第26話 アースドラゴンが逃げた理由

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スキル一覧

憑依LV2 呪殺LV1

吸収LV2

刺突LV2

剛力LV2

瞬歩LV1

跳躍LV1

認識阻害

鑑定阻害

アイテムボックス

受肉

空間転移

魔法障壁

隠密

覇気LV2

魔素纏い

岩ブレス

記憶操作

王剣LV1

槍技LV1

斧技LV1

斬撃LV1

魔法剣

疾駆LV1

鉄壁LV2

鼓舞LV1

聖属性魔法LV1(ヒール)

雷属性魔法LV1 (サンダーボール)

風属性魔法LV1 (ウインドカッター)

闇属性魔法LV1 (デス)

地属性魔法LV1 (ロックウォール)

火属性魔法極LV1 (業火)

【影使い】

【憤怒】

【大地の怒り】

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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


翌日。

あの後、ドラス王に連れられ酒場をハシゴ。

朝方まで飲み明かす。


リリィは俺の膝を枕に早々にダウン。

セシル姫とララ、アルは一軒目で宿屋に。

ウルは、

「僕!お酒大好き!何処までも付き合うよ!」と最後まで完走した。

ウルは本当に、酒豪だった。

ドラス王と酒の一気飲みで倒してたよ。


そして、今ドラス王とドワーフの幹部達と俺達は、鉱山の中にいる。


坑道をどんどん進んでいく。


何階層を下ったか。めちゃくちゃ深い。


(ドラちゃん。なんの鉱石が取れるんだ?)


昨日で、めちゃくちゃ仲良くなってドラス王をドラちゃんと呼んでいるのだ。


「フフフっ!アニキ!なんでも取れるで!

鉄から、ミスリル、ヒヒイロカネ、運が良ければアダマンタイト!

アダマンタイトなんか取れたときは、国上げての酒盛りや!」


(なんでも取れる言いながら、オリハルコンは取れんのか。)


「アニキ!オリハルコンなんか世界中探してもなかなか拝めるもんやないで。

オリハルコン!別名 神鉄や。

神の鉄やで!叩いてみたいよな!

まあ、オリハルコン扱えるんは、そこにおる鍛治の天才、ワシの弟のドラゴだけや。

火属性魔法の極がないと火力が足らんのや。

なあドラゴ!」


「そやなあ!鬼火使えな、無理やわな。」


(へえ。じゃあ、ドラゴはオリハルコン叩けるんだな。

良かった!これを、加工してほしいんだよ。)


俺はアイテムボックスからオリハルコンを取り出し言う。


ドラス王、ドラゴ、その他幹部が目の色を変えて俺の取り出したオリハルコンに食いつく。


「あっアニキ〜!こっこれ!

このオリハルコン!どっどないしたん?」


(ガーランド王に、依頼金の代わりに譲ってもらったんだ。

なんか国宝らしいぞ。)


「あっ当たり前やぁ〜!

なかなかないねんで!

で、剣にするん?何にするん?」


(人形にしてほしいんだ。

昨日見せたろ?

木の人形。あれみたいに、人形にして欲しいんだ。

木の人形だったら剣で斬られるけど、オリハルコンなら斬れないだろ?

じゃあ、俺が強くなるだろ。)


昨日、飲んでる時に俺の秘密を教えていたのだ。


ドラゴが言う。


「だったら、オリハルコンを薄く伸ばして木の人形にコーティングのように貼ったらええねん!

オリハルコンは薄くてもミスリルの剣アダマンタイトの剣くらい砕いてまうで。

そやなぁ。この半分でできるわ!

勿体ない勿体ない!

半分は、置いときいなぁ。

しかし、ガーランド王も凄いもん譲ったなぁ。

この塊だけで国二つは買えるで!」


(えっ?そんなにか?ガーランド王、簡単に譲ってくれたぞ?)


ドラス王が言う。


「そりゃ、クーデター起こした奴を叩き潰すために、アニキの力をどうしても必要やったからやん!

そんなんワシでも国取り戻す為なら、安いもんやと譲るやん!

しかし、アニキ!勇者のアホにオリハルコン持っとること知られんようにしいや。

あのアホ、オリハルコン探しとんねん!

ここにも偶に来て、オリハルコン出たかどうか聞きにくんのや。

いつも、そんなもん出るかいや!言うて追いかえしとるんや。

出てもあんなアホに誰が譲るかいってな!」


(勇者も欲しがってるんだな。

なんか、いつか勇者と本当にぶつかりそうだな。)


リリィが笑顔で口を挟む。


「ふふふっ。でもその時は、骨がオリハルコンになってるし、勇者くらい倒せるんじゃないですか?フミヤ様ならいけますって。」


(いや、わからんぞ。

この世界、スキルが全てだろ。

勇者が特級スキルを山程持ってたとしたら……負けるかもしれない。)


「………まあ、アニキもめちゃくちゃ強いけどな。

確かにアニキの言うように、あのアホのスキル次第ではわからんわな。

でも、アニキしかあのアホを懲らしめることできんで。

あのアホには、どの国も迷惑してんのや!

女のケツばっかり追い回しよるから。

人の女でも、お構いなしに寝取りよるねん!」


(寝取るって、それは、女の方にも問題あるんじゃないのか?)


「そやけどな!

でも、あのアホは男の敵や!

