第40話

(絶対変な噂流されてるよー。どうしよー)


 枕に顔をうずめながら「うー、うー」唸りながら足をバタバタしている。それを見ていた姉弟たちはお母さんの所にトコトコ歩いて行き。



「お母さーん。お姉ちゃんが変だよー」


「大丈夫だよ。お姉ちゃんはいっつも変だから。朝ご飯だから呼んできておくれ」


「あっ、そうだよねー。わかったー」


 そう言うとルナの所に駆け寄って行き揺すって起こそうとした。



「お姉ちゃーん、起きてー、ご飯ー」


「うううー」


 ゆっくりと起き上がるルナ。髪の毛は寝癖が酷くバサボサになっていた。それを見た姉弟たちは「お化けだー」とキャッキャッと騒ぎながら飛び出して行った。



(全く、人の気も知らないで)


 ルナはしかめっ面をしながら部屋を出て台所に居る両親に挨拶をする。



「……おはよう、お父さんお母さん」


「はいおはよう。って凄い顔だな」


「どうしたのルナ。とりあえず顔を洗ってきなさい」


 ユラユラと洗面台に向かうルナ。その後ろ姿を笑って見送る両親。


 洗面台で顔を洗って何とか目を覚ます。頭も洗い髪の毛を整える。これで何とか見れるようになった。


 食堂でみんなと一緒に食事をしていると、ドアをノックする音が聞こえてきた。お母さんが出てみると、そこにはアレクスの姿があった。



「あらアレクスちゃん、おはよう。今日は早いのね? 」


「おはようございます、おばさん。ルナは居ますか? 」


「はいはい、ちょっと待ってね」


 アレクスの声を聞いてルナがドアに近づく。授業の時間にはまだ早く、なぜこんなに早く来たのかわからなかった。



「おはよう、アーちゃん。どうしたのこんなに早く? 」


「おはよう、ルナ。今朝は先生たちに挨拶するから早く行こうって昨日言ったじゃん。変換器も村長に返しに行かないといけないし」


「あ! 」


 昨日は遅くなってしまったから先生たちには挨拶をしていない。だから授業の前に挨拶をしに行こう、と家に着くまでの間打ち合わせをしていた。


 昨日の事はあんまり記憶に無く、すっかり忘れていたルナ。



「ちょっと待ってて! 」


 急いで自分の部屋に戻り、勉強道具と変換器の付いたベルトそして冒険日記を取って来る。ご飯を少ししか食べていなかったのでパンを口に咥えて家を出て行った。

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