第92話
次の日は良く晴れた。
ルナの表情も天気と同じぐらい良く晴れている。
昨日までの浮かない表情はなくなり、楽しそうに鼻歌を歌いながら一緒に歩いている。
どうやら、気持ちに何かしらの区切りがついたみたいだ。
少しでもルナの力になれたみたいで俺も嬉しい。
「アーちゃん、ほら、ほら! 早く、早く! 」
手招きをしながら、ぴょんぴょん跳ねている。
「ははは、あんまりはしゃぐと転ぶぞ、ルナ」
「大丈夫、大丈夫! ほらっ! ……んぎゃ! 」
「クルっ」と一回転して見せた時に、足がもつれた様で豪快に尻もちをついた。
「ほぉら言わんこっちゃない。……大丈夫かルナ。ほら、手を出して」
「えへへ、ありがと」
急いで近づき、ルナの手を取って引っ張る。
見た感じは、ケガは無いみたいだし、荷物も無事みたいだ。
ルナは自分で服の汚れを手で払い、お尻の辺りを撫でている。
「大丈夫か? ケガとか無いか? 」
「うん、大丈夫、大丈夫! えへへ、転んじゃった」
「まったく、気を付けてな。……ルナお姉ちゃん」
「むー。アーちゃんのいじわるぅ」
ルナが豪快に尻もちをついた事以外には何事もなく、賑やかな道中だった。
いつも通り夕方前にはアンリおばさんの村、オムタ村に到着する事が出来た。
最初は物珍しそうにこっちを見ていた村の人たちだったが、今は慣れたもので挨拶を交わしてくれるようになっていた。
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