第17話 ホーリーレイン

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スキル一覧

憑依LV2 呪殺LV1

吸収LV2

刺突LV2

剛力LV1

瞬歩LV1

跳躍LV1

認識阻害

鑑定阻害

アイテムボックス

受肉

空間転移

魔法障壁

隠密

記憶操作

王剣LV1

斬撃LV1

魔法剣

疾駆LV1

聖属性魔法LV1(ヒール)

雷属性魔法LV1 (サンダーボール)

風属性魔法LV1 (ウインドカッター)

闇属性魔法LV1 (デス)

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翌日朝。

………なんでこんなことになってんだ?


別々に寝たはずのリリィが俺の右腕を枕にして寝ている。


言っとくが、何もしてない。何もしてないぞ!


違う部屋で眠っていたんだから。

俺も、実体化できて眠気に襲われたからベッドに横になったらすぐ眠りについたのだから。


朝目覚めるとこうなっていたんだ。


「うっ。う〜ん。ああ〜フミヤ様。おはようございます!

良く眠れましたか?」


(そっそれは眠れたが、なっなんでリリィ俺のベッドで寝ているんだ?!)


「それは!フミヤ様にお守り頂く為です!

危険は、いつ何時降りかかるかわかりません!

フミヤ様のお側で眠るのが、私にとって1番安全だからです!」


(………そうなのか?!

俺がリリィの色気に負けて襲ったらどうすんだよ。)


「ふふふっ。フミヤ様なら私は全てを捧げますわ。ふふふっ。」


(………大胆なことを又、しれっと言うなぁ。

まあ、いいや。

今日は、戦いの日だぞ!

気合い入れなきゃダメだぞ!

さあ、起きた起きた!)


「え〜!もう少し微睡みません?

折角フミヤ様の温もりでとても気持ち良かったのにぃ!」


(ダメダメ!

朝は、男は敏感なんだからな!はい!起きた起きた!)


「何が?何が敏感なんです?」


(…………なんでもだよ!

もう、先に下に行くぞ!)


「ふふふっ。嫌だぁ。私も一緒に行きますわ。ふふふっ。」


全くリリィは!

俺も男だぞ!………でもなんか寝心地は悪くなかったな。


そんな1日の始まりだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



朝食をとり、俺達は森を出る。


森を抜けると、沢山の王都の民とエルフの戦士、王派の貴族とその私設兵団が集まっていた。


ライデル元帥が、皆を前にして語る。


「スナイデル侯爵、王妃のクーデターは、決して許せることではない!

奴らはすぐに、民に二割増しの税を引き上げる声明を出した!

其方達民を金としか思っていない暴挙だ!

我らは、ガーランド王国を愛する者!

賊を討たねばならん!

皆の力を貸してくれ!

我ら一人一人の力で、国を取り戻すぞ!」


「「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ…」」」」


民も、貴族も皆やる気に満ちた表情を見せていたのだった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


城では、スナイデル侯爵と王妃が宝物庫の扉の前にいた。


「フフフッ。この中にある宝は、全て我らの物だ!

さあ!開けるぞ。」


スナイデルが、扉を開ける。


笑顔だった王妃とスナイデルの表情が一気に変わる。


「こっこれは!?

なっなぜ空っぽなのだ!

王妃!これは、どういうことだ!

なんとか言え!」


「スッスナイデル様〜!

わっわかりませんわ!

一昨日までは、ありましたわ!

あの愚王が運び出す形跡などありませんでしたわ!」


「では、何故なにもないのだ!

おかしいではないか!

きっ貴様!私を裏切っているのではないだろうな!」


「なっ何故私が、スナイデル様を裏切るのです!ひっ酷いですわ!

しかし、王しか考えられませんわ!

そう言えば一昨日、冒険者ギルドのギルド長と副ギルド長、そして冒険者が来ていましたわ。

そいつらしか、考えられませんわ!

すぐに、手配を!」


「………ちょっと待て。

武器庫だ!武器庫に行くぞ!」


その後、武器庫にやってきたスナイデルと王妃。


当然ながらそこも、フミヤとリリィによって空っぽになっている。


「宝と武器がなければ、この城になんの価値もないではないか!

くっクソがぁ〜!

ガーランド王めっ!

してやられたわ!」


その時、兵士が慌ててやってきて言う。


「ほっ報告いたします!

王都の、いや、王都がもぬけのカラです!

たっ民が一人もいません!」


「なっなんだと!どっどうなっているんだ!」


すると、続けざまに兵士が駆けつけて報告する。


「たっ大変です!

敵襲!敵襲です!

エルフの戦士、王派貴族の兵団、民達の軍団が城を目指して侵攻中です!」


「なっなんだと!

すぐに、城前に兵を展開しろ!

すぐにだ!数で押し切るぞ!」


スナイデルは、城の外壁の上を目指して歩を進めた。王妃もそれに続いたのだった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


俺達は、城の手前で足を止める。

目の前には、続々と侯爵側の兵が出てきて陣を展開していく。

数では、こちらの3倍以上か。


睨み合いが続いた時、城の外壁の上にスナイデル侯爵、アバズレ王妃、王子、王女二人が現れる。


スナイデルが大声で言う!


