第45話 あま〜い日
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5章に入る前に日常編をお送りします。
よろしくお願いします。
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帝国との戦争が終わった。
フミヤが勇者を倒して戦争が終了した為、実質1時間ほどの戦争であった。
なので兵糧も使い切ることなく、戦争資金的にも優しい戦争であった。
町が襲われることもなく、ガーランド平原のみでのぶつかり合いだったことも含めて、王都の生活が脅かされることもなく、すぐに平常のガーランド王国の日常となったのだ。
リリィが、大魔法"女神の蘇生"を行使し、命を落とした兵士や小人族、エルフの戦士達も生き返り、一時悲しみにくれていた者達にも笑顔が戻り、王国にとって何も言うことのない結果となったのだった。
その後帝国では、皇帝が実の弟、皇弟によって首を刎ねられ、妃、皇女も捕らえられ牢屋に入れられたのだ。
帝国は、皇弟によって大きく変化していくだろう。国民の笑顔が戻るのも早いだろう。
戦争の2日後。
王城を抜け出した俺とリリィ。
少し、冒険は休憩ということで王都をブラブラ二人で散策することにした。
いわゆるデートみたいなものだ。
まあ、そういうことをしている仲だし、まあデートだよな。
王都は賑やかだ。
王都前のチコリの町と比べると人の数も桁違いだ。
雑貨店を見つけては、リリィは立ち止まり商品を眺める。
(欲しいなら、買ったらいいよ。)
「ふふふっ。じゃあ、フミヤ様!
この指輪一緒に着けてくださいよ。」
ミスリル製のペアリングだった。
(まっまるで結婚指輪だな。
………まあ良いぞ。リリィとなら。)
「うわぁ!本当ですか!
フミヤ様の世界でも結婚を意味するのですか?」
(こっちでもそうなのか?)
「まあ、意味あいは一緒ですね。
永遠に添い遂げるという誓いの意味です。
…………本当に…?
本当に、私と付けてくれるのですか?」
(ああ。なんかおかしいか?
リリィの事を大事に思ってるし。
好きじゃなかったら、あんなことしない。
永遠に添い遂げる、良いじゃないか。)
「フミヤ様………私、魔族ですよ。」
(ふっ。それこそ、なんの問題があるんだ?
俺は、種族とか別に気にしない。
その人のことが好きか、どうか。それが判断基準だよ。
俺は、リリィが好きだよ。)
リリィが顔を真っ赤にして言う。
「そこは、愛しているじゃないんですか?」
(うっぐぐぐ。…うん。そうだな。
俺は、リリィを愛しているよ。)
リリィが抱きついてくる。
俺は、リリィを抱きしめてやる。
店先で何してんだって話だが、今日はデートだし……別に良いだろ?
俺は、店主に言ってこのペアリングを購入した。
そして、リリィの左手の薬指に指輪をはめる。
俺の左手の薬指にも指輪をはめる。
お互い、左手を寄せ合いペアリングを見る。
リリィの笑顔がとても眩しかった。
その眩しさのせいか、俺は未来を語っていた。
(いつか、冒険を終えたら、何処かに家を建てて、リリィとゆっくり暮らしたいな。
家の横に畑を耕して、二人で野菜を育てて、
魔物を狩って。
子供もいつかできて………)
リリィは、笑顔をさらに輝かせ言う。
「フミヤ様!約束ですよ!
今しっかり言質とりましたからね!
一時の気の迷いとか言ったら、死ぬまで拗ねますからね!」
(うわぁ。死ぬまで拗ねるの?!
それは勘弁だな。
約束だ!楽しみだな。
お金も貯めなきゃな。)
「ふふふっ。フミヤ様?
いまでも沢山のお金ありますよ?」
(お金は、いくらあってもいいだろ?
稼げる時に稼ぐんだよ!)
そんな会話をしているのを監視している二人の影。
「あま〜いのです!
凄くあま〜いのです。
まるで、砂糖を口いっぱいに頬張ったようにあま〜いのです!」
「ララさん〜お二人は〜お砂糖を食べているのですか〜?
それは〜どうかと思いますわ〜
喉が渇いてしまいますわ〜」
ララが口のまえで人差し指をふりながら言う。
「チッチッチ!
姫!違うのです。
砂糖は、ものの例えなのです!
姫は本当にお子ちゃまなのです!
ララお姉ちゃんの授業をしっかり受けるのですよ!そんなことでは、素晴らしいレディにはなれないのです!いいですか!?」
「あっ。ものの例えですか〜。
わかりました!ララお姉様〜セシルはお姉様にどこまでも付いてまいりますわ〜。」
「チッチッチッ!
ここは、あえて!
ララお姉様ではなく、ララ先生と呼ぶのです。
恋愛マスターララ先生です!
はい!リピートアフターミー!なのです!」
「はい!承知いたしましたわ〜
恋愛マスターララ先生!」
「さあ、動きだしたのです!
付いてくるのです!
気づかれないように慎重にですよ!」
「はい!恋愛マスターララ先生!」
ララとセシル姫は、フミヤとリリィの後をコッソリ付いてきていたのだった。
セシル姫が今恋愛に興味深々のお年頃。
ララはお姉ちゃんぶりたい。
そんな、二人がフミヤとリリィを尾行中なのだ。
フミヤとリリィが服屋に入っていく。
ララとセシル姫はサッと店が見える位置へとスタンバイ。
「リリィさんが〜フミヤ様に服をあてて何か言っていますわ〜」
「姫!あれは!
う〜む。リリィさんは、この恋愛マスターララ先生を唸らせるのです!
姫、あれは彼氏の服を選んであげるという恋愛高等テクニックなのです!
ここ、しっかりとメモをとるのです!
試験に出るのです!いいですか!」
「はい!恋愛マスターララ先生!」
セシルは、日記に書き込んでいく。
「あっ!恋愛マスターララ先生〜
次は、リリィさんが〜服を持って試着室に入りますわ〜」
「なるほど、なるほど!
ここは、見ものなのです!
女が試着するシチュエーション!
ここは、高難易度の恋愛テクニックがあるのです!」
「あっ!恋愛マスターララ先生!
リリィさんが、試着室のカーテンから顔だけ出して〜フミヤ様に何か言っています!
何を言ったのかしら〜?」
「こっこれは!
さっ流石!リリィさんなのです!
この高難易度の恋愛テクニックを使ってくるとは……
わかりますか!?姫。
服を試着する!イコール、さっき顔を出した時、リリィさんは着てた服を脱いでいたということ!
当然、フミヤ様はその姿を想像し、ドキドキする!
そこでリリィさん一言。
"そこに居て下さいよ♡"
エロスと可愛さの合体技!エロカワです!
こっこれは……先生も一本取られたのです!」
「なるほど!エロスと可愛さの合体技〜
エロカワですね〜!
恋愛マスターララ先生!
これは、試験に出るのですか〜?」
「う〜ん。良いでしょう!
試験にでるのです!」
「あっ!店から〜出てきますわ〜」
「隠れるのです!」
「行かれましたわ〜」
「警戒なのです!
気づかれたらお終いなのです!」
「次は、お食事でしょうか〜?
カフェに入られましたわ〜。」
「おっ!オープンテラスにて食事なのです!
これは、見学にもってこいなのです!」
「何を頼まれるのでしょう〜?
………恋愛マスターララ先生……
お腹空きましたぁ……。」
「……たったしかに!
しっしかし!姫!こっこれは、試練なのです!
うっ!なんと二人であれだけの量を食べるというのですか!」
(なあ。姫と恋愛マスターララ先生!
まだやるのか?)
「姫もララさんも一緒に食べましょう!
沢山注文しましたから。」
姫とララは顔を出す。
「なんでバレたのです?
姫!姫が隠れるのが遅いのでは?」
「えっ!私は必死に隠れましたよ〜」
(恋愛マスターララ先生!
声が大きいんだよ!
恋愛マスターララ先生の講義、俺達まで聞こえていたぞ!)
「ララの声でバレたですかぁ!
仕方ないのです!
小人族は、体の割に声は大きいのです!」
「ふふふっ。さあ、姫、ララさんみんなで頂きましょう!」
ララとセシルの恋愛テクニック課外授業は、今回は大失敗。
次回の授業はいつだろうね。
お楽しみに。
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応援ありがとうございます!
フミヤとリリィの日常編と見せかけて、
ララとセシル姫の日常編でした。
あと一話日常編を挟んで、5章に入りたいと思います。
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