「んー。アンリおばさまの料理の匂いがする。はぁ、これだけでお腹が減っちゃうね」

「ああ、腹減ったなぁ。アンリおばさんのご飯美味しいんだよなぁ。母ちゃんのご飯も美味しかったけど、それとはちょっと違うんだよなぁ」

「うんうん、美味しいよね。やっぱり私の家とも違うよ。面白いよね。……ん？　ご飯の感想で面白いってのは、どうなんだろ？　」

　首をひねって、腕組をしながら「んー」と言いながら考え込んでいる。

　ご飯で面白い……か。

　食事で味以外の感想が出てくる。ルナは本当に面白いな。

　俺はそんな風に考えた事無かったなぁ。

　でも……。　　

「ははは、いいんじゃないか、面白いで。これから色んな場所に行くんだ。そこでは、もっと面白いご飯がいっぱいあるぞ」

「えへへ、それは楽しみだねぇ」

　図らずも冒険の目的が一つ増えた。

　”色んな場所で美味しいご飯、面白いご飯を食べる”

　でも、面白いご飯ってなんだ？　自分で言っておいてなんだが、よくわからないな。

　その土地でしか食べられないご飯？　それとも、見た目が面白いご飯？　

　んー、わからん。

　まぁ、どっちにしろこれからの楽しみが増えた。

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