カク03:ただ見上げ伸ばす角無き蝸牛
ただ見上げ伸ばす角無き蝸牛
ただみあげのばすつのなきかたつむり
季語:蝸牛
蝸牛も蛞蝓も共に季語。生物としては似た存在になるが、殻があるかないかだけで大きくイメージは違うかもしれない。
蛞蝓は狭い隙間に隠れることが出来るが、蝸牛は殻がある為に隠れることが出来ない。丈夫なのか脆いのかも分からない殻に閉じ籠る蝸牛。
それならば、殻のない蛞蝓の方が自由なのかもしれない。
ベッドで寝たきり。そして点滴に繋がれ、自由に動けない。でも、私は蝸牛ではなく人。大きく伸ばし、覗き見る蝸牛の角も持っていない。
もし蝸牛が角を失えば、空を見上げるように首を伸ばすのだろうか?
シンプルな有季定型。蝸牛の動きの遅さ。そして、「伸ばす」した後に「無き」で消す。僅かな動きをすら出来ない、不自由さを意識した句。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます