カク02:朝焼けや点滴の遅きカウント

朝焼けや点滴の遅きカウント

あさやけやてんてきのおそきかうんと


季語:朝焼け



 「朝焼け」は晩夏の季語。太陽が昇り、空の色が変わってゆく。七月頃が最も美しい時期とされるが、天気が下り坂になる前兆ともされる。


 点滴のゆっくり落ちるスピード。夜通し動き続け、朝になっても変わらない。これから向かってゆく悪くもあり、好転することのない現実。


 上五は季語である「朝焼け」を「や」で詠嘆し、上五と残り十二音の対比。五七五ではなく五五七の型の崩れた違和感を与える。朝焼けは、悪くなる前兆なのだと!

 だから、助詞は点滴「の」にした。そして、最後のカウント。「カウント」が無く、「点滴の遅き」だけでも意味は通じ、不要な音数でもある。

 しかし「カウント」という言葉で、聞こえないはずの点滴の落ちる音が聞こえる気がする。

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