第93話
「おばあちゃん、こんにちは! ……ん? 夕方だから、こんばんは、かな? 」
「ははは、ルナちゃんはいつも元気だねぇ。おばあちゃんは元気なルナちゃんを見ると嬉しくなっちゃうよ。……あれま? なんだい、髪を切ったのかい? 」
「えへへ、そうなんですよ。どうですか。似合ってますか? 」
一度「クルっ」と回ると、それをおばあちゃんは嬉しそうに ニコニコしながら眺めている。
「うんうん。おばあちゃんの若い頃にそっくりだよ」
「えへへ。じゃあ、おばあちゃんみたいに、可愛いおばあちゃんになれますね」
「ふふふ、こんなおばあちゃん褒めたって何にも出ないよ。 ……アメちゃん食べるかい? 」
「いいんですか! いただきます。アメ好きなんですよ。えへへ」
「ほれ、アレクスちゃんもお食べ」
「ありがとうございます。いただきます」
おばあちゃんからアメを貰い、口に入れる。
イチゴ味みたいだ。甘くて美味しい。
ルナもアメをほっぺたに入れ、美味しそうに食べてる。
「どれ。それじゃあ、ご飯作らないとね。じいさんが待ってるんだよ」
「えへへ、アメ、ありがとうございます」
「美味しいアメ、ありがとうございます」
お礼を言って、腰の曲がったおばあちゃんを見送る。
何度も通った広場を抜け、アンリおばさんの家を目指す。
みんな夕飯の時間なのだろう。そこらじゅうの家の煙突から煙が立ち昇り、美味しそうな匂いが広がっている。
勿論それはアンリおばさんの家も例外じゃない。
近づくにつれ、何度も食べたアンリおばさんの美味しそうな料理の匂いが強くなってきた。
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