第72話 奴隷解放
春麗、ララ、アルが奴隷商人達を相手にしている頃、リリィ、セシル姫、ウル、コリーは奴隷達を解放すべく動いていた。
「姫!リリィさん!コリーさん!
僕が先行するよ!
テント内に奴隷商人がいる可能性が高い。
僕が先行して、敵の攻撃を受け止める。
その間に仕留めて!」
リリィは聖剣ホワイトローズを抜き、コリーも剣を抜く。セシル姫はナイフを構える。
そして、ウルの後ろについていく。
ウルがテントに突入する。
前方から剣が振るわれる。
それは、全てウルの盾によって防がれる。
そして、そのどれもが砕ける。
ウルの盾もまた、ノーム様によってオリハルコンに変化していたのだ。
すぐさま、リリィ、コリー、セシル姫がウルの後ろから飛び出して奴隷商人を斬りふせる。
そして、テント内にある檻にいく。
小人族が入れられていた。
コリーが中の小人族に声を掛ける。
「助けに来ました!獣人国とガーランド王国の者です!
鍵を破壊します!
少し離れてください。」
コリーは、檻に付けられていた鍵を剣で叩き斬る。
檻が開き中の小人族が出てくる。
セシル姫が声を掛ける。
「全員助けます〜。
皆さんは、私達から離れないよう〜しっかりついてきてください。」
リリィが次の檻の、鍵を潰す。
続々と小人族が出てくる。
ウルが言う。
「後は向こうのテントだね。
僕とコリーさんが行くから、リリィさん、姫は今助けた小人族を春麗さんの私邸へ!」
セシル姫が答える。
「わかりましたわ〜。
リリィさん!行きましょう!
それでは、みなさんついてきてください!」
セシル姫についていく小人族。しんがりをリリィが行く。
テントの外に出ると小人族達が声を上げる。
「こっこれは!なっ何?
血の海ったい!
あっ!あれは!みっ皆んな!あっあれは、エルフの森集落の……ララ姫じゃなか?
ララ姫ったい!ララ姫様が助けに来てくれたと?!」
セシルが言う。
「皆さん〜今は、足を止めないで〜!」
すると、ララがこちらの声に気づいたのかこちらを見て、叫ぶ。
「小人族の皆!セシル姫とリリィさんの言うことを聞くのです!
ララは、皆を逃す為ここで戦っているのです!
皆は、セシル姫とリリィさんに、しっかりついていくのです!
二人は、ララの仲間なのです!
二人を信用するのです!
良いですね!」
そう言うと、奴隷商人の一人を殴り飛ばすララ。
小人族達はそれに、歓声をあげた。
「さあ!行きますよ!皆さん!
セシル姫!行きましょう!」
セシル姫とリリィは小人族を誘導して、裏口から外に出る。そして、小走りで春麗の私邸へ向かうのだった。
ウルとコリーは向かい側のテントに突入する。
ウルは"戦盾"を発動して、斬りかかってきた奴隷商人を盾で殴り飛ばす。
吹っ飛んだ三人の奴隷商人をコリーがとどめをさしていく。
ウルがコリーに言う。
「僕がここを見張ってるよ!コリーさん!
救出を!」
「了解!」
コリーが檻に駆けていく。
ここに入れられていたのは、小人族だけではなく獣人の女性と子供達だった。
「私は、獣人国近衛騎士隊長のコリー!
獣人国とガーランド王国セシル姫一行が助けに来た!
今から助ける!少し離れていろ!」
コリーが檻の鍵を破壊する。
「獣人の女性達よ。子供達の手を握れ!
絶対離すなよ!
子供達は、少し大変だがしっかり走るんだ。
いいな。ウルさん!以上ですね!
行きましょう!」
「オッケー!皆僕についてきてよ!」
ウルが先導する。
しんがりをコリーが受け持つ。
途中で子供がこける。
そこに奴隷商人の刃が飛んでくる。
ギリギリ、コリーが剣で受け止める。
「すぐ立て!そして駆けろ!振り返らず!」
コリーが奴隷商人を斬る。
すぐさま追いかける。
そして、コリーは裏口で全員が外に出るまで仁王立ちだ。追いかけてから奴隷商人を斬って斬って斬りまくる。
そして、コリーも外にでる。
「皆!もう少しだもう少しの辛抱だ!
駆けろ!」
ウルの先導、コリーのしんがりで闇に消えて行くのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
(表門サイド)
轟音を響かせ、隕石が全て落ちて門や塀を粉々に破壊したフミヤは、混乱に乗じて屋敷敷地内に入り込んだ。
まだ"隠密"を発動中だ。
この騒ぎで奴隷商人達をいかに、ここに引きつけられるか。
そして、ブルスリをここに釘付けにできるかだ。
フミヤは、木の影からスキルを連発する。
屋敷に向けて、"風属性魔法LV1ウインドカッター" "雷属性魔法LV1サンダーボールを投げつける。
ブルスリが叫ぶ。
「門と塀の次は屋敷あるね!
探せ!賊を探せ!」
ブルスリの声で奴隷商人達が屋敷から出てくる。
ブルスリが動こうとしたのを見て、フミヤは【特級スキル"大地の怒り"】を発動する。
轟音が轟き、地が割れ、地が上下に揺さぶられる。あるところは隆起し、更に揺れる。
動こうとしたブルスリは、地に四つん這いになり耐えるしかなかったのだ。
フミヤは、手を止めない。
"鉄壁""魔素纏い" "魔法障壁" "王剣"
"魔法剣"そして【火属性魔法極LV1業火】を付与 【疾風迅雷】"疾駆""剛力"を一気に発動し、魔剣ブラックローズを抜き、木の影から大地の揺さぶりが落ち着くころを見計らって駆け抜ける。
フミヤが駆けたところに風がふき暴れる。
その風が刃となって奴隷商人達を刻んでいく。
後追いで雷が走る。
風から逃れた奴隷商人が次は雷にやられ感電していく。
そして、フミヤは駆け抜けながら魔剣ブラックローズを振り回す。
魔剣ブラックローズから青い炎が飛び散る。
少しでも青い炎に触れた奴隷商人は、一気に青い炎に包まれていく。
その青い炎に包まれた奴隷商人が苦しげに近くの者に触れる。
すると次々に引火していく。
挙句、屋敷に青い炎を纏った奴隷商人が逃げこむ。
屋敷に青い炎が引火したのだった。
一瞬のうちに、地獄と化した表門周辺。
フミヤは"隠密"を解除し、ゆっくりと姿を現す。
そして、ゆっくりと5剣神ブルスリの前に立つ。
ブルスリがそれに気付き、青筋を頭に立てながら叫ぶ。
「きっ貴様〜!何者あるね!
もしかして!ガオシュンを倒した男か!」
フミヤはニヤっと笑い、答える。
(ああ!確かにガオシュンとかいう男は俺が倒した。
まあ、お前も倒すんだがな。)
ブルスリは頭に青筋を立て怒り任せに言う。
「ガオシュンを、倒したくらいでよく吠えるあるね!
アイツは、所詮手数が多いだけの男あるね!
魔法も拳もつかえないあるね!
私と同じレベルで考えるなあるね!」
(ふん。どうでもいいわ。
どうせ倒すし。)
ブルスリとフミヤの戦いが今始まろうとしていたのだった。
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