(二)-9
においのもとを探して周囲を見回すと、白い形状記憶ワイシャツが、形状の記憶を全く失念したかのような姿で彩香が座っている場所のすぐ横のソファの背もたれにかろうじて引っかかってぐったりしているのを見つけた。
「洗濯物は洗濯かごに入れてって言っているでしょう。脱ぎ散らかさないでよ」
すでに当事者の姿がないリビングに彩香はそう大声を上げながら、ソファを立った。右手の人差し指と親指だけでそれをつまむと、風呂場の脱衣所に行き、ドラム式洗濯機の中に放り込んだ。
(続く)
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