけお願いされると卸さざるを得なくなっちゃってね。」


 そう、ナルリスはこのワインを求める為に時間を作っては毎日の様に隣国(と言っても車で3時間程度の所)へと頭を下げに行っていたのだ。

 店主はまさかそのワインをあっさりと呑まれてしまうと思わなかったので頭を抱えながら携帯を手にし、ため息交じりで電話を掛けた。


代表者(電話)「お電話、有難うございます。バルフ酒類卸です」

ナルリス「ドゥーンか、丁度良かった。」

ドゥーン(電話)「何だナルリスか、例のワインが高すぎるから売れなくて困っているんじゃないかって思ってたんだよ。」

ナルリス「逆だよ、女の子が1人で呑み干しちゃったんだ!!」

ドゥーン(電話)「でもお前3本買っていっただろ、まだ残っているんじゃないのか?」

ナルリス「残ってたら慌てて電話なんかしないさ、1人で3本全部呑んじゃったからこうなっちゃてね。まだ・・・、そっちに在庫はあるか?出来れば各々3本ずつ欲しいんだが。」


 勿論、次好美が来た時の対策の為だ。泥酔して本人が支払わなかった時用の「守」という保険もあるから是非入手して備えておきたい。


ドゥーン(電話)「3本ずつって・・・、お前あれ1本の原価どれ位か知っているのか?」

ナルリス「18万とは聞いてるけど・・・。」

ドゥーン(電話)「言ってしまうとあれだが、原価もそんなに安くないんだぞ。確か伝票がこの辺りに・・・、あった。」


 ドゥーンは電話を片手に仕入れ伝票を捲った。


ドゥーン(電話)「これだこれだ、1本16万2000円だよ。うちでもなかなか手を出さない代物を合わせて9本もか?悪い冗談はよしてくれ!!」

ナルリス「これが冗談の口調に聞こえるのか?いくら俺が悪戯好きだからってこんな時に冗談をかます余裕は無いぜ。それで?在庫は?」

ドゥーン(電話)「そうだな、ちょっと見て来るよ。」


 ドゥーンは電話を保留にして高級な酒を入れてある戸棚へと向かった、扱っている物の値段が高額な為に戸棚は南京錠で閉じられていた。因みに南京錠の鍵はドゥーン含めて数人の者しか扱えない事になっており、普段は金庫の中で管理されていた。