「これはこれは!ガーランド王!いや、国を盗られた愚王と言おうか!

たったそれだけの数で、歯向かうとは。

馬鹿も死なねば治らないといったところか!

今なら許してやるぞ!

宝と武器を返して、退けば命だけはとらずに許してやる!

貴様!早く宝と武器を返せ!」


王が大声で言い返す。


「貴様は!何もわかっておらん!

数が全てでは無い!

国を思う気持ちの強さなのじゃ!

貴様のやり口は、賊のやり口!

その横のアバズレ女にお似合いの盗賊の頭といったところか!」


王が語った後、俺はリリィに言う。


(リリィ!俺は今から動くがリリィはここにいろ。一当てして、リリィの元に帰ってくるから。)


「わかりましたわ。フミヤ様!」


俺は、"疾駆""瞬歩""剛力""王剣"を発動した。

そして鞘から抜かず魔剣ブラックローズを掲げて。


一瞬で敵兵の目の前に行く。

ブラックローズを横に薙ぎ払いながら兵士達の間を風のように走り抜ける。


そして、リリィの元に戻る。


まるで、時間が止まっていたかのように、

リリィの元に戻ってから、敵兵が次々と吹き飛んでいく。


今の一当てで、敵兵の約半数が吹き飛び気を失っている。


スナイデル侯爵とアバズレ王妃は何が起きたのかわからず唖然としていた。


王が言う。


「ハハハハッ!

流石じゃ!フミヤ殿!

さあ!数的有利はなくなったぞ!

スナイデルよ!

覚悟するのじゃ!

突撃じゃ!」


敵兵は、すでにフミヤの一当てで恐れおののき、戦意を消失していた。


エルフの戦士、貴族の兵団が次々と制圧していく。


スナイデル侯爵が叫ぶ!


「戦わんか!何をしているのだ!」


その時、後衛にいたライデル元帥とセシル姫が何かに気付く。


後方から大軍が押し寄せてきているのを。


侯爵派の貴族の大兵団だった。


それに気づいたのは、ライデル元帥とセシル姫だけでは無かった。

スナイデルも気づいたのだ。


スナイデルは叫ぶ。


「ハハハハッ!後方から援軍が来たぞ!

お前達!援軍だ!

再度!戦意を!戦意を高めるのだ!」


俺は、流石にこれはヤバいなと思ったのだ。

しかし、その時俺の横でリリィがブツブツと何かを唱える。


すると、リリィの体から光が溢れ出した。


「………降り注げ!ホーリーレイン!」


リリィの体から、光が抜け出し凄い勢いで、大軍の空に向かって飛んで行く。

そして、一段と光輝いた瞬間、大軍に向けて光の雨が降り注いだ。


光の雨が大軍の兵達の体を貫いていく。


一瞬にして、大軍が横たわる。


光の雨が地面で跳ね返りまるで光の沼を思わす光景が広がっている。


(すっスゲェ〜!リリィ!お前!

めっちゃスゲェじゃないか!

聖属性魔法ってスゲェんだな!)


「フミヤ様!でもこれ、殺傷力ないんですよ!

いわゆるフミヤ様の憑依に似ています。

あの雨に当たった人は、一時気絶状態になるだけですよ!」


(それでもさ!

リリィらしい!魔法だよ!

人を殺めない!徹底していて、カッコいいわ。)


俺とリリィがそんなことを話している時、城壁の上では、スナイデル侯爵が半狂乱になっていた。


「なっなっ何なんだ!

ばっ馬鹿げてる!

あの強大な力は何なんだ!

ガーランド王は、あっあんな人材を隠しもっていたというのか!

もうダメだ!にっ逃げなければ!」


「スッスナイデル様!わっ私も私も連れて行ってくださいませ!」


「ええい!うるさい!

貴様などもう!用無しだ!」


スナイデルは、剣で王妃を斬り伏せようと剣を振り上げた時だった。


その剣は振られることなく、地に落ちた。


そして、スナイデル自身も地に倒れたのだった。


スナイデルの頭には矢が突き刺さっていた。


矢を放ったのは、何を隠そうセシル姫だった。


セシル姫の魔眼が金色に輝く。


そのセシル姫の後ろで、リリィのホーリーレインが光の沼を作り出し、セシル姫が光に包まれているようなそんな現象にも見え、民達はセシル姫に膝を付いて頭を下げるのだった。


城の城壁を突破したエルフの戦士と兵団が城壁の上にいる王妃と王子、王女二人を取り押さえる。


王、民達が国を取り戻した瞬間だった。


俺とリリィは、王と元帥、セシル姫の元に行く。


(侯爵は死んだようだが、その後ろの大軍は気絶しているだけだ。

王よ。この後が、王の器の見せ所だと思うが、どうだ?)


「フミヤ殿もブラックローズを鞘から抜かず、斬らなかった。

リリィ殿のあの大魔法も気絶だとは!

フフフッ。そうじゃな。この後のほうが忙しくなりそうじゃ。

悪の大元が死んだのじゃ。

まあ、王派の貴族の力を借りて侯爵派だった貴族との折り合いをつけて行くとしよう!

国には、人材が必要じゃからな。

元帥!其方も手伝ってもらうぞ!」


王はそう言うと、俺とリリィに頭を下げたのだった。


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