第20話 ミース局長クリスティアーナ
「お二人ともおつかれさまでした。」
勇者機構の施設に戻るとフィオレンティーナさんが労いの言葉をかけてくれて飲み物を渡してくれる。
「ワタシはカナタにちっとも突かれてないけどね。」
はいはい、安定感が半端ないな。どつきまわしたろか。飲み物を口にして一息つく。
「ワタシもキスする~~~。」
そう言って、口をとがらせて寄ってくるのでのど輪して食い止める。
「カナタのワタシへの扱いがどんどん雑になってることに対して抗議するわ。」
そうは言っても、力尽くでどうにかしてこないだけ理性は残ってるようで助かっている。本気でこられたら到底太刀打ちできないので、適当なところで発散させとくことも必要だなと思い、「お手」からのよしよしでご褒美を放り投げて取りに行かせ勇者を遠ざけることに成功する。勇者は「カナタの匂いが残ってる~」とか言いながらご機嫌そうにご褒美に投げた自家製の燻製肉に頬ずりしている。燻製肉から僕の匂いを嗅ぎ取る勇者が怖いやら呆れるやら。
「それじゃあ私からもささやかなご褒美差し上げますね。」
フィオレンティーナさんが勇者から見えないように僕にキスをしてきたかと思えば、口移しでチョコレートが押し込まれてきた。彼女の舌で溶けた甘いものがはみ出して少し溢れると、やらしく舐め取られると同時に力が流れ込んでくる。
「少しは元気になれたらいいんですけど。」
さすが大人の女性の余裕と言うか色気がゾクゾクさせられます。ごちそうさまです。
「ところで
できる大人は仕事も早いです。実験って何をするか確認したところ、「青」は基本的に僕の姿を認識することで衝動が覚醒するというかそんなところがあるので、通知(メッセージ)で送られた映像でも同様に覚醒するのかを試そうということらしい。
「ですので、ミースに残っている「青」の情報をいただければこちらから
これがうまくいくと勇者機構からのお知らせということで、全世界の「青」に一斉に協力を要請できるかもしれない。ということで協力しない選択肢はないので、残っている二人の「青」を検索してみると近くに一人、西側のギルド施設あたりに一人いた。が、もう一人地下迷宮のかなり深いところにもう一人いるってことは昨日から今日の間に一人増えたようだ。取り敢えず、見えている三人の名前をフィオレンティーナさんに教えると驚きの事実が発覚した。
「近くのは勇者機構のミース局長、西側のはミースのギルド長官でしょう。地下迷宮にいるというのはもしや十英傑の一人、ディスマルク殿ではないでしょうか。」
なんという大物揃いでしょう。十英傑の一人が「青」かもしれないなんてやばばばい。「ば」が3つです!
「ディスマルク殿は本日お昼ぐらいに
ということで、僕からフィオレンティーナさんに「ご協力お願いします。」という映像を送り、フィオレンティーナさんが
「カナタさんを局長室にお連れしろ、とのことです。お願いできますでしょうか。」
夜も随分深いが会ってくれるなら断る理由はないよね。是非とも「紫」になっていただこう。
「それでは参りましょうか。勇者は…大丈夫そうですね。」
この間ずっと勇者は燻製肉をくんかくんかしていて幸せそうだ。放っておいて問題ないと思います。
建物内を3分も歩くと局長室の前まで辿り着き、フィオレンティーナさんが扉を叩いて僕たちの来訪を告げる。
中から入ってくるように促されるとフィオレンティーナさんが恭しく扉を開けてくれて僕が先に入室する。
「よく来てくれた。お初にお目にかかる、最年少武豪殿。私は勇者機構のミース局長を務めているクリスティアーナだ。よろしく頼む。」
おおっ、仕事のできる感増し増しの大人の女性だ。見事なまでに長さの揃った黒髪ショートボブがきりっとした顔つきを更に引き締めていて、それに合わせてか服装もゆったりとしたものではなくカッチリした感じのものを身に着けている。一方のフィオレンティーナさんはちょっとくすみのある灰色の髪を緩めにポニーテールにしていてたれ目の笑顔が素敵なふんわり系の美人さんだ。こうして思い返すと「青」には美形が多いな。などと考えに耽っているといつの間にか目の前にクリスティアーナさんが立っていた。
