第99話


「はい、行ってきます。本当に今まで、お世話に……」


「いいんだよ、そんな事は。私たちは家族じゃないか」


「そうそう、子供が変に気を遣うもんじゃないよ」


 俺が頭を下げ様とした時、おばさんとおじさんがそれをさえぎった。


”私たちは家族”それを聞いて嬉しくて、少し恥ずかしかった。



「うん、ありがとう。アンリおばさん、エミールおじさん」


「えへへ。良かったね、アーちゃん」


 ルナが俺の隣で笑っている。



「何言ってんだい、ルナちゃん。ルナちゃんも家族じゃないかい」


「え? 」


 おばさんとおじさんは笑いながらルナを見ている。



「そうだよ。ルナちゃんも家族だよ。子供たちもみんな、そう思っているよ」


 ルナにくっついたままの女の子はニコニコ笑っている。



「うんとね、うんとね。ルナお姉ちゃんは、わたしのお姉ちゃんだよ」


 ルナをもう一度「ぎゅ~」と抱きしめている。

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