(三)-3

「バカなことを言わないで! 私にだってやりたいことあるのよ! あなたの面倒ばかり見ているわけにはいかないのよ! それとも女だから自由がないとでも言うつもり?」

「違うのか? いずれ子どもができたらお前は育児にかかりきりになるじゃないか。だったら最初から家庭に入ればいいだろう」

「それは女に対する人権侵害よ! 私には私の人生を自由に生きる権利があるのよ! それなのに、よくそんなことが言えるわね!」

「いい加減にしろ!」

 隆利は目玉焼きとトーストを半分残したままそう大声を上げて立ち上がった。そして足音を立てながらダイニングを出て行った。そして寝室で着替えると玄関から出て行ってしまった。


(続く)

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