第2話:坂元 龍馬さんって人。

「後期・・・ってことは、ば?、ばくまつ?」


「そいなところに、へこ座っちよったら往来の邪魔になるき」

「わしについて、きいや・・・え〜と」


「あ、私、楢崎 涼子ならさき 涼子って言います。


「あなたは?」


「大きな声じゃ〜言えんがよ・・・」


そう言うとお侍さんは私のところに来て、おもむろにしゃがむと私の耳元で

小声で言ったの・・・。


「わしゃ、さかもと りょうまっちゅうがやき・・・お涼殿」


「りょうま・・・え?坂本 龍馬?・・・お、涼どの?・・・」


それがあの幕末の偉人、坂本 龍馬との出会いだった・・・と思ったの・・・。

でも実はそうじゃなかったみたい。


私が出会ったのは坂本 龍馬・・・じゃなくて坂元 龍馬さんって人のほう。

なにそれ・・・人違いじゃない。

歴史の人物じゃないじゃん。


で、こんな時代に来ちゃって私は行く宛もないから否応なしに坂元さんと

行動をともにすることにしたんだけど・・・。


なんかね本物の坂本龍馬さんが所有してた「いろは丸」って船が

瀬戸内海の備中・六島沖を航行中に紀州和歌山藩船・明光丸と衝突して沈没

しちゃったんだって・・・。


で坂本さんは幕府相手に直談判、交渉して相手の比を認めさせちゃって

弁償させたんだって。

で、その一件でかどうか知らないけど龍馬さんは幕府から狙われることに

なったの。


名前が同じだった坂元さん、本物と間違われて幕府から狙われる羽目になるの。


だから、坂元さんは私と一緒に知り合いの旅館や飲み屋さんにかくまって

もらって逃げ回ってたんだけど・・・。


とうとう坂元さんの居所が暗殺者にばれちゃって・・・あわや

これでおしまいって時に、私と坂元さんは謎の光に包まれて気が付いたら、

野球少年がいたあの河川敷。


帰って来ちゃったんだ・・・坂元さんを引き連れて・・・。


どうやら私は自分がピンチになると危険を回避するようになってるみたい。


え〜これっていいの?歴史変えちゃった?って一瞬思ったけど、

連れて帰って来たのは偽物の龍馬さんだから歴史は変わってないんだよね。


本物の坂本さんが暗殺されたって歴史は今も変わってないんだから。


でも歴史は歴史本当に本物の阪本 龍馬さんが暗殺されたって話だって

本当かどうか分かんないでしょ?


ってことで偽物の龍馬さんには悪いけど幕末に帰れない以上、今の京都に

いてもらって生活に慣れてもらうしかないみたいね。


ってことで私の独り住いにマンションに龍馬さんを連れて帰っちゃった。

いきなり男性が私のマンションに来ちゃって、しかも幕末のお侍。

この先どうなっやうんだろ?


つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る