第29話 次の目的地
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スキル一覧
憑依LV2 呪殺LV1
吸収LV2
刺突LV2
剛力LV2
瞬歩LV1
跳躍LV1
認識阻害
鑑定阻害
アイテムボックス
受肉
空間転移
魔法障壁
隠密
覇気LV2
魔素纏い
岩ブレス
記憶操作
王剣LV1
槍技LV1
斧技LV1
斬撃LV1
魔法剣
疾駆LV1
鉄壁LV2
鼓舞LV1
聖属性魔法LV1(ヒール)
雷属性魔法LV1 (サンダーボール)
風属性魔法LV1 (ウインドカッター)
闇属性魔法LV1 (デス)
地属性魔法LV1 (ロックウォール)
火属性魔法極LV1 (業火)
水属性魔法極LV1 (ウォーターネット)
雷属性魔法極LV1 (稲妻レイン)
闇属性魔法極LV1 (メテオレイン)
【影使い】 【疾風迅雷】
【憤怒】 【電光石火】
【大地の怒り】
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
カシエラとダビエラを拘束したまま、王国王都の外に出る。
俺は、二人に向かって記憶操作を発動する。
騒ぎ立てていたカシエラとダビエラが一気に大人しくなった。
目は虚。一種の催眠状態だ。
(お前達は、王国には訪れていない。
俺達にも会ってはいない。
お前達は、ルシア帝国に勇者パーティとして滞在していた。その際スキルを失った。
スキルを失ったことで、勇者シルバから勇者パーティを解雇された。
行き場のないお前達は、祖国に帰るしかなくなった。
今、お互い別れの時。
この後、それぞれ祖国に帰る。)
俺は、拘束を解いた。
そして、俺達はその場をスッと離れ様子を見る。
二人の意識が覚醒していく。
そして、二人は話し出す。
「ダっダビエラ。私達はスキルを失って、あのクソ勇者シルバにパーティを解雇されたのね。」
「そうだな。クソ勇者シルバが偉そうに!
しかし、私らはスキルが無くなった。
もう祖国で静かにしとくしかないのさ。」
「そうね。ダビエラ。貴方には世話になったわ。元気で。」
「カシエラ世話になった。
またいつか、会えればいいな。
元気でな。」
二人は、それぞれの方向に歩き出す。
俺達は、その様子を観察している。
リリィが俺に言う。
「あの二人。歩いて祖国に帰るのかしら。
カシエラは聖教国。ダビエラは、獣人国ガネーシャ。かなりの距離があるのに。
乗合馬車に乗ろうと思わないのかしら?」
(俺は、歩いて帰れとは言ってないぞ。)
リリィもララもセシル姫もアルもウルも頭を傾げていた。
すると、カシエラが振り返り俺達に駆けてきて言う。
「ねえ、ここは何処かしら?近くに乗合馬車はあるかしら?」
ダビエラも立ち止まっていた。
俺は平然を保ちながら言う。
(ここはガーランド王国だ。
王都は直ぐそこだ。
王都の門の前に乗合馬車は止まってるぞ。
何処に行くんだ?)
「私は、聖教国に。
この子は獣人国ガネーシャに。」
セシル姫が同じく、平然と答える。
「では、乗合馬車が出てますわ〜。
門の所に行かれてはどうですか〜?」
「ありがとう!助かったわ。」
カシエラとダビエラは、俺達に頭を下げて王都の門に向かった。
そして、それぞれの行き先の乗合馬車に乗り込み、馬車は走り出したのだった。
俺達は、馬車が見えなくなるまで見送った。
ララが言う。
「フミヤ様の"記憶操作"ヤバイのです!
あの二人、疑いもなく乗合馬車で行ってしまったのです!
ララ達のことも初めて会ったみたいだったのです!」
(これは、俺自身もビックリだ。)
俺達は、そう言って笑ったのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
数日後の聖教国。
カシエラは、聖教国に帰ってきた。
聖教国の民達が聖女カシエラを見つけ聖女の帰還を歓迎する。
カシエラは、苦笑いでその場に居ずらそうにしていた。
騒ぎを聞きつけた教会関係者がカシエラを保護したのだった。
そして、聖教国、マリア教会本部で枢機卿と面会した。
「聖女カシエラ。
其方だけで聖教国に戻ったのか?
勇者達はどうした?
まだ帝国に滞在しているのか?
何故其方だけで?」
「枢機卿。
もう私は聖女を名乗ることはできないのです。
私は、ルシア帝国に滞在中に聖属性魔法のスキルが消失しました。
その為、勇者シルバに勇者パーティから解雇され……行き場のなくなった私はここ、聖教国に帰るしかなかったのです。」
「なっなんだと!
