第40話 刀聖サンクレイド

サンクレイドが指定してきたのは彼女の和装とは異なり、もう少し華やかな雰囲気のある装いの女性が働くお店だった。

サンクレイドに呼び出されたことをお店の人に告げると、彼女の待つ部屋へと案内してくれた。店の中に入る時は履物を脱ぐように言われたのでその通りにする。木の板が敷きつめられた床から足の裏へと伝わる感じがとても不思議だ。


「来てくれて嬉しいでござるよ。まずは一緒に食事をするでござる。女将、よろしく頼むでござる。」


部屋は畳というのが敷かれていて、その上に置かれた脚の無い椅子に座っているサンクレイドがいた。

初めて見る部屋の造りだが彼女の雰囲気と見事に調和していた。部屋の中から見える庭も宵闇迫る中に仄かな灯りが風情を感じさせる。

促されてサンクレイドの向かいに座る。床に座るというのには慣れていなかったが、座布団の座り心地は悪くなかった。

ここはサンクレイドのお気に入りの店とのこと。フォルティスに来た時には毎回のように訪れているそうだ。


「是非、カナタと一緒に食べたくなったのでござる。個室の空きがあったので早速抑えてカナタに連絡したというわけでござる。」


早速、何か運ばれてきた。透き通った小さな器に入っているのは鮮やかな赤い色の液体だった。

なんだろう。赤い飲み物って珍しいよね。


「ぐいっと飲むでござるよ。」


そう言うと器を口に運び一気に飲み干すので、倣ってやってみる。

鮮やかな赤からは想像しなかった繊細で複雑な味わいが口の中いっぱいに広がった。

赤が何から出てるか気になったので聞いてみた。


「スッポンの血でござる。滋養強壮に良いという話でござる。」


へー。血なんだ。ちょっと驚いたが体に良いものならいいか。スッポンって初めて聞いたかも。

今度は皿が運ばれてきた。野菜の煮物や素揚げ、貝を蒸したものが盛られているようだ。

どれも味付けが繊細だ。エクセラの料理とは全く方向性が違うが、こっちはこっちですごく美味しい。


「ミースにはそんな腕のいい料理人の「捧げる者」がいるのでござるか。拙者も一度食べてみたいでござるな。」


機会があればいつでもご案内しますよ。

なんとなく女装での初体験相手だということは伏せておいた。ほら、なんとなく、ね。


次に来たのは刺盛というものだった。

火を通していない生の状態の肉や魚を食べたことが無いわけではないが、ここまで露骨に生のものが並んでいると少し怯んでしまう。


「歯応えがあってコリコリしていて美味いでござるよ。」


思い切って口にしてみると言われた通りだった。癖になりそうなコリコリとした歯応えがいつまでも顎に残っている感じがする。味も生姜醤油ってのが合っててとても美味しいです。

