第6話 シモネタ注意

 傭兵が酒場に入るなり、依頼主が不機嫌そうに言った。


「おいおい……あんたの仕事は俺を守ることだろう? なに外でブラブラしててんだよ、ち◯ち◯」

「……あんたを守るための準備が必要だったんだ」傭兵ち◯ち◯は渋い声で、「安心しろ。あんたの身の安全は保証する」

「それならいいんだけどよ……肝心なときにビビって縮こまるなよ? ち◯ち◯」

「心配はいらないといっただろう?」


 その葉柄の迫力に、依頼主は満足そうにうなずいた。やはり自分の雇った傭兵の腕は確かなものだと、確信を得たようだった。


 依頼主は傭兵に酒を一杯奢って、


「お前さん……この辺の者じゃないよな? 何者なんだ?」

「……」

「わかったよ。傭兵に素性を聞いた俺がバカだった。問題なのは実力だけで、素性は関係ないってんだろ?」

「そういうことだ」


 ぶっきらぼうな用心棒に、依頼主はため息とともに言った。


「まったく……ち◯ち◯の扱いは難しいねぇ……」

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