第28話 恥ずかしがりお姉さん

僕は羽箒で恥ずかしがりお姉さんの左腕前腕部を撫でるように動かしてみる。


「ふふっ、結構くすぐったいものだな。」


言いつつも腕を引こうとはせずに頑張って耐えている。ならばと他人にあまり触られることがない二の腕の内側へと侵攻を開始する。


「ひゃっ、そこは更にくすぐったいのだ。くうっ。」


身を捩るがここでも僕から距離を取ることはせずに踏ん張っている。顔に赤みが差しながらも恥ずかしがりお姉さんなりに克服しようと頑張っているのかもしれない。さてさて、次はどこへ侵攻しようか。恥ずかしがりのくせにお肌の露出は多めなので攻める場所には事欠かない。首元も大きく開いているし、足もほぼ剥き出しのショートパンツだ。ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な、上にした。

耳周りを羽箒で撫でまわすと、恥ずかしがりお姉さんの口から甘い吐息が漏れ始める。


「はあん…んんっ…。」


「プリムほどの美人が悶えるとこんなに淫靡になるのじゃ。妾もちょっと興奮してきたのじゃ。」


「このプリムの顔だけでお酒が美味しい系~。」


そうですね、この声だけでもご飯が進みます。でも、見た目で言えば皆さんも負けてませんよ。先程は業務的に容赦なくイッていただきましたが、時間のある時でしたらお一人ずつじっくり堪能させていただきたかったくらいです。

そろそろ羽箒には慣れたみたいだ、ということで直に触れることに挑んでみよう。羽箒を使いながら腕を肩や背中にそれとなく当ててみるが、羽箒に意識が行っているせいなのか特に反応はない。ならばと、顔の前を通して僕の左腕を伸ばし、反対側の首を攻めながら胸が腕に当たるようにしてみる。


「…くっ…あん…ふぁっ!」


最後のは、腕や羽箒から少しだけ逃げるように身を捩って顔が僕に近づいたので調子に乗って耳を甘噛みしたためだ。甘噛みを続けていると耐えかねたのか膝が崩れ落ちる。


「なんか変なのだ。…耳は力が抜ける…はぁ…はぁ…それに…体が熱いのだ。」


「そのまま身を委ねるにゃ。うちもむしゃぶりつきたくなってきたにゃ。」


確かに顔のみならず体全体に赤みが増している。ちょっと放心していそうなので、ここは一気呵成にいこう。思い切って彼女の顔を僕に向かせて唇を重ねた。


「んんっ!」


恥ずかしがりお姉さんのカラダが一瞬跳ね上がったが、半ば混乱しながらも拒絶されることはなかった。目も一旦は見開いたもののその後は潤みを帯びた感じを経由し今は目を閉じて唇の感触に集中しているようでもある。


「おおっ!これはいけるぞ。いけっ、やってしまえっ。」


冷静お姉さんがちょっと取り乱している。ちょっと落ち着きましょうね。

僕は恥ずかしがりお姉さんを抱き寄せると唇の間に舌を滑り込ませるが、これも素直に受け入れられた。


「…んっ…あっ…むぅ…。」


その内、受け入れるだけでなく恥ずかしがりお姉さんの舌が僕の舌を追い求めて動き始める。僕が舌を引くと追いかけてくるのでその舌を吸い上げると堪らずなのかお姉さんから抱き着いてきた。


「…はぁ…はぁ…なんだこれは…頭が蕩けて変なのだ…でも…もっとしてほしいのだ…。」


潤んだ瞳でそんなことを言われては否はありません。優しく、時に強くキスを交わす。更にお姉さんの大きく開いていた胸元から柔らかな膨らみに手を伸ばす。ここでも一瞬大きく体が反応したが拒絶されることはなかった。


「んっ…。」


気が付けば無口お姉さんが潤んだ瞳で僕たちの行為を眺めながら自慰を始めていた。グレートですよこいつはァ。

一方の恥ずかしがりお姉さんの反応はうなぎ登りです。僕の手の動きに身をくねらせては甘い吐息が漏れ続ける中で僕の唇をも逃がすまいと求め続けてくる。


「…なんだか妾も熱くなってしまったのじゃ。ユイ、一緒にどうじゃ。」


「はうぅ。うちも混ぜてほしいにゃ。せつないにゃ。」


「ん。」


とうとう三人で始めてしまった。十英傑って人目を憚らない淫乱の集まりなのか。

恥ずかしがりお姉さんは積極的になってきたのでいよいよ最後の砦を攻めにいこうか。ショートパンツの釦を外して下着の中へ手を潜り込ませるとお姉さんは僕にしがみついてきて僕が手を動かしやすいようになのか腰を浮かせている。