「フィオレンティーナが送ってきた君の映像を見てからというもの、この胸のときめきというか高まりというか昂ぶりというか何とも言えないこの感情はどうすればいいのだろうか。君は受け止めてくれるのだろうか。いや、是非受け取ってもらわねば困る。ということで、いただきます。」
いきなり僕の舌がクリスティアーナさんの舌に絡めとられる。
え、ちょっと待って。フィオレンティーナさんがいるのに、と思ったが彼女は止める様子もない。それどころか僕を背後から抱きしめてくる。
「局長、私がいるのにはしたないですね。でも、私もご一緒していいですか。」
「好きにするがいい。ただし、私はドMだぞ。」
「あら、奇遇ですね。私はSですが、カナタさんには以前にその真髄を発揮できませんでしたので、カナタさんを調教しつつ一緒に楽しみましょう。」
「それは願ってもない。よろしく頼んだぞ。」
あのお、僕の意志は何一つ確認されないのでしょうか。そして、クリスティアーナさんもフィオレンティーナさんも見かけとは真逆なんですね。驚愕の事実です。
「いつまで勝手にカナタさんの唇に吸い付いてるんですか。離れなさい、このメス豚さん。」
「申し訳ございませんでした、ご主人様。どうか何なりと罰をお与えください。」
何が起きているのでしょう。理解が追いつきません。
「豚は二本足で立ちませんし、服も着ませんよ。脱いで四つん這いになってご主人様に尻を突き出すのですわ。ほうら、カナタさん。無駄に大きいお尻を叩いておあげなさい。」
「ご主人様、どうぞ心ゆくまでぶってくださいませ。」
クリスティアーナさんがあっという間に服を脱いで四つん這いになり、僕に向けて高々とお尻を突き出してくる。
え、これ叩かなきゃいけないの。なんか、叩かないといけない雰囲気なのでしょうがなく弱めに叩いてみる。
「違いますわ。もっと大きな音が出るくらいにこうですわ。」
言うや、フィオレンティーナさんが僕の手を取ってかなり大きな破裂音がするくらいの強さでクリスティアーナさんのお尻を叩く。かなり痛いと思うんだけど大丈夫だろうか。
「くうっ。ご主人様、ありがとうございます。罰なのですから遠慮なく思い切り叩いてくださいね。」
痛そうではあるが、恍惚とした表情でそう言ってのけるクリスティアーナさんにちょっと引いてしまいます。
「盛りが付いたメス豚には目隠しをしてしまいましょう。カナタさんこれを。」
そう言って僕に目隠しを手渡してくるフィオレンティーナさんも普段と様相が変わってきている。
状況に流されるままクリスティアーナさんに目隠しを装着するとフィオレンティーナさんが別の道具を手渡してくる。
「今度はこれで好きなところを攻めちゃってください。こんな感じで触れるか触れないかぐらいにするのがコツですよ。」
言いながら、フィオレンティーナさんは僕の手に持たせた羽箒でクリスティアーナさんの躰を擽り始める。
クリスティアーナさんは羽箒が触れるたびに身を捩らせて切なそうな声を漏らすので室内がどんどん淫靡になっていく。
「メス豚の鳴き声を聞くのも煩わしくなってきましたね。カナタさん、猿ぐつわもお願いします。」
なんでこんなにいろいろ持ってるんだろう。転ばぬ先の杖、念には念を入れよ、備えあれば憂いなしということだろうか。
仕方なく猿ぐつわもするけど、二人とも嬉しそうでいまいちついていけてない。
「次は体の自由を奪っちゃいましょう。素人には難しいので私がやっちゃいますね。」
フィオレンティーナさんは縄を取り出すと手際よく縛り上げてしまう。クリスティアーナさんの白い肌に縄が芸術的に喰い込みなんというか美しささえ感じてしまう。
「カナタさん、ここのところを持ち上げちゃってください。」
言われた通りに持ち上げると更に躰に縄が喰い込むが、痛がるどころか愉悦に打ち震えているようだ。
「自分ばっかり気持ち良くなってるんじゃありませんよ。ご主人様にもご奉仕なさい。」
そう言って猿ぐつわを外すと下着を取ってクリスティアーナさんの顔に跨るフィオレンティーナさんは僕を引き寄せて脱がせにかかる。
「この後は、二人まとめて突き倒してくださいね。」
そして僕は途方に暮れながら倒錯の世界に足を踏み入れた。
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