12/25

 僕は体を起こした。日はすでに頂点を過ぎていて、時計には14時と書かれていた。つまり、寝すぎたのだろう。そこで、僕は寝る前のことを思い出し…瞬間恥ずかしくなってまた悶てしまった。

 …とりあえず、今日また話をすることになっているから、それまでは何も考えないでおこう。と考えながら僕は今日という日を過ごすことにするのだった。

 時刻はもうすぐ21時を迎える頃なのだが、何一つ連絡が来ない。

 …やっぱりここは告白した側である僕が責任を持って連絡をするべきだろう。そして僕は、恥ずかしさをこらえながら、チャット画面を開く。話の一部が通話だったせいで開いた瞬間告白した文章が目に入り、また悶そうになったが、呼吸を整え、僕は画面に指を滑らせ、送信ボタンを押した

『昨日の話の続きそろそろします?』

 我ながらゴミみたいな一文だと思う。しかし、平常心を保つことさえ難しい会話なのだ。拙い文章だけど許してくれ。と心のなかで言い訳を並べていると、

『話すかーw』

 若干の安堵と恐怖、それに勝る幸福感。感情がゴチャゴチャになったせいで一瞬にして気分がハイになってしまった。

『話すと言ってもどうします?』

『その前にその敬語口調を一旦やめないw?』

 言われた後に自分が敬語でチャットを打っていることに気づいた

『すまん、無意識になってたわw』

『なら良しw

 昨日のやつで気まずくなるとかはやめてよw』

『ならんから安心しといてw』

 こうやってチャットしているときのこの感情は一体何なのだろうか。安心感とか、幸福感とかとはまた違った感覚なんだけど、言葉にできないんだよな

『とりあえず、まずは決めるべきことを決めようw』

『だなw

 そのためだしw』

 既に顔が熱くなっているのを実感しているが、知らないふりをしておく。

『じゃあ、まずはじめにこのままチャットで話すか通話するか決めようかw』

『そこからw?

 普通にチャットでいいんじゃないw?』

『えっとね〜。実は昨日の通話が思ったより面白くて楽しかったからまたやりたかったんだけどどうかな?』

『あ~ねw』

 納得の意見ではあるのだが、

『確かに楽しかったけど今日もやったら途中で悶えて死んじゃいそうw』

『確かにw

 昨日のあれも深夜テンションだったからやったようなものだもんねw』

『そうそうw

 というわけで今日はチャットにしないw?』

『しょうがないw

 今日はそうしようw』

 そして、遂に本題に入ることとなった。

『じゃあ本題に入るけど、昨日の話を一回整理しようかw』

『だねw

 整理すると、昨日の夜に僕が告白して、それをオーケーした。これで大丈夫w?』

『うんw』

 改めて昨日のことを整理してみると気付いたことがあった。

『あれw?

 これ話終わったくねw?』

『それは私も思ったw

 思ってた以上に簡潔にまとまっちゃったw』

 しっかり準備したのにこの程度で終わるとは全く思わなかったな。と考えていると

『とりあえず、私達はこれから恋人同士ってことでオーケーw?』

『オーケーw』

『じゃあさ、明日デートしないw?』

 いきなり過ぎて平常心を保つために飲んでいたコーヒーを思い切りぶちまけてしまった。

『いきなりすぎるやろw

 流石にビビったわw』

『やっぱやめとくw?』

『いや、行こうw』

 もはやノリと勢いで決まったようなもんだけど、初デートが決定した

『じゃあ今から明日どこ行くか決めないw?』

『いいねw

 楽しそうw』

 こうして、僕らは初デートに行くことが決定し、デート先を決めるために結局3時間ほど通話するのだった…



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る