「…そこは…くうっ…ダメだ…でも、やめては…あん…ダメなのだ…頭がぼーっとして…ああん…」


熱を帯びた中心部に指を這わせるとそこには十分な湿り気があった。手前をちょっと擦りあげると更にお姉さんのカラダがビクンビクンと激しく反応する。


「はあっ…んっ…あっ…ああっ…そのまま……いいっ……はああっ……くうっ……ああああ~~~。」


こうしてめでたくお姉さんは力を僕に渡してイッてしまわれた。僕にしな垂れかかりながら時折カラダを震えさせている。息を整えながらお姉さんが僕に問いかける。


「ところで…なぜ「統べる者」が…二人いるのだ?…お前と…さっきの少年は…どういう関係なのだ?」


恥ずかしがりお姉さんは僕が「統べる者」であることは認識はできていたが化けていたせいで同一人物とは思わなかったようだ。本当にこの認識の仕組みは一体どうなっているのやら。


「プリム、まぎれもなく其奴が先程の「統べる者」だ。無事に力を渡せたようで良かったじゃないか。」


「サンクは何を言っているのだ。自分の目の前にいるのは女の子だ。さっきまでいた「統べる者」はちゃんと…ついていたではないか。どう見ても男だったではないか。見ろ、娘も変なことを言われて黙り込んでしまったではないか。」


「なら確かめてみるといい。」


「済まぬの。娘についているわけが……。」


申し訳なさそうに僕の股間に手を伸ばしてきた恥ずかしがりお姉さんが固まった。

軋む音がしそうなくらいギクシャクした動きで股間からの視線を上げると、まじまじと僕の顔を見てくる。目が点になってますよー。

次の瞬間、燃える音が聞こえそうなくらいの勢いで顔を赤らめた恥ずかしがりお姉さんは気を失った。

お姉さんが頭を打たないように優しく抱きとめて横たえると、乳繰り合ってた妖艶お姉さん、猫お姉さん、無口お姉さんに加えてお酒お姉さんも近寄ってきて僕をしげしげと見る。


「大したものじゃ。全然気が付かなかったのじゃ。化粧は自分でしたのかえ。」


やっぱり「紫」になってしまうと初対面の時みたいな感覚はなくなってしまうんだね。不思議だ。

お化粧はエクセラとしている内に覚えてしまったというか、化粧しているところを襲いたいから覚えさせられたというか。


「男の子も良かったけど女の子でもしてほしいにゃ。」


猫お姉さんは欲望に忠実だ。


「ん。」


だから無遠慮に股間を擦らないでください。そして満足気に親指立てるのはどういう意味なのでしょう。


「ツヴァイクに見られたら襲われるさ。気を付けるといいさ。」


お酒お姉さんが忠告してくれる。ツヴァイクってたしかイケメンのお兄さんだよね。え、男でもいけちゃうのかぁ。


「「統べる者」は女を抱くためなら女にも化ける変態野郎だったのー。その上、7人イカせるのに一時間かけないクソ野郎なのー。」


なんて酷い言われようだ。男には触らせないし触れないというから奥の手を使ったというのに。それに夜通し搾り取られたらその後の話を始めるにも更に時間がかかるでしょうが。皆さんの方が大人なんだから優先すべきことがお分かりなのでは。

それといい加減に僕のことを名前で呼んでほしいです。


「機転を利かせてくれて助かった。これで「始めの十人」全員が力を渡せたことだし、これでこの世界は救われるのだな。」


「「統べる者」は何も覚えていないポンコツなのー。いろいろと話し合う必要があるのー。取り敢えずやろー達を呼び戻すのー。」


「何も覚えていないとはどういうことだ。「大いなる存在」はどういうつもりなのだ。ちゃんと聞かせてくれ。」


あ、えーと、そのー、ははは…ちょっと化粧を落としてきます。取り敢えず逃げた。


「逃がさないにゃ。」


しかしまわりこまれてしまった。

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