第8話:リンクス。

すぐに上空に飛んでカオスのところまで来たミンク。


「ほう〜まだ生きてるとは・・・ミンク、貴様のようなやつは初めてだ・・・

褒めてやろう 」


「ってことで・・・宇宙生命体には宇宙生命体ですね」

「出てきて、タマちゃん」


そう言うとなにもない空間からビリケンみたいなブルーの生き物「生命体」が

現れた。

タマちゃんと呼ばれた生命体は大阪の通天閣 5階(展望台)にある幸運の神

ビリケン像に似ていた。

タマちゃんは厳密には生命体の魂の集合体。


「タマちゃん・・・ちょっとリンクス貸してくれる?」

「あとでソフトクリーム買ってあげるから」


ミンクがそう言うとタマちゃんが自分のポケットに入ってた黄色い生命体を

取りだして空中に放り投た。


するとリンクスって呼ばれた生命体はポンと一気に人間と同じ大きさになった。


「リンクス・・・頼むわね」


ミンクがそう言うとリンクスの目が三角になってカオスをにらんだ。


「なんだ?妙なヤツが出てきたな・・・自分のパワーでは私に太刀打ちできないと思って、そんな生命体の力を借りようってことか?」


「リンクスが戦ってる間に私は体力回復させていただきます・・」

「さすがにこのままでは、手こずりそうですから・・・」


「リンクス、お願いね」


そう言われたリンクスはカオスに向かって飛んで行った。

ミンクとカオスが戦った時と同じようにふたりの戦いはスピードが速すぎて

人間には見えなかった。


唯一ミンクだけが二人に動きについて行けていた。


リンクスとカオスの力は互角・・・。

だからバトルがあまり長引くようならリンクスには不利。

この地球上ではリンクスは今の体型では5分しか持たないと言うタイムリミット

を持っていたからだ。

早めに勝負をつけないと元にもどってしまうのだ。

でもミンクの体力が回復するまで持ってくれたらそれでよかった。


ミンクが見たところ、リンクスのほうがカオスを押していたように見えた。


このままではヤバいと思ったカオスは、なにやらクチからビームのような

光線を発射した。

まるで風の谷のナウシカの巨神兵みたいに・・・。


そいつをまともに食らったリンクスは腹に穴を開けられた。

もともとリンクスは軟体生命体だから、そのくらいではめげないし屁でもない。


ポイポイって自分の腹をハラうと、穴はすぐにふさがった。


「なんだ、こいつは・・・不死身か?」


ニタッと笑ったリンクスはまたカオスに向かっていた。

カオスはリンクスの攻撃を受け流しながら今度はリンクスの頭めがけて

ビームを放った。


リンクスの頭は破裂して飛び散ったが、見る間に再生した。


「バケモンか・・・こいつ」


バケモンって、まあどっちもどっち。


リンクスはヘンテコな声でケタケタ笑った。


するとカオスの背中から何本もの触手が現れるとその触手の先からさっきと

同じビームは放射された。


何本ものビームを食らったリンクスはさすがに、頭やからだじゅう蜂の巣に

されて、バラバラに吹き飛んだ。


さっきリックスがいた場所には綺麗さっぱりなにもなくなった。

で、吹き飛んだリンクスは消えてなくなったのかと思ったらちゃっかり

タマちゃんのポケットにもどっていた。


5分経ったみたいだ。


「あの人強いね」


タマちゃんがそう言った。


「リンクスでもダメなのね」


「諦めることだ・・・私を倒そうなどと百年も一千年も一億年も早いわ」


「言ってなさい・・・私に不可能なんてないってこと見せてあげます・・・」

「リンクスありがとうね、おかげで体力回復したから・・・」


「さあ、反撃です」


つづく。

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