第11話
今日は久々に、家族でお出かけということもあって、いつもより少し早めに起きた
お出かけ自体はあまり好きじゃないし、人が多いところは苦手だけど、やっぱり滅多に一緒に行けないお父さんが一緒にいるっていうだけで、ワクワクする
そんな楽しみな雰囲気を出して、朝食を自分で作って食べた
昨日は真尋が作ったから今日はボクが作った
そんなボクの顔を見て、まだ眠そうな顔をしながら、自分の部屋から降りてきた
「お兄ちゃんやけに嬉しそうだね」
「そりゃあもちろん!久々にお父さんとお出かけなんだよ!」
「ふふっ、お兄ちゃんって昔からお父さんのこと好きだよね」
「んー?そう?」
家族のことはみんな好きだし、その中でも男同士だから、話しやすかったってのもあるのかな?
...まあ、今となっては元がつくけどね
「うん。だから今日はちゃんと可愛くして行こうね?」
「行くってどこへ?」
「それは着いてからのお楽しみってことで♪」
はて?どこだろう?
行き先を考えながら、朝ごはんと食べていると、お父さんも起きてきた
「おはよう、渚、真尋。二人とも起きるの早いな」
「あ、お父さんおはよー」
「おはようお父さん!ねねっ、どこ行くの?」
「真尋に言われなかったのか?」
「うん。なんか着いてからのお楽しみ、って言われた。」
「うーん...まあそれもそうか。ならお父さんも黙っておくことにしよう。それはそうと、食べ終わったらすぐに行くぞ」
「むー...わかった。」
「りょーかい!お兄ちゃんのことは任せて!」
「ああ、流石に今の渚は真尋に任せるしかない」
そのあとはボクがご飯を食べ終わったのと同時に、真尋も食べ終わったらしい
そして、ボクは真尋に連れられ、今日着ていく服を決めて、着替えたあと髪を整えた
玄関を出て自宅の駐車場に停めてあった、車に乗った
お父さんはすでに、車の運転席に座っていて、カーナビの設定をしていた
お父さんは、よっぽど忙しい時以外は、自分で車を運転している
だから、安心して運転してもらうことにした
まあ、ボクと真尋はまだ運転できないけど
ちなみに車種はT◯Y◯TAのアルファー◯
車内が広くてめちゃくちゃ快適
「準備できたか?って、おぉ...これが渚か...なんというか、もう天使だな」
「ね!そうでしょ!」
今のボクは、この間、日葵たちと一緒にショッピングモールに買い物に行った時に買った、白いワンピースに、まだ少し寒い時期だから犬耳のついたパーカーを着ている
あ、ちなみに、まだワンピースとかスカートに慣れてないから、一応下にレギンスは履いている
そして、髪の毛はポニーテールにしてもらっている
完成した時に鏡を映った自分を見て、思わず「誰この美少女」って言ったしね
これが家の中だけとかなら、全然いいんだけど、これから外出だからちょっと恥ずかしい
そろそろ、頑張って慣れないといけないかもなあ...春休み明けたら学校もあるし
「それじゃ、出発するから、ちゃんとシートベルトしておいてな」
「うん」
「はーい」
そして、車は発進した
けど、ボクは楽しみで早く起きたのが障ったのか、出発してから10分も経たないうちに、真尋に寄りかかって眠りに落ちた
ーーー
「ぉきて... ほら、もうついたから、起きて!」
「ぅ...ん?あれここは?」
「ほらお兄ちゃん起きて!お兄ちゃんが寝ているうちにもう目的地に着いたから!」
「...えっ!嘘⁈」
「本当だってば。ほら降りるよ」
「う、うん!」
車から降りると目の前には
「ジェットコースター!ってことは遊園地?」
「そう!ここ最近リニューアルして、お兄ちゃん行きたがってたでしょ?」
「うん行きたかったけど...なんで知ってるの?」
「お兄ちゃんの部屋のパソコンのブラウザのタブにここのことを調べたタブが残ったまま、寝落ちしてた時があったからさ...」
「ああ、そういうことね」
まあ、実際、ボクは人混みとかは苦手だけど、絶叫系とかホラーは大好きなのだ
昔は、お母さんも一緒によくきていて、年パスを買うほどだった
それに、2ヶ月くらい前に、一部のアトラクションがリニューアルした
...まあ人混みが苦手な上に、一緒に来る友達がいなかったせいで、なかなか来れなかったんだけどね
というかさ、真尋は大丈夫なのかな...?
確かホラー系は苦手だったはずなんだけど
「ほら、お兄ちゃん手繋ぐよ?」
「え"...流石に一人で歩けるってば!」
「ええー、だって周りこんなに人いるのに大丈夫なの?それに今のお兄ちゃんちっちゃいから、すぐ迷子になると思うよ?」
「うぅ...え??」
「なら、こうすればいいだろう?」
「ちょっ、お父さん⁈」
「あっ!ずるい!私もしてあげたかったのに...」
「あぅ...はずかしいから...ゃめて」
「それは無理な相談だな。こんな可愛い天使を狙う輩がいるかもしれないからな。今日だけはせめて、お父さんを頼ってくれていいんだぞ」
「.....」
そう、何を隠そう、今のボクはお父さんに抱っこされている
それも軽々と
恥ずかしくて気づいていないけど、周りからは生暖かい目線を送られていた
ボクは恥ずかしすぎて若干涙目になりながら、顔を真っ赤にして俯いてプルプル震えている
両手に花の状況だった時よりも滅茶苦茶恥ずかしい
もう遊園地なんてどうでも...よくないけど、おろしてほしい!
「ぉ...おろして」
「さ!まずはどこから行く?」
「うぅ...今日くらいはお父さんに譲ってあげるとするよ...」
あ、だめだ
2人ともボクの話聞いてないや
入り口に向けて歩き始めていた、お父さんに対しては、すでに若干の諦めが入っていて、そのまま、お父さんの首に片手を回して、落とされないように少しだけ支えた
「最初は...ジェーっとコースター行きたい...」
「よしわかった!それじゃ行くぞ!」
...まあ、自分で歩かなくて済むのは...楽なんだけどね?
ーーーーーーーーーー
あとがき
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