第9話 別視点あり

――王女アリステラside


なんなのよ!


あれは!


召喚完了した兵器どもの手綱を握るために隷属の呪いがかかった指輪を付けに行っただけなのに.....


あんな化け物がいるなんて聞いてない!


手伝ってくれた騎士たちは全員死んで、私が時間までに戻らなかったから探しに来てくれた騎士に介抱されなければ、あのままあそこで腰が抜けていたわ


早くお父様たちにこのことを知らせなければ


今までの召喚した勇者の名前からして、恐らくアレは召喚した勇者じゃないはず


魔術師団長も召喚された後はしばらく目を覚まさないって言ってたし...


もうほんと散々よ!


――――――

――――

――


「なに?それは本当か?」


「はい...本当でございます、お父様。私が不甲斐ないばかり申し訳ありません」


「謝罪は今はよい。それよりも、アルギロス・スフェテリスとやらの話だ。戦いの面からして、そなたたちはどう思う?」


「はい。魔術の面からみて、気配察知や魔力察知にかからず、我々の騎士にばれずに近づいて、殺すのは不可能かと。そんな魔法はありませんし、そもそも魔法を使った時点で、魔力察知にかかるはずです」


「うむ。騎士団長のほうからは?」


「先ほど遺体を確認させていただきましたが、すべて首を綺麗に刈り取られていました。よほど鋭利な剣ではない限りあれほどきれいに刈り取るなど不可能でしょう」


「そうか...まだわからないことばかりだ。さて、どうするか.....」


「あの...」


「どうしたんだ?」


「そもそも、あの部屋は我々上層部の一部しか知らないはずです。それなのにどうやって...」


「わからん!わからんことばかりだ。とりあえずお主らはあやつの情報を集めろ!」


「「はっ!」」


「こんなことが他国に露呈でもすれば...」


「お父様、そのことにならないよう、今回の兵器召喚を知っている者に指輪で緘口令を敷いておきます」


「うむ。頼んだ。それと元来の計画通り、兵器の育成も頼んだぞ」


「かしこまりました」


――――――

――――

――


やっと自室に戻ってこれたわ


相も変わらず、お父様たちと話すのは大変ね


私も私の仕事を頑張ら部下に押し付けなければね!

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