嫉妬と一緒に騎乗する

 ここは一年F組の教室。

 ハルリア以外の生徒は、パルキアから戦術について学んでいた。

 黒板のような板にパルキアは、本に記載されている通り書いていく。

 それをみて生徒は紙に写している。

 その後、授業終了の鐘が鳴った。

 授業が終わりパルキアは、挨拶をしたあと教室をでる。

 それを確認すると生徒たちは、各々仲の良い友人と話し始めた。


 そんな中マルルゼノファは、ポツンと一人だけ机に寄りかかり考えごとをしている。

 因みにセリアーナとシャルルカーナは、女性同士で話をしていた。


(ハルリアさんだけが、別メニューの授業。それも乗馬って……乗れなかったのか? まあ、ハルリアさんなら簡単にクリアしてくるだろう。

 だけどパルキア先生の話だと……あのカールディグス、先生が教えているって言っていた。なんでアイツなんだ?

 ……知り合いってことでなのかもしれないが、納得いかない!)


 そう思いマルルゼノファは、ムッとしている。



 ――場所は移り、乗馬コース――


 あれからハルリアは、カールディグスから乗り方を教えてもらっていた。

 ハルリアは乗り方を教わったあと一人で騎乗してみる。だが、なぜか落馬してしまった。

 それをみてカールディグスは呆れている。


「ハルリア嬢、どうやったらそんなに綺麗な落ち方ができるんですか!?」


 そう言いながらカールディグスは、ハルリアに駆け寄った。


「ハハハ……なんでだろうな」


 ハルリアはそう言うと、土埃を落としながら立ち上がる。


「ハァー……じゃあ僕が一緒に乗りますので、ちゃんと覚えてください」

「悪い……助かる」


 そう言いハルリアは苦笑した。

 その後、先にカールディグスが乗る。……だが、なぜかハルリオフは不満そうにしていた。

 そのあとからハルリアは、カールディグスの手を借り跨る。……ハルリオフの機嫌は、少し良くなったようだ。


「じゃあ、動かしますよ」


 そう言いカールディグスは、手綱を操作しハルリオフに指示をだした。

 するとハルリオフは、ゆっくりと動きだす。


「おお、カール……大人しく歩いている」

「ええ、じゃあ徐々にスピードを上げますよ」


 それを聞きハルリアは、コクッと頷いた。

 それを確認するとカールディグスは、速さを上げる。


(……これが彼女ならいいんだけどなぁ。……って、一緒にいるせいか思考が似てきてる。気をつけよう……)


 そう思いカールディグスは苦笑いをした。


(んー……カールは、どこで習ったんだ? そういえばカールもだが、ルミカやメイミルにパルキアの素性を詳しく知らないんだった。

 まぁここの所、色々な任務が重なったから仕方ないか)……いや、そういう問題じゃないと思いますが。


 そうハルリアが考えているうちに乗馬コースを一周する。

 そしてその後もハルリアは、カールディグスに手取り足取り教わっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る