アニキも気をつけや。

どう見ても、リリィさんにセシル姫、アルにウル。

アニキ、勇者に餌撒いとるようやで。

その辺おったら、すぐ食いつくわ。」


(まあ、その時は勇者と戦いは避けられないだろうな。勇者と揉めたら、どっかの国がしゃしゃってくるのかな?)


「そやなぁ。

ルシア帝国は、勇者を取り込んどるからな。

その為に皇女を勇者に差し出したみたいやし。

ルシア帝国は絡んでくるやろな。

あそこは、ガーランド王国を敵視しとるからアニキのパーティにガーランド王国の姫がおるとわかったら戦争仕掛けてくるかもな。」


(おいおい。戦争?!

物騒だな!ますます、勇者と会わないようにしないと!)


セシル姫がここで口を挟む。


「………しかし、勇者と会わなくても〜

いずれルシア帝国は〜ガーランド王国に仕掛けて来ますわ〜

その為の勇者の取り込みですもの〜

ルシア帝国は〜叔父様率いるエルフの戦士を脅威に思っているのです〜。

その対抗策の〜勇者取り込みですから〜。」


(そうなのか。

なら、いつか確実に勇者とぶつかるってことか。ガーランド王国は、セシル姫の国でもあるからな。守らんといけないな。

その時までに、やっぱりもっと強くならないとダメだな。

勇者は、リリィ、セシル姫、アル、ウルの敵ってことか。もっと、スキルゲットしないと!)


その時、小人族のララが言う。


「フミヤ様。ララも女なのですよ。

ララも勇者に狙われるかもなのです。」


ドラス王が言う。


「ハハハハッ!

いくら勇者のアホでも、子供を性の対象にするかい!おもろいな。ハハハハッ!」


その瞬間、ララの拳がドラス王の腹に突き刺さる。


「ララは、これでもレディなのです!

セシル姫より一歳年上なのですよ!

勇者も意外とララの魅力の虜になるかもなのです!」


(……まっまあそっそうだな。

ララさんも守らないとダメだな。)


「いっ痛いわ!

なんで思いっきり殴んねん!

冗談やろ!」


「えっ冗談なのです?

じゃあ、許すのです。」


そんな感じでワイワイ喋りながら坑道深くに潜って行ったのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


最後の階層に降りた時だった。


「なっなんや!なんやこれは!

なんでこんなことになってんねんな!」


ドラス王の叫び声が響き渡る。


目の前には、スケルトンやグール、いわゆるアンデットと言われる魔物が山程居たのだ。

それも、何故か少しズングリした……いや違うな。等身が五等身くらいの元ドワーフではないかと思われるアンデットだった。

グールなんかは、モロ元ドワーフだと言ってるような者だった。


リリィがドラス王に言う。


「ドラス王。もしかして、亡くなった人を火葬せず、この鉱山にそのまま土葬してますかぁ?」


「おお!そうや。ドワーフは、鉱山に眠るのが幸せなんや。

だから、部屋を作ってそこに土葬しとるんや。」


「そりゃ駄目ですよ〜!

アンデットになってくださいって言ってるようなもんですよぉ。

こんな密閉空間。魂が天に召されることがないのですよ。

魂が抜けても、大気中に行けないから元の体に戻る。

そして、アンデットとなるのです。

ちゃんと火葬して、魂を天に返して上げないと駄目です!」


「えっ!このアンデット!

ワシらの同胞なんかい!

どっどないしよ!」


(これが、アースドラゴンが逃げ出した環境変化か。

並大抵の数じゃないぞ。

よく、この階層だけで留まっていたな。

リリィ。なんとかできるか?)


「う〜ん……

この場で浄化してしまうしかないですね。

でも、それだとあまりにも不憫すぎます。

ダンジョンや森が生み出したアンデットではありませんから。

元々ドワーフだった方達。

この場で神を感じ天に召される魔法を使います。

初めて使う魔法です。上手くいくか……。

でも、やらなきゃですよね。」


(もしかして、聖属性魔法 極の魔法?)


「そうです。やってみます。」


リリィは、その場で跪き祈りだした。

リリィの体が輝き、その輝きが激しい光に変わる。


「……鳴り響け!ホーリーベルよ。

そして聴き惚れよ。

"……聖なるホーリーベル!"」


リリィの体から光が抜け出す。


光がアンデット達を優しく包んでいく。


そして、響く鐘の音。

とても神々しい音だ。


思わず見惚れるくらいの神々しさ。


ドラス王なんか、ぽけ〜っと口を開けて放心状態だ。


アンデット達は、それぞれとても安らかな表情になっている。そして、次々と崩れていく。崩れると薄っすらとドワーフ達の姿が見えた。見えているのは、俺とリリィだけか?!

そして、そのドワーフ達が頭を下げて霧のように消えていったのである。


リリィが一瞬フラッと倒れそうになる。

俺はしっかり受け止めて声をかける。


(流石は、リリィだ。

あのドワーフ達も安らかな表情をしてたな。

ご苦労様。)


「ふふふっ。ありがとうございます。

ここは、魔素が薄いのか、回復が遅いですわ。」


(俺が、運んでやるから大丈夫だ。)


「はい!お願いします!フミヤ様。」


その後、俺が突き当たりの岩層に"大地の怒り"を使って岩層を深く割り、又地上に向けて戻るのだった。


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