第26話 宝くじ当選

「久しぶりだなぁ……おいおい、そんな顔するなよ。わざわざ会いに来てやったんじゃないか。実は親戚だったんだよ」

「……俺はお前になんか、会いたくない」


 俺が背を向けて逃げようとすると、もう一人の男に道を塞がれた。


 それどころか……大勢の人間が俺を取り囲んでいた。


 どうやら逃げられる状況ではないようだ。


 男たちがそれぞれ凶器を持って、


「へっへっへ……どうした逃げるのか? 実は親戚だったんだ」

「逃さねぇけどなぁ……お前は金づるなんだよ、実は親戚だったんだ」

「実は親戚だったんだ……悪いねぇ。この場で死んでくれよ」


 俺はため息を1つはいて、


「こんな人数で、俺を止められるとでも? 舐められたもんだね」

「実は親戚だったんだ……お前の力は知ってる。だから……切り札を持ってきたぜ」

「ああ……こいつを見ろ……!」


 男の合図で、1人の少年が運び込まれてきた。


「人質ってことか? 悪いが、俺はその少年に見覚えなんてないぞ」

「……そうか。お前は知らないんだよなぁ……」

「なにを知らないんだ……?」


 男は少年の首にナイフを突きつけ、言った。


「教えてやろう……このガキは……お前の、親戚だったんだよ……!」

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