第84話 【スーパーノヴァ】
【蛇手千手観音】
チェンの本体がいきなりスキルを発動する。
腕から大量の大蛇が放たれる。
分体も大量の蛇を放っていたが、本体の蛇はその数倍の大きさの大蛇だ。
やはり本体の能力は高い。
ララは、【疾駆】【剛力】で大蛇の頭を殴り倒していく。
しかし量で勝る大蛇。
ララはこれでは、埒が開かないと判断。
「くっ!"拳聖奥義グルグルパンチ"なのです!」
ララは両腕を左右に開き、左足を引き、体を捻りながら、引いた左足を回し蹴りのように蹴り出す。
すると、右足を軸としてまるで駒のように凄いスピードで周り始めた。
高速回転しながら襲ってくる大蛇に向かっていく。
少しでもこの高速回転に触れた大蛇は一瞬のうちに跳ね飛ばされる。そして頭は綺麗に打ち砕かれていた。
更にスピードを上げチェン本体の懐に入り込む。
そして回転を止める。
「うぉ〜りゃ〜!パンチラッシュなのです!」
ララの右ストレート、左ストレート、フック、アッパーが凄いスピードで繰り出されていく。
チェンの本体は、体をどんどん変形されていく。
【……うっ!グッ!グッグッ!
なんだこのチビの力は!
ふざけた力だ!仕方ありません少しひきます。】
チェンがそう言って引こうとしたとき、背後から衝撃を受ける。
そして、後頭部に矢が突き刺さる。
衝撃はウルだ。ウルの盾を背中にぶち当てていた。
そして、その後ろには銀翼の弓を引いたセシル姫。
ララが相手をしている間に二人はチェン本体の背後に周りこんでいたのだ。
「ナイスなのです!ウル!姫!
うぉ〜りゃぁ〜」
更にパンチラッシュを繰り出すララ。
「ララさん!チェンジです!」
ララはその声を聞いて横に跳ねる。
代わりに間合いに入ったのはコリー隊長だった。
分体を倒してこちらにやってきたのだ。
「うぉ〜!とりゃぁ〜」
チェン本体を剣で袈裟斬りするコリー隊長。
【うっぎゃあ〜!なんでコイツまで!分体がまたやられたのかぁ!
ヤバイヤバイ!
このままではヤバイ!
【融合】だ!】
体から血を吹き出しながらチェン本体はスキルを発動した。
すると、分体が一気にチェン本体に集まる。
そして、融合していく。
そして、また8本首の大蛇となったのだ。
しかし、そのうち2本の首は、こうべを垂れて
いる。ララとコリー隊長がたおしたからだ。すると、隣の首が死んでいる首を食らった。
そして明らか食らった首は圧を強めるのだ。
春麗、カグラ、魔王ゾルド、リリィも合流する。
すると、フミヤと戦っていた邪神カシエラがチェンに言う。
【情けない眷属だこと。
我が元に来なさい。まとめて葬ってあげるわ。】
チェンが邪神カシエラの元にいく。
すると、邪神カシエラはニヤっと笑うと右手を翳しスキルを発動する。
【スーパーノヴァ】
右手から巨大な球状が現れそれを放ったのだ。
フミヤは瞬時に、それの異様さを感じ取り、全体に魔法障壁を展開した。
そして、巨大な球がどんどんと大きくなり弾ける。
フミヤ達は、一瞬で白の世界に囚われた。
そのように感じたのだ。
邪神カシエラが放った一撃は、言わば邪神カシエラが生み出した星の爆発。
超新星爆発だったのだ。
途轍もない質量、途轍もないパワーの爆発で地獄剣山と呼ばれるトゲ山を吹き飛ばした。
爆発の衝撃はなんとかフミヤの魔法障壁で防ぐことが出来たが、周りのトゲ山の岩が砕けそれが振り注ぎ、フミヤ達は傷をおっていく。
リリィが【大聖女の癒し】を連続で発動してなんとか命を繋ぎ止めている状態だった。
そのスーパーノヴァ(超新星爆発)は継続して何回も何回も爆発し続ける。
フミヤは、ここで決断するのだった。
(魔王ゾルド!ここまで転移魔法で来たんだろ!
今すぐ皆を連れて転移魔法で逃げろ!)
魔王ゾルドはフミヤの言う通り行動しようとするが、リリィが叫ぶ。
「ふっフミヤ様!フミヤ様はどうするのですか!」
(わかってるだろ!リリィ!忘れたのか?!
俺は、死にたくても死なないんだよ!
いざとなればこの体から離脱する。
そうすれば、奴の攻撃は当たらない!
俺は、大丈夫だ!
行け!魔王国へ!必ず迎えにいく!)
「でっでも!」
ここで春麗が言う。
「私は残るぞ。チェンという化け物を生んでしまったのはサンダ人民国だ。
私まで逃げる訳にいかない。」
カグラが言う。
「春麗様がそう決めたあるね。
私も残るあるね。」
(死んでもしらんからな。
俺は、死なないという確証がある!
お前達にはそれがないんだぞ!
それでも良いなら勝手にしろ!
アル、ウル、セシル姫を守れよ!
コリー隊長!仇は、俺が代わりに討つから!
ララさん!皆んなを頼む!)
魔王ゾルドがリリィ達を転移魔法で連れて行く為、転移魔法を発動する。
六人が魔法陣の輪に包まれる。
その時、その輪からララとコリー隊長が瞬時に出てくる。魔王ゾルドとリリィ、アル、ウル、セシル姫は光に包まれて姿を消す。
(なっ何してんだ!)
ララが言う。
「春麗さんとカグラは残ってオッケーなら、ララも残ってオッケーなのです!
何かの役に立ってみせるのです!」
コリー隊長が言う。
「フミヤ様!申し訳ありませんが、姉の仇は自分で!それで死ぬのなら、それはそれです!」
(………ばっ馬鹿か!
くっクソ!【分与】
【鉄壁】【魔素纏い】【地属性魔法LV1ロックウォール】)
フミヤは、スキル【分与】でララとコリー隊長のスキルを書き換える。
春麗とカグラに【分与】でスキルを分け与える。
(取り敢えずこの爆発を耐える為に、今そのスキルで耐え忍ぶんだ!
皆んな死ぬなよ!
ララさん!自分の力を過信しすぎるな!
わかったか!)
「わかったのです!取り敢えず耐えるのです!」
【スーパーノヴァ】超新星爆発をまずは、耐える選択しかないフミヤ達。
地獄剣山に爆発音が長い間響き渡るのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます