第11話

「お話しするために、場所を移してもよいですか?」


「っ!ぶざけんな!大切なクラスメイトの死体放置しろと?せめて丁寧に弔ってからだ!」


「.....わかりました。ですが、申し訳ありませんが、場内で弔えるのはこの国の兵士の墓のみになりますが、それでもよろしいですか?」


「.....ああ、そこへまずは連れていけ」


「.....はい(チッ)」


おお、怖い怖い


他の奴らには聞こえない程度だけど、レベルが上がったおかげで、基本的な身体能力も上がったからその舌打ちも聞こえちゃうんだよなあ


――――――

――――

――


「ごめんな。ヒデ、こんな場所に来て殺されてここ埋められるなんて.....」


はあ、演技くさ


別にそんなに仲良くなかっただろ


ま、これでだるい弔いは終わったし、やっと話が進むのかな?


「弔いは済みましたか?」


「.....あんたはそれでも人か?あんたが呼び出したせいで、仲間が死んで、なんでそんな淡白でいられるんだよ!」


「では、あなたが、目の前で知らない人が殺されていたら弔いますか?」


「っ、それは.....」


ぷぷっ


「確かにあなた方を呼び出し、警備をおろそかにしたことは謝ります。ですがほとんど初対面なうえ、私はこれでも一国の王女です。あまり慣れたくはないですが、戦争で人の死なんてたくさん見てきました」


「.....」


「落ち着きましたね?では、今の状況と今後について話したいのでついてきてもらいますね」


「.....はい」


クラスのまとめ役の渚 陸翔が頷けばほかのみんなも必然的に頷く


――――――

――――

――


所変わって、広めの会議室


「では、これから、今の皆さんの状況について話させていただきます」


……


はあ、よくもまあ、そんなウソがペラペラ出てくるものだな


曰く、


今この国は他国から侵略に遭っているから、召喚勇者の力を借りて押し返したい


とか


この国は超大国でほかの国が嫉妬して、この国の技術や人材を奪おうと手を組んでいる


とか


ボクたちが目覚める直前に、何者かに警備隊が全滅させられ、その隙に入られたが、この国の兵士たちが追い返した


とかね


もうね、自信満々でこれを言ってた時の王女の顔すごかったよ


「勇者って、魔王を倒すための者じゃないのか?」


とか言った誰かの質問に対しては.....


「あなた方の世界での勇者がどのような者かは知りませんが、この世界での勇者は、『勇敢なる者』。つまり、負の感情にとらわれることなく、人々を守る人のための称号です。後ほど皆さんのスキルを確認いたしますが、スキルの【勇者】は魔王が現れた際に魔王に対しては多大な効果を発揮しますが、ほかのことに関しては、ステータスが上がりやすく、魔物に強い【元素魔法・光】が使えるくらいです。」


「そ、そんな.....」


「俺のチーレム計画が.....」


とか言ってる奴いるけど


そもそも君たち奴隷だよ?


まあ、指輪のことに触れないってことは、そう命令出したのかな?

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