第一話 迷子を見つける薬 part1

 僕は「柳楓やなぎかえで」一見女性かな?と思う名前だろうけど一応心も体も男で十五年生きてきた高校生だ。髪の色はイギリスにいるおじいちゃんの血を引いててなのか日本人には珍しい白髪なんだけどクォーターって事以外は純粋な日本男児だ。 

 あとそうだな...自分のこと語るのって難しいんだけどあと紹介しとく事と言えば家業のことかな。

『魔法雑貨店ハロー』

 森の一部を切り取ったのかと思うぐらいあらゆる植物が存在する庭に囲まれる一際異彩を放つ紫色の屋根の建物が僕の家兼店。

 日常で起こるちょっとしたトラブル解決を手助けする魔法薬だったり、おしゃれを通り越した摩訶不思議なインテリアだったりを売っている。 売上はまぁ...そこそこ?

 お母さん達がお店を開いた時は物珍しくてたくさん人が来てたみたいだけど今となっては魔法雑貨店も見慣れたものとなり大手の同業者にお株を奪われてる下町のしがないお店だ。

 そんな家の息子なだけあって僕も学校のない土日は店を手伝っている。まぁほぼお客は来ないのでいつも店内の掃除や在庫確認をしてるだけなのだが、


 カコーン


 今日は珍しくお客様がご来店したようだ。


「いらっしゃい...ませ」

 

 店員お決まりのご挨拶をしようと女性のお客様の方を見たがとても急いでいたのか着いた途端息を落ち着かせようと深呼吸して、切迫詰まったようにこちらに詰め寄ってきた。


「すいません、赤い帽子を被った5歳ぐらいの女の子来ませんでしたか?近くではぐれてしまって」


 どうやらお客様ではないようだ。

 だがここから営業するのができる店員というものだ。


「いえ見てないですね、、、ですけどお力になれるかもしれませんよ」

「と、いいますと?」

「少しお待ちください」


 僕は店の奥にある調合室に向かう。


「あら楓、お客さん?」

「おはよう母さん、ちょっと自分の子供を探してる人が来ててさ、その人用に薬作ってくるから店見ててくれる?あと出来たらその子の大まかな位置調べといてくれると助かる」

「今夜シチューが食べたいな~」

「くっ、そういや今日の当番僕かぁ、、、わかったよ作るからお願い」

「やったー!お母さんにまっかせなさ~い」

 

 母にごねられつつも調合室につき、必要な素材を棚からかき集め調合台の前に並べ、腕を捲る。


 「よし、始めようか」






 







 





 



 

 

 




 

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