新説・龍馬伝?。

猫野 尻尾

第1話:新説・龍馬伝。

一応3話で終了の短編です。


私の名前は「楢崎 涼子ならさき りょうこ」22才。

現在、小学校の教員研修生。


毎日、小学校まで自転車での通勤。

その日学校から帰宅する時間が遅くなったの。

で、いつもの道を曲がって、いつもの河川敷の土手に出た。


夕暮れ時、見ると子供達がサッカーをしていた。


私は自転車を止めて子供達のサッカーをしばらく見学することにしたの。

そしたら一人の男子が蹴ったボールがコートを外れて川のほうに飛んで

行っちゃったのね。


それでボールを蹴った男子が川までボールを取りに行ったんだけど、

川に落ちたボールが下流に流れていっちゃって、そのボールを取ろうとした

男子が、つい足を滑らせて深みに入っちゃって川の中に飲み込まれたの。

頭だけは見えたんだけど、泳げないのか手をバタバタさせてる。


他の子供達は誰も気づかず別のボールでサッカーを続けていた。


(泳げないの?)


その時の私は何も考えてなくて、ただ少年を助けないと、そう思って気が

ついたら川に向かって走ってた。

で、川の中に入って溺れかけてた男子を探そうとしたら川は思ったより深くて、

流れも速くて、もたもたしてたら私も川の流れに体を持って行かれて、

あれよあれよと言う間に激流まで流されて・・・起き上がろうとしても

なかなK起き上がれない・・・このままじゃ溺れるそう思ったの。


ごぼごぼ水を飲んじゃって、どうしようもなくてそ私はそのまま気を失った

みたいだった。


そして気がついたら、どこか知らない場所にいたの。

そこは人々が賑わう道の上?。


自分ではなにが起こってるのか分からない・・・。


(私、生きてる?)


かろうじてそう思った。


で、往来する人たちを見ると男の人は、みんなちょんまげなんか結ってる

し、女の人は日本髪?に着物?・・・ってことはここは何時代?・・・え?

もしかして江戸時代。

私、川で溺れて、こんなところまで飛ばされちゃったの?


あたりをよく見ると橋の欄干が見えた・・・どうやらそこは橋の上のようだった。


少し冷静になって考えた。


(あのサッカー少年は無事だったのかな?)


そんなことを考えてると私は誰かに声をかけられた。


「こないな橋のど真ん中に座り込んで腹でも痛いがや?」


男の人の声・・・。


そう言われたので私は声がしたほうを振りむくと、そこに一人の、お侍さん

が立っていた。

下から上まで、ゆっくり目で追ってみた。


足は草鞋わらじじゃなくて汚い革靴に薄汚れた着物・・・ボサボサの髪の毛

に無精髭。


「ごめんなさい、突然のことでよく分からないんですけど・・・」

「ここどこでしょう?」


「おまん、なに言うちゅう」

「ここな京都・・・五条の橋の上じゃき」


「あ、それはなんとなく分かるんですけど・・・なに時代でしょう?」


「江戸の後期・・・じゃき」


「後期・・・ってことは、ば?、ばくまつ?」


つづく。


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