第109話


「凄い音がしたやつだね。あれはビックリしたよ」


「お家がね、ぐらっとした」「かみなりが落っこちたと思った」「とってもビックリした」


 勢いよくぶつかったからなルナ。


 かなりの衝撃があったみたいだ。


 ケガをしなくて本当に良かったよ。



「それです! それ私です! ごめんなさい! 」


「どれ、ちょっと見てみようか」


 エミールおじさんが外壁の方に行き、状態を確かめる。



「うーん。……あ! これ……かな? 」


「僕も見るー。……ほんとだ、ちょっとへっこんでる」


「ほんとだ! ルナお姉ちゃん、痛くなかった? 」


 女の子がルナのおでこを撫でている。



「いたいのいたいの、とんでけ~! ……はい、これでだいじょうぶ! 」


「……うん、本当だ! もう大丈夫だ! 全然痛くないよ。ありがとね」


 やっぱり凹んでいたみたいだな、外壁。


 近づいて見ると、ルナの顔の高さに凹みがある。


 昨日は暗かったからよくわからなかったけど、今ならわかる。



「なんだいこれくらい。ルナちゃん、気にしなくていいよ」


「でも……」


 アンリおばさんがいくら「いいよ」と言ってくれていても、家を傷つけてしまった事は事実だ。


 ルナは、申し訳なさそうに頭を下げ続けている。

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