第6話 万能薬



 転生する前、事前情報がまとめられていた宣伝CMが流れていた。


 ゲームショックの前で立ちどまった私は、宣伝用に置かれたテレビモニターに見入っている。


 そこにはアイテム調合とかアイテムスキルとかいう機能が、映像で流れている。


 今度のゲームでは使える道具が豊富で色々な事ができるのだとか。


 私はそういった事は、苦手だからうまくできるかどうかわからないけれど、でもなんとなく色々な事ができそうで楽しめそうダなと思った。






 三日後の朝。


 起きた私はまた里の見回りを行っていた。


 しかし、竜の事ばかり考えてしまう。


 午後は、勉強をこなさなければならないが、見に入らないような気が下。


 この世界にはどんな傷や病気にも聞く、薬があるらしい。


 それは、万能薬だ。


 ありとあらゆる怪我を治してくれるという不思議な薬。


 現実だったらそんなものあるわけないと思うが、ここはゲームの中の世界。


 あってもおかしくはない。


 実際に万能薬という名前のくするを使った者が世界各地にいるのだから、まったく効力がないというわけではないだろう。


 けれど、万能薬に使われる薬草は珍しくて、なかなか手に入らないらしい。


 だけど、獣使いの里の付近では、数年に一度、たまに素材が見つかったりする事もある。


 調べると、険しい崖によく生えていると聞いた。


 獣の里にある資料の蔵で数時間かけて調べたときは驚いた。


 こんなに近くに万能薬があった事にも驚いたが、里の物が数十年に一度、それを見つけたという記録が残っているのだから。


 もしかしたら、私も探せば見つけられるかもしれない。


 そう思った私は、そんな珍しい薬草を探しに行く事にした。


 危ないからこっそり一人で、朝早くに出発する予定だったけれど、町の外に出た時にアリオに見つかってしまった。



「お嬢、内緒で行くつもり?」

「アリオお願い、行かせて」

「別に反対はしないけど、条件はあるかな。仲間外れはいやだから俺も一緒につれてってよ」


 そういったアリオと一緒に、薬草を探す事になった。


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