ドゥーン(電話)「お待たせ、在庫はあるけど9本丁度だな。」

ナルリス「偉い時間が掛かってたじゃないか、まさか煙草吸ってた訳じゃ無いだろうな。」

ドゥーン(電話)「馬鹿か、うちは日本酒も扱っているのに煙草なんか吸ってたら杜氏さんに怒られるわ。」


 異世界だというのに日本の文化が溢れている事を実感させられる今日この頃。


ナルリス「じゃあ何してたんだよ。」

ドゥーン(電話)「企業秘密って奴さ、特にこのワインみたいに高級な物を扱う時のな。」

ナルリス「ふーん・・・、だったら仕方ないよな。すぐに取り敢えず金持って行くから用意しといてくれないか?」

ドゥーン(電話)「まぁ、うちは儲かるから構わないけど、本当に良いんだな。」


 友人の言葉の語尾を待たずに『瞬間移動』で卸業者へと到着した店主。


ドゥーン「わっ!!お前、まだ箱も用意して無いのに早すぎるわ。」

ナルリス「箱は良いよ、どうせすぐにワインセラーに入れるのに。」

ドゥーン「そういう訳にも行かないよ、ワイン農家から是非とも箱と一緒に売ってくれって通達が来てるんだ。代表者が守らない訳には行かないじゃないか。」

ナルリス「ふーん・・・、あれ?お前最近小売りも始めたのか?」


 ナルリスが辺りを見廻すと一般の客が中で買い物していたのが見えた、ナルリスの記憶が正しければこの業者は飲食店向けを専門での卸を行っていたはずなのだが。


ドゥーン「最近だよ、やっぱりうちも可能な限り儲けを増やさないとな・・・、と思って始めたんだ。卸業者がやってるお店だから安いって結構好評でさ。」

ナルリス「やっぱり売ってるのは酒だけなのか?」

ドゥーン「いや、一応つまみになる様な食品も扱ってるぜ。良かったら見て行けよ。」


-㉕ 食材との出逢い-


 折角隣国に住む友人の店に来たので、新メニューを考えるヒントにすべくナルリスは一般客が買い回る店内をゆっくりと歩き始めた。


ナルリス「乾物とか缶詰が充実しているな、あっちには生ハムが足1本単位で置いてあるぞ。削って量り売りでもしているのかな、これは便利だ。」


 その中でもナルリスが一番注目していたのはチーズだった、魔獣や獣人族が多く住むダンラルタ王国から特別に仕入れた貴重な品々が揃っているのを見て羨ましく思っていたナルリスのすぐ傍を丁度入荷したばかりの商品を補充しに来たドゥーンが通りかかった。


ドゥーン「どうだ、凄いだろ。俺が直接交渉に行ったんだぜ。」

ナルリス「ダンラルタに直接行ったのか?」

ドゥーン「ああ・・・、山が多くて大変だったけどそれなりに楽しかったよ。」


 ナルリスはショーケース内で一際目立っている大きなチーズを手にしてラベルをじっくりと読み始めた。


ナルリス「何々・・・、「鳥獣人族が自ら育てた牛の搾りたての乳を使っています」か・・・。」

ドゥーン「そうだよ、本人達が経営する山ん中の牧場に行って一緒に開発したんだ。乳搾り体験もさせてくれて嬉しかったな、お前にもさせてやりたかったよ。」

ナルリス「良い思い出なんだな、何か羨ましいぜ。」


 ナルリスはラベルの最下部を見た、「ダンラルタ王国 バラライ牧場」とあった。


ナルリス「ここに行ったのか?」

ドゥーン「うん、バルタンやレイブンの方々を中心に放牧でゆったりと牛を育てていたんだ。ストレスが無い牛から絞った牛乳は濃厚で美味かったよ。」


 少し興味が湧いて来たナルリスは光に『念話』を飛ばした。


ナルリス(念話)「光、今ちょっと大丈夫か?」

光(念話)「大丈夫だけど、何かあった?」

ナルリス(念話)「確か光が働いているパン屋さんってバルタンの人がいたよな?」

光(念話)「パン焼きのウェインの事?」

ナルリス(念話)「その人に聞きたい事が有るんだけど・・・。」

光(念話)「別にいいよ、ちょっと待ってね。」


 パン屋の仕事が少落ち着いて来た光は厨房へと向かい、ウェインに声をかけた。その様子からはもうすっかり店にも馴染み、ベテランの貫禄も見え始めていた様だ。


光「ウェイン、今ちょっと良い?」

ウェイン「今丁度生地を発行させ始めたから構わないよ、どうかした?」

光「うちの主人と話して欲しいのよ、聞きたい事が有るんだって。」

ウェイン「ああ、ナルリスね。電話を替わればいい?」

光「うん、それで大丈夫。」


 光は携帯を取り出してナルリスに電話を掛けた、『念話』を『付与』すればいいと思われるが光個人には能力に頼り過ぎるのもどうかという気持ちがあったのだ。


ナルリス「助かるよ、ありがとう。」

光(電話)「じゃあ、替わるね。」

ウェイン(電話)「おう、ナルか。珍しいな。」


 因みに2人が話したのは魔学校の卒業式以来だ。


ナルリス「いきなり悪いね、ちょっと聞きたい事が有るんだ。ダンラルタにある「バラライ牧場」って分かるか?」

ウェイン(電話)「そこなら俺の友人がやってる牧場だよ、うちのパンもそこの牛乳使ってんだぜ。そこがどうかしたか?」

ナルリス「今友人の店にいるんだが、そこで作ったっていう美味そうなチーズを見つけてね。是非牧場を見に行きたいなと思っているんだ。」

ウェイン(電話)「じゃあ、俺明日休みだから一緒に行くか?俺から友人に電話しとくよ。」

ナルリス「何もかもすまないね、じゃあお言葉に甘えようかな。」


 翌日、2人はウェインの運転する軽トラで隣のダンラルタ王国へと向かった、こちらも車で2時間程度の距離だ。


ナルリス「お前・・・、一応王族なのに軽トラなんて乗るんだな。しかもMTか。」

ウェイン「これが一番良いんだよ、安いし四駆でパワーがあるからさ。」

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