これもスッポンらしい。ふーん、これも滋養強壮にいいのかな。


「それもあるでござるが、…良い仲の男女がする前に共に食することがよくあるという話でござったので試してみたかったのでござる。」


言われてみると何やら体が熱くなってきている気がする。あっちも元気になっちゃったりするのだろうか。

まあ、ここまで来たらどうにでもなれという感じだ。

この後も、スッポンの茶わん蒸し、スッポンの揚げ物、スッポン鍋と出てきて美味しくいただきました。


「この後もどうぞごゆっくり。」


食べ終わった皿をお店の人が下げると一声かけられて襖が閉められた。

この頃には体はぽかぽかですよ。


「…さて、それでは隣の部屋に移るでござるよ。」


サンクレイドが隣の部屋に続く襖を開けるとそこには薄明りの中に既に布団が敷かれていた。

あらまあ、用意のいいことで。じたばたしてもしょうがないので一緒に隣の部屋に移ると部屋の庭の方にはお風呂までついていた。


「一緒に…入るでござるよ。」


そう言うと自分の服を脱ぎ始める。庭の方から差し込む月明かりの中に美しい肢体が浮かび上がって見惚れてしまう。


「そんなに食い入るように見られては少し恥ずかしいでござる。」


素早く体に湯をかけ流すと湯船に滑り込んでしまう。


「カナタも早く入るでござる。」


手早く用意して隣に並ぶと湯で温まったのかスッポンでなのか火照った顔がこちらを向く。月の光を受けて赤みがかっているのがよく分かる。

どちらからともなく顔を近づけて唇を重ねる。すぐに舌が絡み合い甘い吐息が漏れ始める。


「あっ…はぁ…はぁんっ…」


口だけの接触に我慢できなくなって抱きついてくるとお湯よりも体の熱さを強く感じるぐらいだ。

お湯で浮力を得た膨らみが僕の胸で押し潰されてはお湯を跳ねさせる。それが気持ちいいのか舌を絡めながら体を押し付けてくる。次第に先端の突起も硬さを増してくるのが伝わる。

空いてる手で腰を抱き寄せて背中を下から撫で上げると体を震わせてさらに強く抱きついてくる。


「カラダが…アソコが…熱い…でござる…」


割れ目に手を伸ばすとお湯の中でも分かるぐらい温かく粘りのあるものが溢れていた。そっちでも硬くなりつつあるものがあるので優しく擦ってやると一気に硬くなっていく。


「ああっ!…すごいのだ…どんどん…溢れてくる…止められない…でござる…」


体を不規則に小刻みに震わせながらも必死にしがみついて僕の指から得られる刺激を受け続けようとする。要望に応えて片腕でしっかりと腰を固定して一定の刺激を与え続けてやる。


「くる…はぁっ…すごいのが来る、来ちゃう、来ちゃう、来ちゃう、あああ~~~~」


絶叫するとぐったりと僕にしなだれてくるが力はまだ手放していない。

しばらく息も絶え絶えにしていたが気を取り直し湯船の縁に手をついてお尻を突き出して懇願してくる。


「まだ…熱いのだ…奥が…熱いのだ…どうにかしてほしいでござる…」


奥なんですね。いきますよ。

形のいいお尻を掴むといつもより大きいと錯覚するそれを一気に突き立てる。


「はあああっ!…いいっ!…あっダメだ、動いてはダメでござる…来ちゃうから、ああん…くぅっ…」


言われた通りに僕は動いていないが、サンクレイドが身を捩るので当たるところが変わってさらに身を捩る。


「…熱くて…もう入っていられないでござる…後は…布団の上で…」


既にいろいろな刺激でぐったり気味のサンクレイドのカラダを拭いてやると更なる刺激に喘ぎ声も大きくなり溢れる蜜も多くなる。


「あんっ…はうっ…ああん…」


僕も体を拭いてサンクレイドを抱きかかえて布団の上に横たえてあげる。


「…気を失うぐらい…いや、気を失っても突きまくって…ほしいでござる…」


いいですよ。お望みのままに。僕が鎮まるまで付き合ってもらいますよ。

入り口にあてがうとそれだけで大量の蜜が溢れ出す。


「めちゃくちゃにして…」


スッポンの力ってすごいんだな。


◇◆◇


一突きするごとに激しく反応するのでスッポンってやばいと思っていたがそれだけではなかったようだ。

そう、賢明な方はお気づきだろうが「正確無比」が仕事をしていたみたいだ。試しに発動させた時に気力を100も注ぎ込んでしまっていて、余裕で行為中も効果が継続していたという訳だ。おかげでサンクレイドはメロメロメロンだ。


「もうカナタなしでは生きていけないカラダにされてしまったでござる。」


あれだけイカせまくられてはそうかもしれない。ピーがピーでピーピーピーなんだもの。本当に申し訳ないと思っています。

「正確無比」のこっち方面での正確無比さに驚くやら呆れるやらです。


「責任取ってほしいでござる。」


具体的にどうすればいいですか。


「正直、思い出すだけでも体の芯が疼いてくるでござる。できる限り心頭滅却して耐えてはみるでござるが、どうしても耐えられなくなった時は拙者も精一杯奉仕するから鎮めてほしいでござる。」


うーん、そう来たか。しばらくはしょうがないか。

「正確無比」なしで精一杯やって普通に戻してあげないとね。「正確無比」ありきになると性奴隷まっしぐらになりかねないからね。今日のはスッポンの所為ということで誤魔化してしまおう。


今日の教訓。する前に確認しよう「正確無比」の解除。

そもそも解除って出来るんだろうか。それも確認しないとな。

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