30行目-40行目 異心伝心

あの日、君を幻滅させたから僕は空中飛行の計画から外された また本屋の前


明かりは点いてる 自動ドアも動く 僕は客だから入店できる深夜零時過ぎでも


『家出マニュアル』の続きを読んだ 優秀な追手は忘れた頃にやってくる


狛犬のような面をつけた警官が窓ガラス越しに見えた 温和で邪悪な目が見えた


近くには下りのエスカレーター 持久走を歩いていた僕に何ができるというのだろう


都営地下鉄大江戸線より長い時間をかけて着いたのは本屋の地下フロア ではなく海


長い夢を見ていると海岸線を象がのっそり歩いているのも自然に思えうわなんだこれ


どの段階で寝落ちたのかわからないけど、象に乗って手を振っているのは君だよね?


僕は声を出せなかった 君も口元でバッテンを作った 海の魔女に会話を封じられた


君が大人にならなくて本当に良かった あの葬式でちゃんと祝えなくてごめん

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