そんなことがある訳無いだろう!
ヒールを唱えてみるのだ!」
「………何度も試しましたわ。
ヒール!……ヒール!
こんな感じですわ。
私は、これから大人しく余生を過ごしていきます。
勇者パーティ時代に稼いだお金もありますし。」
「どっどうするのだ!聖女が居ないとなると、聖教国はマリア教会本部の威厳を保てんではないか!?」
「そんなこと言われても、私にはどうしようもありませんわ!
勇者パーティで活動したことがこういう結果になったのですわ!
勇者シルバのあくどい活動を神が許さなかったのですわ!」
カシエラは、そう言って部屋を出ていった。
枢機卿は、頭を抱えるのだった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
数日後の獣人国ガネーシャ。
ダビエラは、獣人国に着いた。
ダビエラは、すぐに生家へ飛び込んだ。
「あらあら!ダビエラ!
勇者パーティの仕事はどうしたの?」
ダビエラの母だった。
「えっと……クビになった。
魔法やスキルを使えなくなったんだ。突然。
勇者シルバに、解雇された!
まあ、何も出来ない魔法士なんかクビになって当たり前だよね。
だからさぁ、私何でもするよ。
だから、母さん!
この家に居ていいだろ!
金は、ある程度持ってる!
これから、何をするか考えるよ!」
「……なんでこんなことに……
ガネーシャ王に知らせないとダメだねえ。
獣人の誇りだったのに。」
「勇者パーティが誇り?
あんなクソみたいな活動が誇り?
笑けるわ。
クソ勇者は、女のケツばっか追ってる性欲の塊だよ!
まあ、バチが当たったんだろうよ!」
カシエラとダビエラは二人とも自分達のやってた行動のクズさは、理解していたようだ。
この二人のこれからの人生に、幸あらんことを……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
馬車を見届けた俺達は、次の目的地について話し合っていた。
(取り敢えず、ガーランド王国にいつか、ルシア帝国と勇者が戦争を仕掛けてくるというのを理解した。
それまでにもっと強くならないといけない。
俺だけじゃなく、みんなもだ。
俺はスキルを奪うことで強くなれるけど、みんなもスキルを得る必要があるんじゃないか?
世界樹イブに行くしかスキルを得ることはないのか?)
ウルが答える。
「世界樹イブに行けば新たにスキルを得ることはできるけど、僕、それは難しいと思うんだ。海を渡って別大陸に行くなんて…
今の能力じゃ無理だよ。
だから、この大陸で出来ることをしたほうが良いと思うんだ。
この大陸には、イシス様以外にも精霊がいる。
そうだよね。アル。」
「そうね。精霊に会いに行くのが良いかもしれないわ。」
(何処にいるか知ってるのか?)
ウルが答える。
「僕が知ってるのは、ルシア帝国の北側にあるアッソ火山にいると聞いたよ。
火の精霊カッカ。
近いのはそこだね。
あと氷の精霊、水の精霊、雷の精霊、地の精霊……。でも火の精霊以外場所はわからないよ。」
俺は、皆を見渡す。
皆、火の精霊の場所しか知らないようだ。
(う〜ん。火の精霊は良いけど、ルシア帝国か。アッソ火山にいくには、当然皇都を通るんだろ?
勇者に近付くのはな…。)
セシル姫が言う。
「フミヤ様〜皇都は〜凄く広いと聞いていますわ〜
商人が言ってましたわ。
ルシア帝国皇都で待ち合わせをしても、なかなか出会えないと〜
勇者と鉢合わせすることもないのではないでしょうか。」
(う〜ん。どう思う?リリィ?)
「ふふふっ。私、別に鉢合わせになっても良いと思ってますよ!
だって、絶対フミヤ様負けませんもの。」
ララが言う。
「会ったらぶん殴ってやるのです!」
(ララさん!いきなり殴りかかるのはやめてね。鉢合わせになっても知らない顔して通り過ぎることが出来るかもだし。)
リリィが言う。
「じゃあ、決定ですね!
次の行き先は、アッソ火山!
アッソ火山で精霊カッカ様に会おう!」
俺達の次の行き先は、アッソ火山になったのだった。
なんか、絶対鉢合わせになるだろうな。
皆が笑顔で話しているのを見ながら、俺は一人思い悩むのだった。
ー 第三章 完 ー
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第三章はこれで終わりです。
明日から、第四章 ルシア帝国です。
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