ウサギ
太らせてから食べるのかしら。怪我の手当をしてくれてご飯もくれた。
「大慌てで電話して来て何かと思えば野ウサギの怪我とは」
呼ばれた獣医が呆れた。
「今時トラバサミを仕掛けるなんて信じられるか!?」時代の遺物のベアートラップ、レッグホールドトラップの無断使用は禁止されている。
「なあジュリアン、歩くのに不自由じゃ野生じゃ生きて行けないから太らせて食おうぜ」
「飼うよ」
「食わないのか?」
「ペットでも飼えと言ったのはお前だろ、ロブ」
「食わないなら餌をやり過ぎて太らせるなよ」
ウサギは栗色の毛皮に茶色の目をしていた。ジュリアンは銀色の髪と灰色の目をしている。
「ごめんな。かわいそうに」
そう言って撫でられた。謝らなくていいのに。助けて貰ってご飯を貰って申し訳なく思う。お礼を言いたくてもウサギは喋れない。どうしたらいいかしら?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます