第90話

「……」


「どうかな? アーちゃん」


 心配そうな表情で、俺の顔色をうかがっている。


 ”本を書く”


 初めての事だから、はっきり言って心配ではある。


 でも、俺はルナを信じている。


 そして、なによりも面白そうだ!


 やってダメだったら、その時はその時だ!


 

「……うんいいな、面白いかもな。応援するよ」


「本当! えへへ、ありがとう。アーちゃん」


「それじゃあ、俺の日記は好きに使っていいぞ。ルナのためだしな」


「えへへ、ありがとアーちゃん。大丈夫、大丈夫。悪いようにはしないから」


 まるで悪人の様なセリフを口にするルナ。


 なんで手でゴマをする仕草をしてるんだ、こいつは。


 ……はぁ、とりあえず今日のところは日記を返してもらおうかな。



「見たい時はいつでも言ってくれな」


「うん、ありがと」


 今日は色々書く事が多そうだな。


 俺は日記を返してもらい、小屋に戻った。

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