第24話
外に出てルナが体を拭き終わるのを外で待つ。ドアの前の階段に腰を掛ける。
夜は寒く息を吐くと白い影が空に昇っていく。その影を追って夜空を見上げる、雲一つない夜空に広がる満点の星。
満点の星空を見ながらリリアン先生が言った事を思い出す。
(確か、亡くなった人は星になる……だっけ。でもそれじゃあ、すぐ星でいっぱいになっちゃうんじゃないか? )
そのまましばらくの間夜空をぼーっと眺めていると、小屋のドアが開いてルナが出てきた。
アレクスを見つけるとこちらに近づいてきて隣に座った。
「終わったよアーちゃん。何してるの? 」
「ああ、別に。ぼーっとしてただけだよ」
「そうなんだ」
ルナも一緒になって星空を見上げる。子供の頃は村の中に作った秘密基地からよく星空を眺めていた。
あの頃とあんまり変わらない星空を二人でしばらく眺める。少しの間無言のまま空を見上げる二人。
「……寒くなってきたな。中に入ろう」
「そうだね」
さすがに体が冷えてきた。このままじゃ風邪を引いてしまう。
小屋の中は暖炉のおかげで暖かくなっているから早く入ろうとしたが、ルナは星空を見たまま動こうとしない。
「寒いから中にはいったら? 」
「ええ! でも……」
「風邪引くぞ」
「うう……わかったよぉ」
なぜか下を向いて中に入るルナ。アレクスは体を拭くため上半身の服を脱ぎ、タオルをお湯につけきつく絞り水を切る。
顔を拭き、上半身を拭く。冷えた体に暖かいタオルが気持ちいい。さすがに下までは拭くわけにはいかないので、足を綺麗にして拭き終了。
さっぱりして服を着てタオルを綺麗に濯ぐ。
「終わったよルナ」
「……」
「ルナ? 」
なぜかイスに座らずに小屋の隅で正座して、こちらに背を向けている。
呼びかけにも反応しないで下を向いている。仕方ないので近づいて肩を叩く。
「おいルナ! 終わったぞ」
「ひゃい! 」
アレクスが肩を触ると、ビクッと飛び跳ね慌てふためいている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます