第23話 サヨナラの代わりに
まったく油断も隙もありはしない。ディスマルクさんは見かけによらず性欲旺盛すぎる。そして僕よりステータスが高いので抗う術がない。それを利用してくるフィオレンティーナさんは策士だ。
「早速、
あ、明日はライラが防具を取りに来いって言ってた日だし、受け取ってからにしようかな。
それにミースを離れるならミリンダさんに自動二輪を返しに行かないとな。
そうだな、今日明日でお世話になった人たちに一度挨拶しに行こう。
「かしこまりました。
そんなつもりはないですから。直接会ってお礼を言いたい人がいるのは事実だ。
ミースに来て十日ほどしか経っていないのに随分いろんなことがあったもんだ。
「明日の18時に
えー、8P確定ですか。ディスマルクさんが勝手に言ってるだけですよね。他の十英傑はそんなの嫌な人もいますよね。
「十数年貯めた性欲を甘く見たらだめなのー。「捧げる者」の大義名分があるから逃がさないのー。」
まじですか。体がもつか心配になってきた。せめて、一人ずつになるように悪足掻きするとしよう。
ということで、ディスマルクさん達と別れて街に出た。
最初に向かったのはミリンダのところだ。向かいながらディスマルクさんに言われたことを思い返す。
突飛な話ではあるが、これまでのことと見事に符号していて出鱈目とはとても思えない。ただ、そうなると問題なのは「始めの十人」である十英傑には記憶というか使命がはっきりしているのに、肝心の「統べる者」である僕には何の自覚もないことだ。どうすれば魔王を倒せるのか、「
ミリンダさんはまだお昼なので素敵なお姉さん達が踊るお店ではなく、車両を貸し出してる方のお店にいるのでそっちに到着する。露出が少ない方で助かったと勝手に思っていたけど、実際のところは結構際どい服装だった。ていうか、何で店先で日光浴してるのさ。
「あら、カナタ君じゃない。私をイカせに来てくれたのね、嬉しいわあ。」
ごめんなさい。違います。
ミースをちょっと離れることになりそうなので自動二輪をお返しに来ました。移動が便利で本当に助かりました。ありがとうございました。
「こちらこそおかげで随分儲けさせてもらっているわ。ちょっと前の三人の女の子を引きずり回していたのとか、勇者と爆走してたのとかとっても目立っていたみたいで借りたい人が大いに増えて助かってるわ。」
実際に停まっている台数は借りた時に比べてすごく少ない。そう言えば来るときもちらほら見かけたような気がする。悪目立ちでも宣伝になったのなら良かったです。でも引きずり回したことになってるみたいですけど、それ誤解ですからね。
「宣伝がうまくいったお礼と武豪になったお祝いにそれあげちゃうわ。おまけで私ももらってくれると嬉しいわ。」
相変わらずの悩殺目配せが飛んでくる。
えー、どっちともいただくのは大変申し訳ないんですけど。
一応、簡単に「統べる者」と「捧げる者」のことを説明しておく。
「なら余計に君の力にならないとダメじゃない。まだ燃料の魔石は残っているみたいだけど大きいの入れておくわね。」
自動二輪の燃料を確認して自分の
「それじゃあ次は私にカナタ君の大きくしたのを入れてね。」
素早く寄り添ってきて耳元で囁くと僕の手を引いて店の奥に連れていく。
「私、こんなだけど初めてだからじっくり慣らし運転してね。カナタ君のカタチになるくらいにいっぱいいっぱいしてね。」
ここにも初めての方がいらっしゃいました。あんなに大胆に露出させて人前で踊りまくってたのに。逆にああして発散させてたりするのかな。
僕を抱き寄せながら長椅子に横たわり唇を重ねてくる。
「さあ、隅から隅まで点検してね。あぁ、もう潤滑油が溢れてきちゃう。」
そう言って、僕の手でしとどに溢れるものを掬わせる彼女は既に小刻みに体を震わせている。
「君に少し触られるだけですごく気持ちいいの。いっぱい触って…ああん。」
ご要望に応じて「魔眼」を発動して彼女の気持ちいい所を触ってあげると肢体をくねらせて喘ぐ姿が美しい。
この「魔眼」は片目に髑髏の眼帯をしていた「青」から力を貰った時に生やしてしまったスキルで魔物相手に使うと急所や弱点などが分かるようになるが、人間相手だとこんな使い方もできるようです。これならライラに対抗できるかも、なんて。
「いいわ、いいの…あん、すごい感じちゃう…あ~イキそう…その…まま…あ~~。」
躰をのけぞらし小刻みに痙攣すると満ち足りたように崩れ落ちる。
「とってもいいわ…。でもまだまだよ…。数えきれないくらいイカせてね…。」
彼女は最初に会った時もそうだったがイキやすい体質なんだろう。いいでしょう、とことんイカせてあげましょう。
こうして二分に一回ぐらい彼女の絶叫が響くことになる。
◇◆◇
「自動二輪の調子が悪くなったら整備するからちゃんと持って来てね。調子悪くならなくても定期的に点検しに来るんだぞ。」
ミリンダはそう言って頬にキスをし見送ってくれた。
これで自動二輪は
さて、次はどうしようか。さすがにミースの「捧げる者」全員に会いに行っている時間はない。遅い昼食を兼ねてエクセラかな。昨日の惨状を招いてくれた嫌味も言っておかないとね。なんて意気揚々と乗り込んではみたが、魔眼を駆使しても互角に渡り合うのが精一杯だった。ちなみに今日は黒のぴったりしたミニスカートを着せられてちらちら下から覗こうとしてきたり、裾だけ捲りあげてくるなどねちねちと責められてしまった。エクセラは精神的に攻めてくるのがうますぎる。十万石なまんじゅうもうますぎる。はて?
「そうか、カナタは「統べる者」で私達は「捧げる者」っていうのか。で、元々は「大いなる存在」から生み出されたと。」
一戦終えてエクセラにも一通り説明し終えたところだ。
「カナタが弟ってのもあながち間違いじゃなかったわけだ。これからも頼れる姉に存分に甘えるといい。」
そう考えると僕ってとんでもない規模で近親相姦していることになるのか。とてもいけないことをしてる気がしてきた。
「弟の下の世話をするのも姉の務めだ。私の前では妹かもしれないがな、カナタちゃん。」
えっ、普通の姉弟ってそんなことするの。僕には兄弟がいないから知らなかったけど、ニール達もしてるのか。
「冗談だ、なんか変な妄想してるみたいだからそこら辺にしておけ。」
悪い冗談はやめてくれ。悍ましい光景を想像するところだったじゃないか。
「私にできることはカナタに美味い飯を食わせることぐらいだ。そう言えば、
エクセラが言っているのは、肉屋の「青」の熟成肉を作る話をきっかけに僕が
この
「それも「統べる者」の能力の一端なんだろうな。その力で私の
そんなことできるわけが…でも同じように一部だけ切り出して共有できれば…あ、できちゃったみたい。妊娠したわけではない。僕がそれなりに仕組みを想像できれば創造できてしまうんだろうか。これが「大いなる存在」に由来する力なのか。自分で自分の能力が怖くなってきた。
ところで、さっきから何をせっせと共有の
「あは、ばれたあ?カナタが一人でも可愛くなれるようにいろいろとな。それで可愛くなったら映像を撮って送ってくれたら嬉しいな、なんて。」
ばれないわけがないだろ。美味い飯はどうした。全く頼りになる姉さんだよ。
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